魔王の息子に転生したら、いきなり魔王が討伐された

ふぉ

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終章 世界の終わりと創世の伝説

(終) 採取されつつ最終話、実弾が発射された後の後日談

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「お母さん、あの人達は何しに来たの?」

「近くで悪魔の力を使う人達が現れたの。
 それを退治しに行くのよ。」

「悪魔の力って?」

「その昔、人間が神を滅ぼすために悪魔と契約したの。
 そして人間は神を滅ぼした。
 でもね、やっぱり悪魔の力は悪魔の力。
 今度はその力で人間が滅びそうになったの。」

「大変。
 その後どうなったの?」

「魔神様が現れて、悪魔の力を壊して回ったの。
 そして悪魔の力を使用を禁止した。
 それで何とか人間は生き残ることが出来た。」

「でもまた悪魔の力を使う人が現れたんでしょ?」

「神と人間の戦いで、悪魔の力が世界中にばらまかれたの。
 魔神様の力でもその全てを消し去ることは出来なかった。
 だから時として、悪魔の力を人が見つけてしまうことがあるの。
 悪い人が悪魔の力を見つけた時、それは最悪を引き起こしてしまう。
 そうならないようにあの人達、悪魔祓いがいるの。」

「悪魔祓いって強いの?」

「それは悪魔の力と戦えるぐらいだから・・・とっても強いはずよ。」

「すごい、私もがんばったら悪魔祓いになれる?」

「悪魔祓いは、とっても強い神の力と魔法の力が必要なの。
 だから、なるのはとっても難しいの。」

「私、頑張って強くなりたいな。」


 --------------------

「オキス、また出たみたい。
 はい、これさっき受け取った報告書ね。」

 僕は報告書を確認する。
 悪魔払いと呼ばれている組織の人間から渡された物だ。

「うへぇ、もしかして現物じゃなくて技術書の方?
 ということは、どこまで拡散したか調べないといけないのか。
 時間がかかりそうだし、そこでお昼にしようアリス。」

 僕は今、オキスの体だ。
 アグレトと名乗っていた人間の体は寿命を迎えて大往生した。
 するとアリスが保存していたオキスの体に僕の魂を移したのだ。
 おかげで僕は、寿命が尽きた後も自分がばらまいた負の遺産の後始末に回っている。

 ちなみにあの後、クルセイダーズの残党は、ギスケと北側から援軍に来た師匠によって壊滅することになった。
 そしてジキル達と合流し、通路が開く一ヶ月後を迎える。

 神との戦いは、それなりに壮絶なものになった。
 序盤はのこのこやってきた神の先兵に、挨拶代わりの高火力を投入しまくり圧倒する結果になった。
 その後、こちらから神の国へ逆侵攻をかけたのだ。
 神の国で化学兵器をばらまき、神の死体を積み上げた。
 非戦闘員もいただろうけど、区別している余裕は無かった。
 しかし意外に広かった神の国。

 神側がだんだんと兵器に対する対策を進め、押し返される局面もあった。
 けれどそのとき、既にウランからプロトニウムの取り出しに成功していた。
 何をやったのかは想像に難しくないだろう。

 そんな時、興味本位で槍の人が神の国をうろついていた。
 人間には認識できない槍の人も、電子的なセンサーで探知する事が出来たのだ。
 そして槍の人を神の国もろとも吹き飛ばした。
 興味本位でうろうろしていたのが運の尽きだ。
 確証は無いけれど、たぶん死んだと思う。
 あれで生きていたら、もうどうにもならない。

「お昼は甘いものがいいなあ。」

 アリスが言った。

「いや、三食はしっかりしたものを食べようよ。」

 何も言わないと、本当に甘いものだけの食事をしようとする。
 体に悪い。

「ええー、パフェ食べたい。」

「パフェも異界の辞典の産物だからなあ。
 消し去っておいた方がいいのかも。」

 僕はアリスに意地悪を言ってみる。

「ダメェー。」

 涙目になるアリス。

「線引きが難しいんだよなあ。
 生活用の技術として定着したものもあるし。」

「難し事はオキスに任せる。
 でもパフェは残しておいてね。
 さあ、行こう!」

 僕の手を引いてずんずん進んでいくアリス。
 そして小石に躓く。
 僕はアリスの手を引っ張る。

「ちゃんと足下を見て。」

「へへー。
 オキスがいるから大丈夫。」

 僕がこの世界でアリスに最初に会った時とは性格が180度変わっている。
 向こうの世界にいた時の性格に戻っていた。
 いや、前より酷い。
 もしかしてボケボケの実の能力者なのだろうか?
 時間が戻るかと思えるボケを連発する。
 おかげで突っ込み・・・いや、フォローが大変だ。

「ルディン、大変だけど一緒に頑張ろうな。」

『もちろん、しっかり最後まで頑張るよ。』

 最後というのがどこにあるのか見えないけれど、とにもかくにも頑張ろう。
 魔王種の体は長寿命だし、ルディンにはそもそも寿命があるのか良く分からない。

 とにかくお昼を食べたら仕事をしよう。
 いつまで続くか分からない、自分の蒔いた種を回収する仕事を。



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