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二章 じゃんじゃんグルグル第二層
31 亜硫酸がありゅんだよ
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僕はボス部屋の扉を開けた。フロアボスは植物系で巨大な木。近づかなければ攻撃をしてくる気配は無い。これ幸いとボス部屋に重油を流し込む。重油は水より軽い。湿地帯のように、うっすらと水没しているボス部屋だが、そのまま撒いても水の上を勝手に広がっていく。そして水溶性は無いので混ざったりはしない。
持ってきた重油全てを投入し終わった。体育館程度の広さがあるボス部屋なので、重油はなかなかボスの元へは届かない。しかし焼き殺すのが目的では無いので特に問題は無い。
そして僕は火炎放射器で重油に火を放つ。黒い煙を上げながら炎がゆっくりと広がっていく。ちなみに映画とかアニメだと油に火を放った瞬間、あっという間に燃え広がるような演出があるけれど実際は違う。特に重油の場合、熱で揮発するのにけっこう時間がかかる。火炎放射器レベルの熱量ならあっさり火を付けられるけれど、マッチを一本放った程度では実は燃えないのだ。逆に、一度火が付くと消火は困難だ。
重油が燃え始めたのを確認し、ボス部屋と控え室の間の扉を閉めた。後は待つだけだ。適当に製油した質の悪い重油。その燃焼によって発生する亜硫酸ガスは植物を枯らすだろう。ガスが駄目でも水に溶ければ液体の亜硫酸として残る。それを根から吸収すれば、植物は枯れることになる。亜硫酸は植物にも動物にも有毒だ。実は最初は塩を使ってダイオキシンを濃縮したものを作ろうかと思ったんだけど、重油で十分なことに気がついてやめたのだ。
僕は閉めた扉を見つめる。ちょっと待て・・・。そういえばきちんと確認しなかったけど、この扉って空気の密閉は可能なんだろうか?今のところ臭いは無い。もし気分が悪くなったら、反対側の扉から通路へ逃げるしか無い。
緊張しながら時間が過ぎるのを待つ。ガスは漏れて来ない。臭いも無い。控え室、凄く安全だ。たんだんと緊張感も無くなり、食料を平らげながらダラダラと過ごす。こんなことなら一人遊びの道具でも持ってくれば良かったか。
僕はひたすら待った。1時間、2時間。途中、中を覗いてみようかという誘惑に駆られるも、ガスが怖いので思いとどまった。怖いのは亜硫酸だけではない。限られた空間で限界以上に物を燃やすと酸素濃度が下がり、結果、一酸化炭素が発生する。こっちもかなり怖い。人間が一酸化炭素を吸い込むと体内の酸素が奪われて、それと認識する前に意識を失い死に至る。
・・・暇だ。お腹もいっぱいになり、やることが無い。なので僕は寝ることにした。憧れのぐうたらニート生活。ここに欠点があるとすれば、床が石造りで硬いことだ。いつも寝ている木のベッドの方が若干マシ。そういえば節約生活で布団的な物すら買っていなかったんだけど、そろそろそういう身の回り品も整えたいなぁ。
ここはまた・・・ボリハ村。
そうか夢の中なのか。
そして見えるのはリコッテだ。
出現率が高いなぁ。
今回はリコッテが行商人に凄い剣幕で何かを言っている。
いったいどうしたんだろう?
リコッテは、根負けした表情の行商人から沢山の金貨を受け取っている。
僕は身体を揺すぶられる。驚いて身体を起こした。揺すぶられた訳では無かった。ここでソロボッチの僕を起こしてくれる人などいないのだ。
何が起きたかというと、揺れているのだ。地震・・・いや、違う。これは一層のボスを倒した後と同じ、下の階層へ向かう階段が出現したときの揺れだ。もしかしてボスを倒した?
たぶん殺ったはずだ。今回ほど達成感やら実感が無い勝利も初めてだ。実質、重油を撒いて火を付け、飯を食って寝ただけだ。もしこんなゲームがあったら、間違いなくクソゲー認定を受けるだろう。
僕は防水装備を調える。亜硫酸が皮膚に付着するのを防ぐためだ。さすがに重油は燃え尽きたはずだけれど、中は有毒部屋と化しているはず。まあ有毒と言っても、即死するようなものではない。とにかくドロップを回収して早々に離脱しよう。
意を決して扉を開く。「ゴゴゴゴ」という音が響く。中は・・・何も無かった。いや、違う。ありはする。しかし今日ここに来たときとは全く景色が違っていた。湿地帯のようになっていた部屋が、第一層のボス部屋のような洞窟風の空洞に変わっていたのだ。
せっかく防水装備をしたのに、全く意味が無かった。空気も無色無臭で、環境がリセットされたような状態になっている。中央には下の階層へ降りるための螺旋階段が出来ていた。そしてあれはたぶん大樹の核。枝や葉っぱのドロップもある。僕は落ちていた素材を拾い集めた。
達成感は無かったが、一応叫ぶことにした。
「殺ったどぉぉぉぉ。」
そして僕は真顔に戻る。
さあ宝箱の時間だ。ボス部屋の宝箱には罠は無いハズという根拠の無い自信の元に、無警戒に開いた。中には・・・ショートソード。マジックアイテムっぽい気がする。ボス部屋の宝箱って、出現アイテムはランダムなのかなぁ。僕みたいなソロじゃ無くて、パーティで来ていたら奪い合いになるかも。実際の所は仲間も話す人もいないから分からないや、ははははは。
とにかく今回もフロアボスに勝利した。もしかして今後もずっとこの方法でやっていけば勝ち続けられるんじゃ無いだろうか?通常エリアの雑魚は火炎放射、ボスはガス攻撃。
「楽勝、楽勝」この時、僕は楽観的にそう思った。
持ってきた重油全てを投入し終わった。体育館程度の広さがあるボス部屋なので、重油はなかなかボスの元へは届かない。しかし焼き殺すのが目的では無いので特に問題は無い。
そして僕は火炎放射器で重油に火を放つ。黒い煙を上げながら炎がゆっくりと広がっていく。ちなみに映画とかアニメだと油に火を放った瞬間、あっという間に燃え広がるような演出があるけれど実際は違う。特に重油の場合、熱で揮発するのにけっこう時間がかかる。火炎放射器レベルの熱量ならあっさり火を付けられるけれど、マッチを一本放った程度では実は燃えないのだ。逆に、一度火が付くと消火は困難だ。
重油が燃え始めたのを確認し、ボス部屋と控え室の間の扉を閉めた。後は待つだけだ。適当に製油した質の悪い重油。その燃焼によって発生する亜硫酸ガスは植物を枯らすだろう。ガスが駄目でも水に溶ければ液体の亜硫酸として残る。それを根から吸収すれば、植物は枯れることになる。亜硫酸は植物にも動物にも有毒だ。実は最初は塩を使ってダイオキシンを濃縮したものを作ろうかと思ったんだけど、重油で十分なことに気がついてやめたのだ。
僕は閉めた扉を見つめる。ちょっと待て・・・。そういえばきちんと確認しなかったけど、この扉って空気の密閉は可能なんだろうか?今のところ臭いは無い。もし気分が悪くなったら、反対側の扉から通路へ逃げるしか無い。
緊張しながら時間が過ぎるのを待つ。ガスは漏れて来ない。臭いも無い。控え室、凄く安全だ。たんだんと緊張感も無くなり、食料を平らげながらダラダラと過ごす。こんなことなら一人遊びの道具でも持ってくれば良かったか。
僕はひたすら待った。1時間、2時間。途中、中を覗いてみようかという誘惑に駆られるも、ガスが怖いので思いとどまった。怖いのは亜硫酸だけではない。限られた空間で限界以上に物を燃やすと酸素濃度が下がり、結果、一酸化炭素が発生する。こっちもかなり怖い。人間が一酸化炭素を吸い込むと体内の酸素が奪われて、それと認識する前に意識を失い死に至る。
・・・暇だ。お腹もいっぱいになり、やることが無い。なので僕は寝ることにした。憧れのぐうたらニート生活。ここに欠点があるとすれば、床が石造りで硬いことだ。いつも寝ている木のベッドの方が若干マシ。そういえば節約生活で布団的な物すら買っていなかったんだけど、そろそろそういう身の回り品も整えたいなぁ。
ここはまた・・・ボリハ村。
そうか夢の中なのか。
そして見えるのはリコッテだ。
出現率が高いなぁ。
今回はリコッテが行商人に凄い剣幕で何かを言っている。
いったいどうしたんだろう?
リコッテは、根負けした表情の行商人から沢山の金貨を受け取っている。
僕は身体を揺すぶられる。驚いて身体を起こした。揺すぶられた訳では無かった。ここでソロボッチの僕を起こしてくれる人などいないのだ。
何が起きたかというと、揺れているのだ。地震・・・いや、違う。これは一層のボスを倒した後と同じ、下の階層へ向かう階段が出現したときの揺れだ。もしかしてボスを倒した?
たぶん殺ったはずだ。今回ほど達成感やら実感が無い勝利も初めてだ。実質、重油を撒いて火を付け、飯を食って寝ただけだ。もしこんなゲームがあったら、間違いなくクソゲー認定を受けるだろう。
僕は防水装備を調える。亜硫酸が皮膚に付着するのを防ぐためだ。さすがに重油は燃え尽きたはずだけれど、中は有毒部屋と化しているはず。まあ有毒と言っても、即死するようなものではない。とにかくドロップを回収して早々に離脱しよう。
意を決して扉を開く。「ゴゴゴゴ」という音が響く。中は・・・何も無かった。いや、違う。ありはする。しかし今日ここに来たときとは全く景色が違っていた。湿地帯のようになっていた部屋が、第一層のボス部屋のような洞窟風の空洞に変わっていたのだ。
せっかく防水装備をしたのに、全く意味が無かった。空気も無色無臭で、環境がリセットされたような状態になっている。中央には下の階層へ降りるための螺旋階段が出来ていた。そしてあれはたぶん大樹の核。枝や葉っぱのドロップもある。僕は落ちていた素材を拾い集めた。
達成感は無かったが、一応叫ぶことにした。
「殺ったどぉぉぉぉ。」
そして僕は真顔に戻る。
さあ宝箱の時間だ。ボス部屋の宝箱には罠は無いハズという根拠の無い自信の元に、無警戒に開いた。中には・・・ショートソード。マジックアイテムっぽい気がする。ボス部屋の宝箱って、出現アイテムはランダムなのかなぁ。僕みたいなソロじゃ無くて、パーティで来ていたら奪い合いになるかも。実際の所は仲間も話す人もいないから分からないや、ははははは。
とにかく今回もフロアボスに勝利した。もしかして今後もずっとこの方法でやっていけば勝ち続けられるんじゃ無いだろうか?通常エリアの雑魚は火炎放射、ボスはガス攻撃。
「楽勝、楽勝」この時、僕は楽観的にそう思った。
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