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本編 魔神の誕生と滅びの帝都
26 遺跡に移籍した魔術師
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俺が実験室に戻ると、エルシアとイリンが何やら話し合っているところだった。
俺が扉を開けたところで、エルシアが話しかけてきた。
「あら、ギスケ。
無事に帰ってこられたみたいね。」
「おかげさまで。
誰かさんが引き止めもせず、送り出してくれたからな。」
俺は皮肉を込めて言った。
「それはそれとして、成果の方は確認したわ。」
俺の皮肉はスルーか。
「とりあえず一週間以内に、アレを自在に使えるようにする。
皇女殿下の命令、最優先事項だ。」
「えええ、ちょっと待って。
あなたの疑似魔術回路の件はもちろん優先したいとは思っているけど、研究所の仕事も最終段階なのよ。」
エルシアが慌てて答える。
「やめとけ。
その件は確実に無駄になる。」
帝国でどんな研究をしようとも、魔王アストレイアが来た時点で終わりだ。
「どういうことよ?」
エルシアが問い詰め体勢に入った。
俺はイリンの方を見る。
「悪いがイリンは退室してくれ。
エルシアと重要な話をする。」
「・・・分かりました。」
イリンはほんの一瞬、悲しそうな顔をした。
しかし一瞬だけだ。
その後は平静を装っている。
もし感情を気取られないように感情をコントロールしているとすると、大した精神力だ。
親が聖騎士長といっても、年頃を考えれば本人のアレは異常と言える。
母親がいないらしいが、過去に何かあったのだろうか?
「で、何を話してくれるの?」
イリンが退室したところで、エルシアが話を戻してきた。
俺はエスフェリアから聞いた話を掻い摘まんで伝えた。
「帝都が滅びる?
そういう冗談は、陽炎祭りの時だけにして欲しいんだけど?」
エルシアが呆れた表情になる。
ちなみに陽炎祭りというのは、日本で言うところのエイプリルフールみたいなものらしい。
「ところでエルシアは、オルドウルという魔術師を知っているか?」
「ええ、あの変人ね。
まあ、悪い男では無かったけど、頭がおかしい奴よ。」
あのエルシアに、頭がおかしいと断じられるオルドウル。
どんだけだよ。
「魔術師としては一目も二目もおいていたわ。
だけどどうしようも無いほど天然で、いつもとんでもないミスをやらかすの。
しかも訳の分からない仮説を立てては、周りから白い目で見られる男だった。
終いには致命的なミスをやらかして、遺跡を掘り返す仕事に回されたわよ。
本人は『遺跡行けるのラッキー』って大喜びしてたけどね。
本当に変人、中央の出世コースからは完全に外れたのに・・・。」
楽しそうな奴だ。
もしかしたら俺と気が合うかもしれない。
「これがオルドウルの残した研究レポートだ。
どうやら俺の疑似魔術回路に関連した内容らしい。
エスフェリアが廃棄場から回収を命令していた。」
エルシアは俺からオルドウルのレポートを引ったくる。
「これって・・・。
そう、そうなのね。
今なら分かる。
あの人は・・・。」
目を皿のようにしてレポートを読むエルシア。
「はあ、信じるわ。
あなたの言ったこと。
そしてエスフェリア殿下を。
あーあ、せっかくこつこつ宮廷魔術師を目指してがんばってきたのに。
全部無駄になっちゃったわね。」
「いや、そうでも無いぞ。」
「どういうこと?」
「皇太子が死ぬのは確定事項なんだ。
そして継承権の優先順位を考えると、エスフェリアは第二皇子の次。
この後のどさくさで、帝位継承は混沌とするだろうな。
さてその時、エスフェリアに多大な貢献をした魔術師がいたらどうなると思う?」
「・・・。
あは、あははは。
理解したわ。
協力しましょう、エスフェリア皇女殿下に。
そして未来の皇帝陛下に!」
エルシアが燃え上がっている。
凄まじい野心だ。
協力してくれるんだから、まあ・・・いいか。
俺が扉を開けたところで、エルシアが話しかけてきた。
「あら、ギスケ。
無事に帰ってこられたみたいね。」
「おかげさまで。
誰かさんが引き止めもせず、送り出してくれたからな。」
俺は皮肉を込めて言った。
「それはそれとして、成果の方は確認したわ。」
俺の皮肉はスルーか。
「とりあえず一週間以内に、アレを自在に使えるようにする。
皇女殿下の命令、最優先事項だ。」
「えええ、ちょっと待って。
あなたの疑似魔術回路の件はもちろん優先したいとは思っているけど、研究所の仕事も最終段階なのよ。」
エルシアが慌てて答える。
「やめとけ。
その件は確実に無駄になる。」
帝国でどんな研究をしようとも、魔王アストレイアが来た時点で終わりだ。
「どういうことよ?」
エルシアが問い詰め体勢に入った。
俺はイリンの方を見る。
「悪いがイリンは退室してくれ。
エルシアと重要な話をする。」
「・・・分かりました。」
イリンはほんの一瞬、悲しそうな顔をした。
しかし一瞬だけだ。
その後は平静を装っている。
もし感情を気取られないように感情をコントロールしているとすると、大した精神力だ。
親が聖騎士長といっても、年頃を考えれば本人のアレは異常と言える。
母親がいないらしいが、過去に何かあったのだろうか?
「で、何を話してくれるの?」
イリンが退室したところで、エルシアが話を戻してきた。
俺はエスフェリアから聞いた話を掻い摘まんで伝えた。
「帝都が滅びる?
そういう冗談は、陽炎祭りの時だけにして欲しいんだけど?」
エルシアが呆れた表情になる。
ちなみに陽炎祭りというのは、日本で言うところのエイプリルフールみたいなものらしい。
「ところでエルシアは、オルドウルという魔術師を知っているか?」
「ええ、あの変人ね。
まあ、悪い男では無かったけど、頭がおかしい奴よ。」
あのエルシアに、頭がおかしいと断じられるオルドウル。
どんだけだよ。
「魔術師としては一目も二目もおいていたわ。
だけどどうしようも無いほど天然で、いつもとんでもないミスをやらかすの。
しかも訳の分からない仮説を立てては、周りから白い目で見られる男だった。
終いには致命的なミスをやらかして、遺跡を掘り返す仕事に回されたわよ。
本人は『遺跡行けるのラッキー』って大喜びしてたけどね。
本当に変人、中央の出世コースからは完全に外れたのに・・・。」
楽しそうな奴だ。
もしかしたら俺と気が合うかもしれない。
「これがオルドウルの残した研究レポートだ。
どうやら俺の疑似魔術回路に関連した内容らしい。
エスフェリアが廃棄場から回収を命令していた。」
エルシアは俺からオルドウルのレポートを引ったくる。
「これって・・・。
そう、そうなのね。
今なら分かる。
あの人は・・・。」
目を皿のようにしてレポートを読むエルシア。
「はあ、信じるわ。
あなたの言ったこと。
そしてエスフェリア殿下を。
あーあ、せっかくこつこつ宮廷魔術師を目指してがんばってきたのに。
全部無駄になっちゃったわね。」
「いや、そうでも無いぞ。」
「どういうこと?」
「皇太子が死ぬのは確定事項なんだ。
そして継承権の優先順位を考えると、エスフェリアは第二皇子の次。
この後のどさくさで、帝位継承は混沌とするだろうな。
さてその時、エスフェリアに多大な貢献をした魔術師がいたらどうなると思う?」
「・・・。
あは、あははは。
理解したわ。
協力しましょう、エスフェリア皇女殿下に。
そして未来の皇帝陛下に!」
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凄まじい野心だ。
協力してくれるんだから、まあ・・・いいか。
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