魔王の息子に転生したら、いきなり魔王が討伐された

ふぉ

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終章 世界の終わりと創世の伝説

246 怪我は無い、けれど毛が無いわけではないんだよ

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 エンプティモを脱出してから5日、ようやくレイネスへ戻ることが出来た。
 時間がかかったのは、馬を休ませながら移動したためだ。
 また、至れり尽くせりだった行きと違い、食料調達などにも時間をとられた。

 帰ってきた僕はすぐにレイネスの緊急会議を開いた。
 ちなみに会議の前に、僕はリプリアにどこか怪我が無いかしつこく聞かれた。
 過保護の母親みたいなのはやめて欲しい。
 しかも危険な状況を招いたということで、エリッタに何か言っていたみたいだ。
 いや、クーデターはエリッタのせいじゃないから。
 レベルゼロの僕は、スペランカーの主人公並みの扱いか・・・。

 事実上、エンプティモが神側の手に落ちた。
 その状況に呼応するように、国境周辺のクルセイダーズの主力が攻勢を仕掛けてきているようだ。
 そして帝国軍はエンプティモを諦め、防衛線をかなり後退させた。
 また、帝国の他の街にも反乱の火種がくすぶっている状況だ。

 レイネスの戦闘部隊が嫌がらせを仕掛けていた周辺国のクルセイダーズも、エンプティモに集結しつつある。
 嫌がらせで補給物資を焼いたりしたので、かなり疲弊した状態での合流となるはずだ。

 防衛の拠点であるエンプティモが落ちたのは、とんでもなくマズい状況だ。
 帝国にある神の遺跡まで、残りの距離がかなり近づいてしまった。
 そして別のニュースも舞い込む。
 帝国と同盟を結んだ魔領が、大兵力の援軍を出すらしい。

 兵力が多いに越したことは無いのだけど、僕としてはかなり不安だ。
 敵は魔法抵抗力が高い。
 魔族とは相性が悪いのだ。
 そしてさらに大きな問題がある。
 魔王アリスは歩く盗聴機なのだ。

 僕はレイネスの今後の方針を伝えた。
 まず嫌がらせの継続。
 飛行船で敵の補給を潰して回る。

 エンプティモに敵の兵力が集中するのは驚異だ。
 しかしそこに弱点も生まれる。
 大量に兵糧を消費するのだ。
 おそらく一般市民にも影響が出るだろう。
 しかしクルセイダーズに万全な体制で、帝国の奥にまで侵攻されては困る。

 現在飛行船は三隻に増えている。
 そして水平推進力を持つ気球も五台完成している。
 気球の推進力は魔法を利用する。
 テイラン先輩がレイネスとブリデイン王国の技術を融合して実現させたのだ。
 ずっと家に帰らず研究に没頭しているらしい。
 同僚から、

「このままだと子供が父親の顔を忘れるぞ。
 久々に家に帰ったら、この人だれだという顔をされるんだ。
 間違いない、俺もそうだったからな。」

 と言われる始末だという。
 僕はブラニカさんに謝りたい気持ちでいっぱいになった。
 
 会議では兵器開発の進行状況の確認も行った。
 ロケット砲は既に配備済みだったのだけど、ついにミサイルの開発に関しての報告があった。
 対地、対空ミサイルのテストに成功したというものだ。
 電子制御による弾道補正が働く。
 動いている相手にも、かなりの精度で命中させることが可能なレベルになっている。

 そして対地ミサイルには化学兵器を搭載することも可能な構造になっている。
 出来れば使いたくないけれど、切羽詰まったらやるしか無いだろう。

 運搬にはガソリンエンジンを使う。
 見た目はトラクターで、馬車の荷台をジョイントできるようになっている。
 荷台は数珠つなぎ出来るような接続部品も作られている。
 トラックのように専用のコンテナを作っている余裕は無い。
 この世界で使われている物とできる限り互換性を持たせた。

 そしてレイネスの部隊の再編成を行った。
 傭兵団の団長グレゴラスに複雑な兵器の運用を任せる形になっている。
 裏切られると一巻の終わりなので、リプリア配下の特殊部隊が監視に付くことになる。
 グレゴラス自身も見張りが付くことには同意した。
 「まあ、当然でしょ。」という態度だった。

 さらに僕はブリゲアンに指示を出す。
 歩く盗聴機、アリスを何とかするためだ。
 情報ダダ漏れの桶の穴を塞がなければ話にならないのだ。







 垂れ流し無双を止めないと。
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