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番外編
262 番外編 バーベルより重そうなバベル
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僕とアリスは遅めのランチを食べた。
そしてデザートとしてアリスが食後にと頼んでいたバベルのパフェが運ばれてくる。
その高さ2メートル。
バベルという時点で、神に喧嘩を売っているとしか思えない。
まあ、本当に喧嘩をしたことのある僕が言ってもしょうが無いけれど。
基本的に電気の使用は悪魔の技術として封印されている。
アイスクリームの冷却に使われているのは魔道具だ。
魔神ギスケの残した魔術理論と魔領から採掘される大量の魔晶石によって、悪魔の技術を使用しなくても大概のことは出来るようになったのだ。
「いや、さすがに無理でしょ。」
そびえ立つパフェを見て僕は言った。
「大丈夫、大丈夫。」
アリスがすごい勢いでパフェを食べていく。
「ちょっと待って。
下から食べ続けたら倒壊する。
このままだとバベるよ。
バランスを考えないと。」
僕がそうアドバイスすると、アリスは風の魔法を使って上の部分をそぎ落とし、口の中に落としていく。
「行儀が悪いからやめなさい。」
僕は注意する。
「あー!」
アリスが突然叫んだ。
周りの客からの注目を浴びる。
そもそもバベルのパフェが運ばれてきた時点で、かなり注目を受けているのだ。
「どうした?」
「いいこと思いついた。
このパフェが食べ終わったら、食べる前に時間を戻すの。
それでもう一度食べて、また戻すの。」
「・・・やめなさい!」
そうこうしているうちに、アリスはパフェを食べ終える。
明らかに胃の大きさを凌駕していたパフェはいったいどこに消えたのだろう?
アリスはとんでもないことに、違う種類をおかわりしようか本気で悩んでいる。
「さあ、時間が無いからいくよ。」
僕はアリスを強引にレストランから連れ出した。
名残惜しそうにレストランの方を振り返りながら歩くアリス。
「今回は化学兵器密造の疑いがある施設の確認をするよ。
以前に調査に向かった人員は、行方不明になったり、記憶を消されて丸裸で放り出されたりしているんだって。」
「へえ。
じゃあ、じゃんじゃんやっつけちゃおー。」
「いやいや、化学兵器だったら周囲に影響を与えることもある。
慎重に行かないと。」
僕たちは町から少々歩いたところにある郊外の建物の近くまで来た。
大きな倉庫のような施設だ。
そして人間の気配がある。
「ここは危ないからね。
立ち入り禁止だよ。」
腰に剣を携えている男が僕たちの前を塞ぐ。
雰囲気で分かる。
なかなかの使い手だ。
「僕たちは『悪魔祓い』から調査依頼を受けて来ています。
中を見せていただけませんか?」
「・・・。
そいつは出来ない相談だな。
怪我しないうちに帰った方が利口だぜ。」
男は最初に話しかけてきたときより低い声になり口調が変わる。
そして剣に手をかける。
「暴力反対!
やめた方がいいよー。」
アリスが男に言う。
さっき、じゃんじゃんやっつけちゃおーとか言ってなかった?
「これを。」
僕は賢者の杖をアリスに渡した。
そして男の方に向かって歩き出す。
「死にたいのか?
切るぞ。」
男が僕に警告する。
「いつでもどうぞ。」
僕は男の間合いに入った。
そしてデザートとしてアリスが食後にと頼んでいたバベルのパフェが運ばれてくる。
その高さ2メートル。
バベルという時点で、神に喧嘩を売っているとしか思えない。
まあ、本当に喧嘩をしたことのある僕が言ってもしょうが無いけれど。
基本的に電気の使用は悪魔の技術として封印されている。
アイスクリームの冷却に使われているのは魔道具だ。
魔神ギスケの残した魔術理論と魔領から採掘される大量の魔晶石によって、悪魔の技術を使用しなくても大概のことは出来るようになったのだ。
「いや、さすがに無理でしょ。」
そびえ立つパフェを見て僕は言った。
「大丈夫、大丈夫。」
アリスがすごい勢いでパフェを食べていく。
「ちょっと待って。
下から食べ続けたら倒壊する。
このままだとバベるよ。
バランスを考えないと。」
僕がそうアドバイスすると、アリスは風の魔法を使って上の部分をそぎ落とし、口の中に落としていく。
「行儀が悪いからやめなさい。」
僕は注意する。
「あー!」
アリスが突然叫んだ。
周りの客からの注目を浴びる。
そもそもバベルのパフェが運ばれてきた時点で、かなり注目を受けているのだ。
「どうした?」
「いいこと思いついた。
このパフェが食べ終わったら、食べる前に時間を戻すの。
それでもう一度食べて、また戻すの。」
「・・・やめなさい!」
そうこうしているうちに、アリスはパフェを食べ終える。
明らかに胃の大きさを凌駕していたパフェはいったいどこに消えたのだろう?
アリスはとんでもないことに、違う種類をおかわりしようか本気で悩んでいる。
「さあ、時間が無いからいくよ。」
僕はアリスを強引にレストランから連れ出した。
名残惜しそうにレストランの方を振り返りながら歩くアリス。
「今回は化学兵器密造の疑いがある施設の確認をするよ。
以前に調査に向かった人員は、行方不明になったり、記憶を消されて丸裸で放り出されたりしているんだって。」
「へえ。
じゃあ、じゃんじゃんやっつけちゃおー。」
「いやいや、化学兵器だったら周囲に影響を与えることもある。
慎重に行かないと。」
僕たちは町から少々歩いたところにある郊外の建物の近くまで来た。
大きな倉庫のような施設だ。
そして人間の気配がある。
「ここは危ないからね。
立ち入り禁止だよ。」
腰に剣を携えている男が僕たちの前を塞ぐ。
雰囲気で分かる。
なかなかの使い手だ。
「僕たちは『悪魔祓い』から調査依頼を受けて来ています。
中を見せていただけませんか?」
「・・・。
そいつは出来ない相談だな。
怪我しないうちに帰った方が利口だぜ。」
男は最初に話しかけてきたときより低い声になり口調が変わる。
そして剣に手をかける。
「暴力反対!
やめた方がいいよー。」
アリスが男に言う。
さっき、じゃんじゃんやっつけちゃおーとか言ってなかった?
「これを。」
僕は賢者の杖をアリスに渡した。
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「死にたいのか?
切るぞ。」
男が僕に警告する。
「いつでもどうぞ。」
僕は男の間合いに入った。
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