能力チート無しで目指す、現代人的ダンジョン踏破 ~成長するのは斜め上~

ふぉ

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七章 遺跡と迷宮、第七層

141 アフタのあたふたする伝説

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 始発の町へ戻ると、あまりの様変わりに唖然とする。今まで何も無かったところが綺麗に整地され、建築中の建物が数十軒建ち並んでいる。しかも人の数が倍増している。

「どうなっているの、コレは?」
「さっぱり分かりませんな。」
 私達がちょっと町を出ている間にいったい何があったというのか?

「これはリコッテ嬢、アフタ君には会えましたかな?」
 声をかけてきたのは宿屋のお爺さんだった。

「会えはしたけれど、話は・・・できませんでした。」
「ほう、それは残念ですの。」
「ところで少しの間にずいぶんと町が賑やかになっているわね。」
「ああ、そのことですか。実は・・・。」

 宿屋のお爺さんの話によると、ある時を境にとうとう町が街になったらしい。それに伴って「始発の町」は「創世の街」となったようだ。そして新たな施設が突然出現したという。それは地上との通路、つまり第一層と第二層のボスを倒さなくても、だれでもこの場所に来られるようになったということだ。ただし正攻法でここまでたどり着いた者以外は第三層のフィールドに出ることはできない。出ようと思っても、弾き飛ばされるらしい。

 便利になったと考えるべきだろうか? しかしここで高価格の取引を生業としてた宿屋のお爺さんは、商売的には打撃を受けているのでは無いだろうか?

「ふむ、何か私を心配されているようですな。それには及びません。こうして新築物件を建設して販売のめどが立っております。さらに交易も盛んになり、今まで以上にお客様のご贔屓にあずかっておりますよ。」

 商魂逞しい。私もボリハ村にいた頃は、いかにして利益を出していくか、そんなことを考える毎日だった。私はそれを楽しいと思ったことは無い。ただ旅の資金を稼ぐために必要なことだったからだ。しかし宿屋のお爺さんは私とは違い、商売そのものが趣味なのだろう。

 しかもアフタがこの街に残していったものが、今後の街の運営の助けとなるらしい。それはボイラーと呼ばれる機械だ。それがお風呂を沸かすのに使われていたことは知っている。実は使い道はそれだけでは無く、色々なものを生産するのに使えるというのだ。お湯を沸かす機械でいったい何が作れるのか私に想像できないけれど。

「魔晶石は高価ですが、それに変わる力をアフタ君はこの街にもたらしたのですよ。」

 宿屋のお爺さんはそう言ってアフタを称えた。やはりアフタの能力は尋常では無いらしい。私にはさっぱり分からないけれど、とにかく凄いらしいのだ。お爺さんは「ああ、忙しいの」と呟きながら去って行った。

 街が発展していくのは、今後のダンジョン攻略で役に立つかも知れない。とにかく本筋に戻ろう。

「このジャンクの金属片は、鍛冶屋に持って行けば良いのね?」
「はい、そこで魔法の鏡を作ってもらうのです。」

 ますます目の下のクマが酷くなってきているカンゾウが言った。休むように言っても、全く問題ないといってきかない。その辺りに関しては諦めることにした。

 そして鍛冶屋に到着。またアフタの話題を聞くことになる。

「アフタの知り合いか? じゃあ、注文を優先してやろう。奴には世話になったからな。アダマンタイトの加工ができるようになったのも奴のおかげだ。」

 ここでもアフタは何かをやったらしい。私は自分杖を見た。大賢者リコリースから受け継いだアダマンタイトの杖。その加工方法を知るのは彼女のみだったはず。とにかくアフタはとんでもない存在なのだ。

 魔法の鏡は明日の朝には完成するらしい。私達は今日はもう宿で休むことにした。アフタの作った浴場へ行き入浴を済ませる。そして酒場で食事を取っていると、偶然そこでアフタに命を救われたという人物から話を聞くことになった。

 魔法を使わず炎を操り、鉄の塊を馬車のように走らせ、ジャンクを使役する。そしてソロで次々とフロアボスを蹴散らしていく。話に聞くアフタは、とにかくとんでもない人物だった。

 このダンジョンでトップパーティーとも言える剣聖ブレアや武王ギデアでさえ、アフタに一目も二目も置いていたらしい。

 私は・・・そんなアフタに追いつけるのだろうか?
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