「私はまた、失う」

うた子

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被災者

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東日本大震災が起こり、原発が爆発した。

それからしばらくして放射能の問題が様々なところで発信されるようになった。
私たち原発被災者はあっと言う間に「ばい菌扱い」となった。
私の愛する故郷ももちろん「ばい菌を蒔き散らかす場所」とされた。

車のナンバーでその土地から避難して来た者だとわかると、ホテルも、貸し駐車場も、コンビニやファミレスですらも断られる始末だと聞いた。
私も、祖母も、母も、たくさんの病院での診察を断られた。
「放射能がうつるから近づくな」と県外に避難した家族の子供が転校先の学校で虐められ、結局は福島に戻ってくると言うケースも良くあった。

「どうせ福島にいれば皆、同じだから」と。
でも、全然同じではなかった。

私たちのように、「原発付近に住んでいた者」と、そうじゃない人々の心には越えられない溝があった。
それは今でも完全には埋まっていないと正直感じる。

仕方ない。
そういうものだから。
人の心と言うのはそういう風に出来ているのかもしれない。

どちらもだ。
「どうせ私たちの気持ちなんてわからないでしょう」と言う気持ち、でちらも、なのだ。

「原発が近かったんだから補助してもらえることが多くていいよね」と言う気持ち。

「そんなものはいらないから、家もまだ、なんとか戻れる土地であって欲しかった」と言う気持ち。

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