能力チート無しで目指す、現代人的ダンジョン踏破 ~成長するのは斜め上~

ふぉ

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七章 遺跡と迷宮、第七層

143 魔砲の魔法

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 マキシアムから放たれた無数の球体は、私の作り出した闇の魔法に吸い込まれていく。どうやら本格的に動き出す前に対処できたようだ。

 敵のレーザー攻撃は、いまだ散発的に行われてはいるものの、その間隔に間が出来ている。ダメージのせいなのか、球体を放出したからなのか分からないけれどコレはチャンスだ。私は魔法を切り替えた。杖の先に光魔法を集中する。

「サルミアキ、横に回避!」

 私は彼女に指示を出し、彼女はそれに瞬間的に従う。やはり戦闘慣れしている。

「いけぇぇぇ!!!!!」

 私は全力の魔力を込め、魔法の砲撃となった光魔砲を放った。途中、私の作り出した闇魔法を飲み込み、そして光の塊はマキシアムに到達する。ほとんど一瞬の出来事だ。あまりの光の量に、ボス部屋全体が真っ白に変わる。私の魔法は視覚的には凄いのだけれど、炎や風系統と違って音が出ない。

「・・・終わったわね。」
「そのようですな。」

 カンゾウが私の取りこぼした数個の球体を刀で真っ二つにしつつ応じる。光魔砲の直撃を受けたマキシアムは中央部分が丸くくり抜かれた状態になっていた。ピカピカ光っていた場所も全て点滅を止めている。そしてガラガラと崩壊を始めていた。

 さすがに第四層だけあって、今までのボスよりは手応えがあった。私一人だったら防御の面で苦戦したかも知れない。これもアフタは一人で戦ったのだろうか?

 そういえば鍛冶屋のおじさんはアフタには魔法の鏡は作っていないと言っていた。いったいどうやって戦ったのだろう? 第三層の街で得た情報だと、第五層に到達したところで疾風水神のスコヴィルとパーティーを組んだらしい。スコヴィル、彼女とは一度会っている。アフタが私から逃げたあの時だ。

 私の中でドス黒い感情がわき上がっているのを感じる。駄目だ・・・抑えないと。

「リコッテ様、大丈夫ですか?」

 サルミアキが私に声をかけてきた。今はアフタのことを考えるのはやめよう。別のことで気を紛らわせるべきだ。

「・・・大丈夫、それよりカッチェは?」

 そう、さっきからカッチェがいない。彼が本気で気配を消すと、私では全く居場所を察知できない。

「ここっす。助けてっす。」

 マキシマムの残骸の近くで声が聞こえてきた。カンゾウが残骸を刀で切り裂いていく。どうやらカッチェは残骸の下敷きになっていたようだ。

「いつでも奇襲をかけられるように待機してたっす。そうしたら色々落ちてきたっす。」

 這い出してきたカッチェは状況を説明した。見た感じ、それほどダメージは負っていないようだ。しかし下手をすると、私の魔法の直撃を受けていた可能性がある。気配が消せるのも考え物だ。次回からこの辺りの連携は気をつけていかないと。

 そしていつも通り宝箱が出現し、第五層への階段が現れる。今回も宝箱の回収はメンバーに任せた。

「次は雪の降っているエリアなのよね?」
「はい、凍てつく吹雪が舞う極寒の世界です。」
「寒いのは苦手っす。」

 雪・・・。私の村でも冬は雪が降った。村では冬越えの準備を事前にしておいて、基本的には冬の間は家の中で過ごすことが多かった。外で活動するにしても、天気の良い日を選ぶ。吹雪の中を突き進んでいくなど自殺行為に他ならない。

 一応、第五層を抜けるための装備は持ってきている。魔力の補助がかかったコートと魔力で動く氷のソリだ。

 氷のソリは、第三層のボス部屋の宝箱に入っていた魔法のステッキで作り出すことが出来る。魔力を込めれば進むことも可能なようだ。どこまで使えるかは、実際に雪の上で試してみないと分からない。

 とりあえずは今回の戦いで消耗した魔力を回復させるため、今日はボス部屋で休むことにする。この場所はボス討伐後は敵の出現しない安全地帯となるのだ。

 さあ、明日は第五層の攻略だ。
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