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九章 魔境の森だよ、第九層
180 賑わいを見せる握り寿司
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僕が宿屋へ戻ると廊下でサドンが話しかけてきた。
「アフタ、ずいぶんと顔色が悪いようだね。何かあったのかい?」
「いや・・・大丈夫。ちょっと疲れただけだよ。」
「僕もずいぶんと迷惑をかけてしまったからね。そうだ、食事を奢らせてくれないか?」
サドンは僕にそんな提案をしてきた。正直、あまり食欲は無い。
「食事ですか? 私も行きたいです。」
スコヴィルだった。
「どうせならブレアも誘ってみんなで行こう。そこで今後の話もしようじゃないか。」
サドンはすっかり元気になっている。記憶がすっぽ抜けたおかげでスコヴィルも完全に元通りだ。そして僕達は最近開店したという新しい店に行くことになった。
「これは・・・寿司屋のようだね。」
「お寿司ですね。」
「懐かしい。」
「なんで寿司屋?」
僕達四人が入った店はどこからどう見ても寿司屋だった。テーブル席にはにぎり寿司のセットが置かれ、それを客が食べている光景が目に入った。店は混んでいて、空いていたのはカウンター席だけだ。僕達はそこに座る。
「らっしゃい。何を握りやしょう?」
そう言ったのは割烹着に鉢巻き、がたいの良い若い男だった。
「玉子!」
「はまちをお願いしようか。」
「えんがわ。」
「・・・。」
僕だけ注文し損ねた。コミュ障の僕はこういう対面カウンターは凄い苦手だ。
「アフタさんは何が食べたいですか?」
「ええっと、お任せで適当に。」
僕は辛うじて注文することが出来た。
「あいよ!」
寿司職人が慣れた手つきでシャリを手に取りサッと握る。ワサビを適量つけてネタを手に取りサッと握り終える。それぞれ二貫ずつ用意された。ちなみに僕のところに来たのはアジだった。
食欲は無いけれどこのぐらいなら食べられそうだ。醤油を付けてバクリと口の中に放り込む。アジのお味は・・・美味しい。普通以上に寿司だった。
「美味しいです。」
「見事な握りだね。」
「煮穴子。」
みんな美味しそうに寿司を食べている。一人だけ既に次の注文に入っている人が混ざっているけど。まさかこんなところで寿司が食べられるとは思わなかった。
「ところで大将、もしかしてプレイヤーなのかな?」
サドンが単刀直入に聞く。
「プレイヤー? 何の話だい。」
どうやら違うらしい。たぶんこの人は寿司の握り方をプレイヤーから教わったという感じなのだろう。
しかし驚くべき事は職人的な技術だけでは無い。寿司で重要なのはネタの鮮度管理だ。ハッキリ言ってこれが出来ていない寿司は美味しくない。それどころか危ない。日本で刺身などの生魚が安全に食べられるのは冷凍冷蔵ももちろん、厳しい衛生管理も必要だ。今食べた寿司はそれが出来ている。よくよく考えてみると、こっちの世界に来てからは生魚など食べたことは無かったのだ。
「大トロ。」
僕が色々な部分で感動している横で皿を積み上げているブレア。この寿司屋、おそらくネタの鮮度管理に費用がかかるのだろう。だいたい一皿5000シュネするものが多い中、大トロは2万2000シュネだった。ぶっちゃけべらぼうに高い。まあサドンの奢りだから良いけど。
値段が時価とか書いてあったら完璧だったのに。僕はふとそんなことを思った。
「アフタ、ずいぶんと顔色が悪いようだね。何かあったのかい?」
「いや・・・大丈夫。ちょっと疲れただけだよ。」
「僕もずいぶんと迷惑をかけてしまったからね。そうだ、食事を奢らせてくれないか?」
サドンは僕にそんな提案をしてきた。正直、あまり食欲は無い。
「食事ですか? 私も行きたいです。」
スコヴィルだった。
「どうせならブレアも誘ってみんなで行こう。そこで今後の話もしようじゃないか。」
サドンはすっかり元気になっている。記憶がすっぽ抜けたおかげでスコヴィルも完全に元通りだ。そして僕達は最近開店したという新しい店に行くことになった。
「これは・・・寿司屋のようだね。」
「お寿司ですね。」
「懐かしい。」
「なんで寿司屋?」
僕達四人が入った店はどこからどう見ても寿司屋だった。テーブル席にはにぎり寿司のセットが置かれ、それを客が食べている光景が目に入った。店は混んでいて、空いていたのはカウンター席だけだ。僕達はそこに座る。
「らっしゃい。何を握りやしょう?」
そう言ったのは割烹着に鉢巻き、がたいの良い若い男だった。
「玉子!」
「はまちをお願いしようか。」
「えんがわ。」
「・・・。」
僕だけ注文し損ねた。コミュ障の僕はこういう対面カウンターは凄い苦手だ。
「アフタさんは何が食べたいですか?」
「ええっと、お任せで適当に。」
僕は辛うじて注文することが出来た。
「あいよ!」
寿司職人が慣れた手つきでシャリを手に取りサッと握る。ワサビを適量つけてネタを手に取りサッと握り終える。それぞれ二貫ずつ用意された。ちなみに僕のところに来たのはアジだった。
食欲は無いけれどこのぐらいなら食べられそうだ。醤油を付けてバクリと口の中に放り込む。アジのお味は・・・美味しい。普通以上に寿司だった。
「美味しいです。」
「見事な握りだね。」
「煮穴子。」
みんな美味しそうに寿司を食べている。一人だけ既に次の注文に入っている人が混ざっているけど。まさかこんなところで寿司が食べられるとは思わなかった。
「ところで大将、もしかしてプレイヤーなのかな?」
サドンが単刀直入に聞く。
「プレイヤー? 何の話だい。」
どうやら違うらしい。たぶんこの人は寿司の握り方をプレイヤーから教わったという感じなのだろう。
しかし驚くべき事は職人的な技術だけでは無い。寿司で重要なのはネタの鮮度管理だ。ハッキリ言ってこれが出来ていない寿司は美味しくない。それどころか危ない。日本で刺身などの生魚が安全に食べられるのは冷凍冷蔵ももちろん、厳しい衛生管理も必要だ。今食べた寿司はそれが出来ている。よくよく考えてみると、こっちの世界に来てからは生魚など食べたことは無かったのだ。
「大トロ。」
僕が色々な部分で感動している横で皿を積み上げているブレア。この寿司屋、おそらくネタの鮮度管理に費用がかかるのだろう。だいたい一皿5000シュネするものが多い中、大トロは2万2000シュネだった。ぶっちゃけべらぼうに高い。まあサドンの奢りだから良いけど。
値段が時価とか書いてあったら完璧だったのに。僕はふとそんなことを思った。
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