魔王の息子に転生したら、いきなり魔王が討伐された

ふぉ

文字の大きさ
236 / 262
終章 世界の終わりと創世の伝説

237 テイストがイマイチなテスト

しおりを挟む
 僕は帰還したカイデウスさんから報告を受けた。
 クルセイダーズの総戦力は想定より少し少ない約18000だった。
 戦闘結果は敵の死者推定1500、重軽傷者は推定5000。
 さらに輸送部隊とクルセイダーズから10人ほど捕虜として拘束している。

 対してこちらは本来なら数えなくて良いレベルの軽傷者10。
 レイネスの近代兵器が圧倒したと言いたい所なんだけど、実は半分以上がジェイエルの成果だ。

「渡された武器のおかげで、こっちの被害はほぼゼロだ。
 こう言っちゃ何だが、敵は酷い有様だ。
 あまりに一方的で同情しそうになったぜ。
 それに今回、この大剣を一度も必要としなかった。
 レイネスの武器は強すぎる。」

 勝利したにもかかわらず、カイデウスさんは浮かない顔をしている。
 そしてあの人の事をあえて触れない。

「そのレイネスの武器を、剣で上回った人もいたみたいですが・・・。」

 仕方が無いので僕の方からあの人の話を持ち出した。
 終盤で大暴れした元勇者だ。

「あの人は別格もいいところだ。
 一人で千人や二千人、本当に相手にしてしまうからな。
 戦いが終わった後、さすがに疲れたとか言ってたが、顔が全然疲れてなかった。」

 カイデウスさんはため息をつく。
 戦勝報告とは思えない状況だ。

「ジェイエル一人のせいで、見事にレイネスの武器のテスト結果が測定不能になりましたからね。」

 僕もため息をつく。
 終盤の戦いでテストした武器の有用性が、ジェイエルが暴れまくったせいで全く計れなくなってしまったのだ。

「俺は一応止めたんだぜ。
 最後の戦闘で、リハビリには丁度いいとか言って突入していったんだ。
 俺にはあの人を抑えるのは無理だ。」

 ジェイエルが元気になりすぎている。
 とは言っても彼も人間だ。
 絶大な戦闘力を誇るとしても、体力が尽きれば最終的は負ける時が来る。
 たぶん・・・そう思う。
 
「まあジェイエルのことは置いておくとして。
 今回、なんらかの神獣の姿は確認できましたか?」

 一応、神鳥が出てくる程度の想定はしていたのだ。
 対策の武器も持たせてあった。

「いや、全然だ。
 完全に人間の部隊だった。
 まああれを人間と言って良いのならだが。」

 カイデウスさんは苦い表情をしている。

「どういう感じだったんですか?」

「砲弾が直撃しても生きている奴がいたり、地雷を踏んで足が吹っ飛んだにもかかわらずまだこっちに向かってくる奴がいた。
 まるでゾンビだ。
 一応死体を検(あらた)めたが、反魂系の魔法がかかっていたわけじゃ無かった。
 攻撃を受けて、普通に逃げ出す奴もいたから、まあ個人差はありそうだけどな。」

 今までの情報を総合すると、クルセイダーズは一般人を兵士化していると思われる。
 しかし普通に訓練してどうこうなるレベルの力では無い。

「何かしらの神の遺物の効果か、神の血を引く者の力か。」

 僕は以前からの予想を口にする。

「神の血を引くというと、話にあったリーフという少女か?」

 レイネスの部隊にはリーフの情報を話してある。
 戦場でエンカウントする可能性があるからだ。

「リーフに関しては、ハッキリ言って情報不足です。
 現在どこにいるかも分かっていません。
 ただ、戦いの鍵を握っているのは確かです。
 現時点で有力な情報を持っていそうな人物は三人。
 小人の姿をしているジブルト、狼に変身できるセフリ、神の血を引くリーフ。」

「くせ者っぽい奴らばかりだな。
 まあ、それはそれとして、敵の輸送部隊を指揮していた聖職者を捕虜にした。
 クルセイダーズの捕虜はこっちで話を聞いておくが、俺は聖職者は苦手なんだ。
 お前さんが尋問した方が話が引き出せると思う。」

 カイデウスさんが僕に尋問を勧めてくる。
 あまり気は進まないけれど、僕はカイデウスさんの話を了承する。

 そして僕は捕虜から情報を引き出すため、捕虜収容施設に向かった。
 残念ながら、情報を吐かせる自信は全くなかったのだけど。
 
「なんてこった。」

 捕虜の顔を見た僕は、ついそう呟いてしまった。
 聖職者の捕虜は、僕の見知った人物だったのだ。





 測定不能の暴れん坊無双がいたらしい。
しおりを挟む
感想 24

あなたにおすすめの小説

アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜

芍薬甘草湯
ファンタジー
アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。 ふとした事でスキルが発動。  使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。 ⭐︎注意⭐︎ 女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。

異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日
ファンタジー
交通事故に巻き込まれて、異世界に転移した拓(タク)と浩司(コウジ) そこは、剣と魔法の世界だった。 2千年以上昔の勇者の物語、そこに出てくる勇者の遺産。 新しい世界で遺跡探検と異世界料理を楽しもうと思っていたのだが・・・ 気に入らない異世界の常識に小さな喧嘩を売ることにした。

『魔力ゼロの欠陥品』と蔑まれた伯爵令嬢、卒業パーティーで婚約破棄された瞬間に古代魔法が覚醒する ~虐げられ続けた三年間、倍返しでは足りない~

スカッと文庫
恋愛
「貴様のような無能、我が国の王妃には相応しくない。婚約を破棄し、学園から追放する!」 王立魔道学園の卒業パーティー。きらびやかなシャンデリアの下、王太子エドワードの声が冷酷に響いた。彼の隣には、愛くるしい表情で私を嵌めた男爵令嬢、ミナが勝ち誇ったように寄り添っている。 伯爵令嬢のリリアーヌは、入学以来三年間、「魔力ゼロの欠陥品」として学園中の嘲笑を浴び続けてきた。 婚約者であるエドワードからは一度も顧みられず、同級生からはゴミのように扱われ、ミナの自作自演による「いじめ」の濡れ衣まで着せられ……。 それでも、父との「力を隠せ」という約束を守るため、泥を啜るような屈辱に耐え抜いてきた。 ――だが、国からも学園からも捨てられた今、もうその約束を守る必要はない。 「さようなら、皆様。……私が消えた後、この国がどうなろうと知ったことではありませんわ」 リリアーヌが身につけていた「魔力封印の首飾り」を自ら引き千切った瞬間、会場は漆黒の魔力に包まれた。 彼女は無能などではない。失われた「古代魔法」をその身に宿す、真の魔道の主だったのだ。 絶望する王太子たちを余目に、隣国の伝説の魔術師アルベルトに拾われたリリアーヌ。 彼女の、残酷で、甘美な復讐劇が今、幕を開ける――。

ブラック企業でポイントを極めた俺、異世界で最強の農民になります

はぶさん
ファンタジー
ブラック企業で心をすり減らし過労死した俺が、異世界で手にしたのは『ポイント』を貯めてあらゆるものと交換できるスキルだった。 「今度こそ、誰にも搾取されないスローライフを送る!」 そう誓い、辺境の村で農業を始めたはずが、飢饉に苦しむ人々を見過ごせない。前世の知識とポイントで交換した現代の調味料で「奇跡のプリン」を生み出し、村を救った功績は、やがて王都の知るところとなる。 これは、ポイント稼ぎに執着する元社畜が、温かい食卓を夢見るうちに、うっかり世界の謎と巨大な悪意に立ち向かってしまう物語。最強農民の異世界改革、ここに開幕! 毎日二話更新できるよう頑張ります!

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

現代知識と木魔法で辺境貴族が成り上がる! ~もふもふ相棒と最強開拓スローライフ~

はぶさん
ファンタジー
木造建築の設計士だった主人公は、不慮の事故で異世界のド貧乏男爵家の次男アークに転生する。「自然と共生する持続可能な生活圏を自らの手で築きたい」という前世の夢を胸に、彼は規格外の「木魔法」と現代知識を駆使して、貧しい村の開拓を始める。 病に倒れた最愛の母を救うため、彼は建築・農業の知識で生活環境を改善し、やがて森で出会ったもふもふの相棒ウルと共に、村を、そして辺境を豊かにしていく。 これは、温かい家族と仲間に支えられ、無自覚なチート能力で無理解な世界を見返していく、一人の青年の最強開拓物語である。 別作品も掲載してます!よかったら応援してください。 おっさん転生、相棒はもふもふ白熊。100均キャンプでスローライフはじめました。

異世界に降り立った刀匠の孫─真打─

リゥル
ファンタジー
 異世界に降り立った刀匠の孫─影打─が読みやすく修正され戻ってきました。ストーリーの続きも連載されます、是非お楽しみに!  主人公、帯刀奏。彼は刀鍛冶の人間国宝である、帯刀響の孫である。  亡くなった祖父の刀を握り泣いていると、突然異世界へと召喚されてしまう。  召喚されたものの、周囲の人々の期待とは裏腹に、彼の能力が期待していたものと違い、かけ離れて脆弱だったことを知る。  そして失敗と罵られ、彼の祖父が打った形見の刀まで侮辱された。  それに怒りを覚えたカナデは、形見の刀を抜刀。  過去に、勇者が使っていたと言われる聖剣に切りかかる。 ――この物語は、冒険や物作り、によって成長していく少年たちを描く物語。  カナデは、人々と触れ合い、世界を知り、祖父を超える一振りを打つことが出来るのだろうか……。

幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない

しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。

処理中です...