能力チート無しで目指す、現代人的ダンジョン踏破 ~成長するのは斜め上~

ふぉ

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三章 あん・あん、いやあん、第三層

33 丈のある、気になる木に首ったけ

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 ボスドロップを回収した僕は、街へ戻ることにした。途中、ハッカ油の効果が切れていたらしく、大蜘蛛の丸焼きを一つ作った。さらに中型犬みたいな大きさの蟻がいたけれど、それはスルーした。なんとなく嫌な予感がしたのだ。

 そして第一層を華麗にスルーし、ようやく街に戻ってこられた。時間は・・・すでに夜が明けていた。16日目、おはようございます。そしてお休みなさい。第二層のボスと立派に戦った僕は、疲労困憊で眠いのだ。既に寝ただろうって?いやいや、安全地帯とは言え、ボス部屋の控え室じゃ疲労はとれないよ。いっそ控え室に調理場とトイレと風呂を付けて、1Kの物件として快適生活とか出来ないかな?リセットさえるから無理か・・・。

 僕は賃貸物件に戻り眠る。起きたら昼過ぎだった。とりあえず15日目の決算から。

日数  項目          金額    個数 合計    所持金   
-------------------------------------------------------------------------
15日目 小型の樽          -5000蝸 10個 -5万0000蝸 4万2100蝸 
15日目 防水セット       -1万2000蝸  1個 -1万2000蝸 3万0100蝸 
15日目 朝食セット         -1200蝸  1個   -1200蝸 2万8900蝸 
15日目 食料            -3800蝸  1個   -3800蝸 2万5100蝸 

 もともと9万シュネあったはずなのに、重油を入れるための樽を沢山買ったせいで凄まじい散財になった。ちなみに原油を取りに行ったときは、ジャンク屋で入手した小さな容器を使ったんだけど、小さすぎて詰めるのが大変な上に、液漏れが酷くて大変だったのだ。おかげで魔法の袋の中がかなり臭くなったんだけど、さすがは魔法の袋、一日したらピタリと臭いは消えた。

 さて16日目の今日は、まず冒険者ギルドからだ。いつも通り冒険者ギルドの受付へ行く。
「アフタ君こんにちは。今日も核(コア)を持ってきたのかしら?」
 いつものおねえさんだ。僕は魔法の袋から大樹の核を出した。

「・・・ギルドカードを確認するわね。」
 おねえさんは青い顔をしながらカードの記録をチェックする。
「第二層のクリアおめでとう。やっぱり一人で戦ったのね。」
 おねえさんは笑顔を作っておめでとうと言ってくれたけれど、目が少し悲しそうに見えた。なんだか罪悪感に苛まれるけれど、コミュ障ボッチなんだから許して欲しい。

「ええっと、戦ったような、戦わなかったような。」
「いいわ、別に怒ってはいないわよ。本当におめでとう。ソロで二層をクリアするなんて、あなたで二人目よ。」
「二人目?」
「あなたと同期のサドン君よ。一週間前にクリアしたわ。」

 また、サドンですか?

 僕の同期「首狩り族のサドン」通り名は勝手に決めた。しかし・・・ソロでどうやってあの大樹を倒したんだ?強すぎるだろ首狩り族。だけど木に首なんて無いぞ?

 そして第二層をクリアしたことにより、ギルドランクが上がった。それによって特典が付いてきた。家購入の権利、上級クエストを受ける権利、持ち物預かり、クエストの依頼手数料の割引、クランの設立。

 家を購入する権利でソルトシールに自分の家が持てるのだ。でも・・・カネが無い。どうせ、お高いんでしょ?

 上級クエストが受けられるようになる権利って、そういえばクエストって一回もやってなかったな。前世で某大手国産RPGなんかをプレイしたときは、僕の性格だと、カジノとかを見つけても完全スルー。とにかくメインストーリーを進める。オマケ要素を楽しまないタイプなのだ。逆にシミュレーション系だと、足場をきっちり固めてから戦いに挑む。

 持ち物を預けることに関しては、荷物を自分の部屋とか作業場に置いておけば良いんだけど、ギルドの方がセキュリティは良さそうだ。

 クエスト依頼手数料の割引は、そもそもクエスト依頼自体をしないしなぁ。

 クラン設立の権利。いやっほぉぉ。メンバを集めて友達いっぱいだぁぁぁ!って・・・自分で言って空しくなるよ。ボッチがクランを作ってメンバ一人って、惨めも良いところだ。そんな傷口に塩を塗られるような特典いらない。

 ギルドの特典はそんなものだけど、別件でとても良いことがあった。大樹の核がなんと40万シュネで換金されたのだ。凄ぇぇぇぇぇ。一気に超大金持ちだ。魔法も買えちゃう、ホクホクだよ。

 さて、懐が暖まったところで、次はショートソードの鑑定に魔法屋へ向かった。いつも通り魔法屋のおねえさんがカウンターに座っている。
「あら、焼き肉のアフタ君じゃない。」
 ヤキニク、なんで知ってるの?

「凄い魔道具を扱うって噂になってるわよ。私も見てみたいわ。」
「え・・いや・・その・・そんなに大した物じゃ無いですよ。魔道具というか、魔力を一切使ってないので。」
「魔力を使っていない?」
 それまでニコニコしていた魔法屋のおねえさんから、突然表情が消えた。え? 何?

「ああああ、えっと、今日はこれを鑑定してもらいに来ました。」
 僕はボス部屋ドロップのショートショードを出した。
「鑑定ね。ちょっと待っていてね。」
 おねえさんはショートソードの鑑定を始めた。さあ、何が出るかな?
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