魔王の息子に転生したら、いきなり魔王が討伐された

ふぉ

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終章 世界の終わりと創世の伝説

228 発光しそうなパンドラの箱

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 現在僕は飛行船でレイネスに帰還中だ。
 行きは弾薬を容量いっぱいまで詰めて、帰りは人間と持ち込み荷物を満載している。
 カイデウスさんが声をかけて集まった冒険者は30人に達した。
 それなりに腕の立つ人達ばかりだという話だ。
 時間も無いこの状況で、これだけの人数を集められるカイデウスさんの行動力と人脈の広さは感嘆に値する。

 ムサイ冒険者達が多い中、テイラン先輩とブラニカさんと娘のエイニアの異色な感じになっている。
 まだ生まれて半年のエイニアが泣き出してしまう場面もあった。
 慣れない飛行船に乗っているためか、なかなか泣き止まないエイニア。
 意外だったのは、ムサイ冒険者の一人が「俺に貸してみろと」と言ってエイニアをあやし始めたのだ。
 するとエイニアはあっという間に泣き止んだ。
 話を聞くと、冒険者になりたての頃は、子供の面倒を見る依頼で食いつないでいたらしい。
 もはやプロだった。
 一癖も二癖もありそうな面白い人達が来てくれたようだ。

 今回も特に問題は発生せずレイネスへ到着した。
 協力者に関しては、事前に通信機で事情を伝えてあったため、すぐに住居を提供することが出来た。
 僕は戻ってきてから確認しなければならない最優先事項があった。
 幹部達への報告をエリッタに任せ、僕はジェイエルの元へと急いだ。

 僕が医療棟へ入ったところで、ちょうどブレイトンさんと会うことが出来た。

「ブレイトンさん、ジェイエルの手術は?」

 僕はブレイトンさんの顔を見た瞬間に叫ぶように問いかけた。

「お、戻ったのか。
 だいぶ息を切らせているようだが、大丈夫か?」

 ブレイトンさんは僕を心配するような表情で見る。

「ブレイトンさん、ジェイエルは?」

 僕はさらに大声を出して聞いた。
 僕のことはどうでも良い。
 
「ああ、大丈夫。
 問題ない、成功したよ。
 しばらくは安静にしている必要はあるが、話も出来る状態だ。」

 ブレイトンさんは何でも無いことのように言う。

「よかった。
 早速ですが、会わせてもらえますか?」

「ああ、構わない。」

 僕はブレイトンさんに案内され、ジェイエルの病室へと入る。

「アグレトか。
 ブリデイン王国から戻ってきたばかりなのだろう。
 ここに来ている暇なんてあるのか?」

 ジェイエルは病室のベッドの上に胡座(あぐら)をかいて座っている。
 顔色を見る限り、以前よりも生気が増している。
 皮膚の炎症はそのままだったけれど、確実に良くなっているのが分かる。

「気になって仕事をする気にはなれませんよ。
 調子はどうなんですか?」

「全く問題は無い。
 今ならアストレイアとでも戦える。」

 ジェイエルが冗談を飛ばす。

「いやいや、しばらくは安静ですよ。」

「呪いが解けたおかげで、回復力も戻ってきた。
 本調子に戻るまでそれほど時間はかからない。
 それと一応言っておくが、俺はアストレイアとタイマンで勝っているからな。」

 何か衝撃の一言が聞こえた気がする。

「え?」

 僕の思考が止まる。

「もしかして俺がアストレイアに敵わないとか思ってたのか?」

 僕がオキスとして戦った時、力を出せていない状態だというのは分かっていた。
 しかしアストレイアよりも強いという、本調子に戻ったジェイエルが想像できない。
 もはや次元の違う世界の話だ。
 僕はパンドラの箱を空けてしまったのだろうか?

 この後、ジェイエルから惚気ともつかない、アストレイアとの出会いについて聞くことになる。
 それによって、生まれたばかりのオキスが見た光景の経緯が明らかになった。 
 その辺りの話に関しては、いずれまとめたいと思う。





 戦闘力無双の上に惚気無双だった。
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