能力チート無しで目指す、現代人的ダンジョン踏破 ~成長するのは斜め上~

ふぉ

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七章 遺跡と迷宮、第七層

153 ムラのある村

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 お爺ちゃんは私の顔を見て、弱々しく手を差し出した。私はその手を握る。
「お爺ちゃん・・・。どうしてこんなことに。」
 お爺ちゃんの手は、以前よりもシワが増え骨張っていた。

「どうしてもなにも、リコッテがやったことの結果だよ。」
 後ろから声が聞こえた。アフタの声だ。

「村の外とほとんど交流の無かった村人が、急激な変化に耐えられると思ったの? それに外の人たちは善意の人間じゃ無い。自分の利益のために、邪魔なものの排除ぐらい平気でやるよ。そういう僕もけっこう騙されたけどさ。」

 私はアフタの方を振り返った。彼の顔をよく見ると、にやりと口元が緩んでいた。

「誰なの? あなたは私の知っているアフタじゃないわ。」
「へえ、リコッテは僕の何を知ってると言うんだい?」
「小さい頃から一緒に過ごして色々な彼を見てきた。少なくともそんな笑い方をするアフタを私は知らない!」
「それは君が見てきたアフタの一端に過ぎないよ。」

 アフタの顔をした何者かは、私に呆れたというような視線を向ける。

「リコッテや。」
「お爺ちゃん、どうしたの?」

 お爺ちゃんが私に呼びかけた。握っている手に力がこもる。

「リコッテ、後悔をしてはならん。そもそもこの村はお前の為にあったのだ。だからワシらは役割を終えたに過ぎん。本当は自分の孫にこんな役目を負わせたくは無かった。」
「何を・・・。」
「お前は自分の使命を・・・はた・せ。」

 突然、握っている手に力が失われていく。

「お爺ちゃん、お爺ちゃん!!!」
 何度呼びかけても、返る反応は無かった。私は呼吸を確認する。空気の流れが何も感じられなかった。

「そんな、何で・・・そんな。」
 私は涙が止まらなかった。動かなくなったお爺ちゃんにすがりついて泣いた。

「リコッテ、使命はどうするの?」
「使命ってなんなのよ!」
 アフタの顔をしている誰かに私は叫んだ。

「この世界を守る使命だよ。もうすぐアフタがこの世界を壊す。そうしたら終わりさ。この世界は無かったことになる。元の状態に還るというのかな?」
「何を言っているのかさっぱり分からないわ。」
 いったいこの偽物アフタは何を言っているんだろう?

「知りたいなら、それを身につければいい。今、君が握っているものを。」

 私は自分の手を確認する。さっきまでお爺ちゃんの手を握っていたはずなのに、今は違う物を掴んでいる。これは・・・アフタから貰ったパンティ。
 
「それはリコリースの遺品、それで全てが分かる。全てを知った後、リコッテがどうするかは自由だ。リコリースのように全てを無かったことにして逃げる・・・という選択肢もある。ただ、今回の残り時間はそうありはしない。」
「これを身につければ全てが分かるの?」
「そうだね、全てが分かる。君の大好きなアフタがどういう存在なのかも。」

 偽アフタがニヤニヤとしながら言う。

「そう・・・。ねえ、一つお願いがあるんだけど。」
「なんだい?」
「あなたのその汚くニヤついた顔、大っ嫌いだから消えてくれない?」

 そう言うと、偽アフタの姿が急におぼろげになっていく。そして消えた。
 
 私は決断しなければならない。
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