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第二話①
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昼食を済ませた私はお城探検をしようと思いラミアに同行をお願いした。
元主の記憶で知っているのだけれど折角だし実物を見てみた。
地球の西洋文化と同じ雰囲気だからきっとすごく綺麗なんだろう、期待に胸を膨らませながらゆっくり散策した。
厨房、従者部屋、応接室、執務室等、どれも素晴らしいお部屋ばかりだった。国王部屋や、王妃部屋には除くことは出来なかったが立派な扉が拝めてよかったと思う。
一通り見学して歩き疲れた私にラミアが休憩場所としてガゼボへ連れて行ってくれた。到着すると別のメイドさんがすでにお茶会の用意をしていてくれていた。
私は長椅子に腰掛けるとラミアがティーカップにお茶を注いでくれた。
「ありがとう、ラミア。いい香りがするわ。お菓子もおいしそうね。ラミアとそこのメイドさんも一緒にお茶しましょうよ。ね、いいでしょ?ラミア」
私がそう声掛けすると二人ともびっくりした表情でお互いの顔を見つめていた。そんなびっくりするほどのこといったかしら。私が不思議そうにしているとラミアとメイドさんが正面に腰掛けた。
「有難うございます。お言葉に甘えてご一緒させていただきますね」
「私、お姫様とご一緒にお茶させて頂くの初めてです。粗相のないよう気をつけます。あ、私の名前はラムアと申します。よろしくお願いいたします」
メイドさんはラムアと名乗ると一礼した。緊張しているのか手が震えているのが見える。私はラミアの目を合わせウインクした後ラムアの手を優しく包んだ。
「ラムア。大丈夫よ。溢したっていいし、お菓子を誤って落としてしまってもいいのよ。私はただ、二人と楽しくお茶したいだけなの。だからあまり緊張したり怯えたりしないで頂戴ね」
「はい。有難うございます、お姫様」
三人で笑いながらお茶が出来るこの時間は楽しい。昔の私だったらこんなことしなかったんだろうな、だから二人ともびっくりしてるんだろうな。
そして時は過ぎた。
今までの振る舞いから考えられないような今の私の振る舞いに戸惑う家族や家臣たち、メイドたち。私の振る舞いに馴れてきたころ転生してから1年が過ぎていた。
そろそろ婚約者の目途を、とせっつかれる毎日。候補といっても私の身の回りの男子は数名しかいない(らしい)。ゲームの攻略対象者達だ。
ここで改めて整理しておこう。まず第一王子『ディルンガル・フォン・ブリュンヒルデ 13歳』、第二王子『イルメミス・フォン・ブリュンヒルデ 6歳』。
次に幼馴染たち。騎士団長子息『アグニール・フォン・ベンテール侯爵子息 13歳』、宰相子息『カミーラ・フォン・ウェインデル公爵子息』、魔法師団長子息『ラートリー・フォン・ガーデンタール伯爵子息』、全員一年後14歳で私と同い年になる。ちなみに第一王子は13歳ではあるが早まれなので学年は一緒なのだ。一応私が年上なので姉である。
ざっとこんな感じなのだが、まず弟たちは婚約者候補としては除外されるだろう。兄弟同士の結婚とかマジあり得ない、近親相姦絶対反対っ!
そしてあとは幼馴染の三人に加えて、彼らの取り巻き立ちや令嬢たちが登場したりしていた気がする。ゲーム進行に重要な役柄のキャラクターもいた気がするがあまり思い出せてはいない。
気になることがあるとすれば、攻略対象者がこの3名だけだったっけ?もう少しいた気がしないでもないが、思い出そうとすると頭に激しい頭痛がするため考えるのをやめることにした。
私の婚約者選びが本格化するのではと、何処からか嗅ぎつけてきた男共が連日私の部屋にやってくる日々が始まった。このイベントはゲームにはなかった。というか、アムルディーナは本編にはほぼ出てくることがないキャラだったのだ。私の役割はいじめるときだけ登場する悪役。今の私の状態がゲームでいうところのバグだと思う。私中心にこの世界では物語が進行しているように思うのだ。
まずいち早く駆けつけてきたのは弟のディルンガル第一王子だった。ドアからノック音がしたのでラミアが扉を開けると血相を変えてやってきた。
「姉上様!婚約者選びが始まったとお聞きしたのですが、どういうことですか!?」
どういうことと言われても、母上様がお決めになったことなのだけれど。そう思いながらふーっと息を吐いてディルンガルのところへ向かった。弟の真正面に立って不安げな表情の彼の頭をなでながら話をした。
「母上様がそろそろ決めなさいってわれているの。私はまだ早いって思っているのだけれどね。ディルはどうしてそんなに不安そうな顔をしているの?貴方には貴方の婚約者選びがあるでしょうに。」
「それはそうですが。でも姉上様に婚約者が出来るのは嫌です。僕婚約者ではだめですか?」
なんでそうなる。近親相姦はダメだって。
なぜこんなになついてしまったのか私にはわからない。というより以前の彼は私に対してすごい嫌悪な態度を示していた。
私が転生してからすぐの時はそれはもう生意気な弟で、言うことは聞かないし、可愛くないし。それが今ではすっかり姉好き好きなシスコンになってしまった。
少し構い過ぎたのだろうか。そう、たぶん私のせいだと思う。だって前世の私は一人っ子だったし、こんな可愛い弟がいたら自然と溺愛しちゃうじゃない!
「私と貴方は兄弟なのよ。結婚は出来ないでしょ。無理言わないで、ね。私はいずれこの国の王妃として国の舵取りをしないといけません。その補佐役が貴方達弟や妹たちなの。だからいつまでも姉思いではダメなのよ」
「…そうですが…。でも…私は姉上様のことが…」
ディルはそう言いながら俯いてしまった。この姿もまた可愛いんだよな~。といけないイケナイ。私はディルの頭を両手で添えて抱き寄せた。ディルは私にギュッと力強く抱き付いて、しくしくと泣いてしまった。
そんな愛らしい私達の姿を静かに見守るラミアとラムア。表情を見ると微笑ましいと言わんばかりの笑顔を浮かべている。彼女たちが幸せなら私もうれしい限りです。そんな出来事があったのだった。
元主の記憶で知っているのだけれど折角だし実物を見てみた。
地球の西洋文化と同じ雰囲気だからきっとすごく綺麗なんだろう、期待に胸を膨らませながらゆっくり散策した。
厨房、従者部屋、応接室、執務室等、どれも素晴らしいお部屋ばかりだった。国王部屋や、王妃部屋には除くことは出来なかったが立派な扉が拝めてよかったと思う。
一通り見学して歩き疲れた私にラミアが休憩場所としてガゼボへ連れて行ってくれた。到着すると別のメイドさんがすでにお茶会の用意をしていてくれていた。
私は長椅子に腰掛けるとラミアがティーカップにお茶を注いでくれた。
「ありがとう、ラミア。いい香りがするわ。お菓子もおいしそうね。ラミアとそこのメイドさんも一緒にお茶しましょうよ。ね、いいでしょ?ラミア」
私がそう声掛けすると二人ともびっくりした表情でお互いの顔を見つめていた。そんなびっくりするほどのこといったかしら。私が不思議そうにしているとラミアとメイドさんが正面に腰掛けた。
「有難うございます。お言葉に甘えてご一緒させていただきますね」
「私、お姫様とご一緒にお茶させて頂くの初めてです。粗相のないよう気をつけます。あ、私の名前はラムアと申します。よろしくお願いいたします」
メイドさんはラムアと名乗ると一礼した。緊張しているのか手が震えているのが見える。私はラミアの目を合わせウインクした後ラムアの手を優しく包んだ。
「ラムア。大丈夫よ。溢したっていいし、お菓子を誤って落としてしまってもいいのよ。私はただ、二人と楽しくお茶したいだけなの。だからあまり緊張したり怯えたりしないで頂戴ね」
「はい。有難うございます、お姫様」
三人で笑いながらお茶が出来るこの時間は楽しい。昔の私だったらこんなことしなかったんだろうな、だから二人ともびっくりしてるんだろうな。
そして時は過ぎた。
今までの振る舞いから考えられないような今の私の振る舞いに戸惑う家族や家臣たち、メイドたち。私の振る舞いに馴れてきたころ転生してから1年が過ぎていた。
そろそろ婚約者の目途を、とせっつかれる毎日。候補といっても私の身の回りの男子は数名しかいない(らしい)。ゲームの攻略対象者達だ。
ここで改めて整理しておこう。まず第一王子『ディルンガル・フォン・ブリュンヒルデ 13歳』、第二王子『イルメミス・フォン・ブリュンヒルデ 6歳』。
次に幼馴染たち。騎士団長子息『アグニール・フォン・ベンテール侯爵子息 13歳』、宰相子息『カミーラ・フォン・ウェインデル公爵子息』、魔法師団長子息『ラートリー・フォン・ガーデンタール伯爵子息』、全員一年後14歳で私と同い年になる。ちなみに第一王子は13歳ではあるが早まれなので学年は一緒なのだ。一応私が年上なので姉である。
ざっとこんな感じなのだが、まず弟たちは婚約者候補としては除外されるだろう。兄弟同士の結婚とかマジあり得ない、近親相姦絶対反対っ!
そしてあとは幼馴染の三人に加えて、彼らの取り巻き立ちや令嬢たちが登場したりしていた気がする。ゲーム進行に重要な役柄のキャラクターもいた気がするがあまり思い出せてはいない。
気になることがあるとすれば、攻略対象者がこの3名だけだったっけ?もう少しいた気がしないでもないが、思い出そうとすると頭に激しい頭痛がするため考えるのをやめることにした。
私の婚約者選びが本格化するのではと、何処からか嗅ぎつけてきた男共が連日私の部屋にやってくる日々が始まった。このイベントはゲームにはなかった。というか、アムルディーナは本編にはほぼ出てくることがないキャラだったのだ。私の役割はいじめるときだけ登場する悪役。今の私の状態がゲームでいうところのバグだと思う。私中心にこの世界では物語が進行しているように思うのだ。
まずいち早く駆けつけてきたのは弟のディルンガル第一王子だった。ドアからノック音がしたのでラミアが扉を開けると血相を変えてやってきた。
「姉上様!婚約者選びが始まったとお聞きしたのですが、どういうことですか!?」
どういうことと言われても、母上様がお決めになったことなのだけれど。そう思いながらふーっと息を吐いてディルンガルのところへ向かった。弟の真正面に立って不安げな表情の彼の頭をなでながら話をした。
「母上様がそろそろ決めなさいってわれているの。私はまだ早いって思っているのだけれどね。ディルはどうしてそんなに不安そうな顔をしているの?貴方には貴方の婚約者選びがあるでしょうに。」
「それはそうですが。でも姉上様に婚約者が出来るのは嫌です。僕婚約者ではだめですか?」
なんでそうなる。近親相姦はダメだって。
なぜこんなになついてしまったのか私にはわからない。というより以前の彼は私に対してすごい嫌悪な態度を示していた。
私が転生してからすぐの時はそれはもう生意気な弟で、言うことは聞かないし、可愛くないし。それが今ではすっかり姉好き好きなシスコンになってしまった。
少し構い過ぎたのだろうか。そう、たぶん私のせいだと思う。だって前世の私は一人っ子だったし、こんな可愛い弟がいたら自然と溺愛しちゃうじゃない!
「私と貴方は兄弟なのよ。結婚は出来ないでしょ。無理言わないで、ね。私はいずれこの国の王妃として国の舵取りをしないといけません。その補佐役が貴方達弟や妹たちなの。だからいつまでも姉思いではダメなのよ」
「…そうですが…。でも…私は姉上様のことが…」
ディルはそう言いながら俯いてしまった。この姿もまた可愛いんだよな~。といけないイケナイ。私はディルの頭を両手で添えて抱き寄せた。ディルは私にギュッと力強く抱き付いて、しくしくと泣いてしまった。
そんな愛らしい私達の姿を静かに見守るラミアとラムア。表情を見ると微笑ましいと言わんばかりの笑顔を浮かべている。彼女たちが幸せなら私もうれしい限りです。そんな出来事があったのだった。
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