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番外編 大好きな弟 ~佳乃視点~

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 私は弟の事が大好き。昔から弟と一緒に何でもしていた。弟は私の事を少し毛嫌いしているようだ。でもそんなことは関係ない。私の愛で弟を振り向かせるだけだから。

 そんな私たちはお互い高校生と中学生の思春期真っ只中。学校ではカップルがどうだの、彼氏自慢だので盛り上がってる。しかし、私には弟が居ればそれで充分。別に好きな男の子も居ない。授業が終わって美海が私の所に来た。

「佳乃ってさぁ~、弟君離れしないの?」

「何でよぉ。しないよ、そんな事」

 友達の美海が私と弟の事を引き離そうとするのだ。美海には私の大好きな弟は渡さない。男なんてそこら中に居るんだからそっから探せばいいのに。私は心の中でそう思いながら美海と話をしていた。

「佳乃って男子に結構人気あるのに、勿体ないよぉ」

「私は真ちゃんだけで十分っ」

「もったいなーい」

 美海はそう言って自分の席に戻って行った。早く学校が終わってほしい。早く家に帰って弟充電したい。私はそう思いながら受けたくもない授業を我慢していた。時折休み時間に携帯で弟の居場所チェックも欠かさず。

 学校が終わると私は友達と無駄話もせず一目散に家に戻った。学校から家は電車を使って30分くらいかかる。この時間がもどかしい。早く弟に会いたい。私の心の叫びが今にも口から解き放されそうになった。

「ただいまぁ~! 真ちゃんは!?」

 玄関で靴を脱ぎ捨ててリビングに向かった。母がテレビを観ながらソファーに座っていたが、弟の姿が無い。私は母親に弟の居場所を聞き出した。


「真治なら多分部屋だと思うけど……」

「分かったっ!! 有難う、お母さんっ」

 考えてみれば直ぐに分かることだった。でも今の私には何も考えられなかった。急いで弟に部屋に入ると、ベッドの上で座りながら漫画本を読んでいる弟を発見! 私はカバンを床に置いて弟に飛び込んだ。

「ち、ちょっとっ! お姉ちゃん。いきなりなんなのさぁ」

「わーい、真ちゃんだぁ~。真ちゃんの匂いがするぅ~」

 弟に抱き着きながら自分の顔を弟の胸元に擦り付けた。困惑している弟。そんな弟も私は大好き。ああ、弟充電。私はそう思いながら弟に抱きついていた。

「お姉ちゃん、いい加減着替えてきて」

 弟がそう言って私から離れようとする。私はそれに抵抗。ぎゅっと強く抱きしめた。すると弟がため息をついて私に話しかけた。

「お姉ちゃん……お願いだから、着替えてきて……」

「……ご褒美が欲しい……」

「ご褒美って……着替えるだけなのに?」

「……うん……」

 弟に抱き着きながら頷く私。困った様子で弟がご褒美を了解してくれた。私はカバンを持って急いで部屋に戻り制服をベッドの上に投げ捨て、Tシャツと短パンを履いて再び弟の部屋に突入した。蔑んだ目で私を見つめる弟。その視線が私の心をわくわくさせる。

「着替えたよ!」

「お姉ちゃん……下着は?」

「つけてなーい!」

 私はそう言ってTシャツを下から持ち上げようとすると弟が大きい声で止めるように言った。弟の照れた顔がまた可愛い。私はその顔が見たいがためにブラをしていないのだ。男の子っておっぱいが好きだということは既にリサーチ済み。この私のおっぱいで弟を誘惑するのが私の何よりのご褒美なのだ。

「んで、ご褒美は?」

 私は弟に訊くと、

「頭なでなで……」

 と呆れた顔で弟が言った。そんなのご褒美でも何でもない。私はムッとした顔で弟を睨んだ。弟は私の機嫌が悪くなったと勘違いしたらしく何がいいのかを私に訊ねた。私は頬に右人差し指を当てながら答えた。

「えーっとねぇ、ここにちゅうっ」

 私はそう言って自分の首筋にキスを求めた。嫌がる弟を愛でる私。もう最高のお料理だ。弟は私の機嫌が悪くなった演技にビビッてため息をついて私のお願いを聞き入れた。私はベッドの上に座り、弟はその隣に座って私の両肩をもって首筋に唇を当てた。離れるときに聞こえる音が私の耳に残り興奮させる。

「これでいい?」

「もっと、ちゅーーって吸ってぇ!!」

 さらに弟におねだりする私。弟は嫌そうな顔をしながらもう一度私の首筋に唇を当てて今度はちゅーーっと吸いついた。弟の唇が私の首筋から慣れれるときに出た『ちゅっ』という音がさっきよりも大きく聞こえた。私は心の中でガッツポーズ。弟はため息をつきながら私のことを蔑んだ視線を向けていた。

「こんなこと、普通姉弟でしないよ……」

 呆れた声でそう言う弟の顔が私は大好き。

「いいじゃない。他所は他所、家は家なんだからっ」

 いつもの台詞で弟を丸め込む私。普通じゃないもん。私は真ちゃんが大好きだもん。心の中でそう呟く私。私は今日も弟とイチャイチャながら楽しい時間を過ごした。

 弟は私の事が好きな筈。だからこれは姉弟愛のスキンシップ。私の首筋についた赤い斑点は私の宝物。明日美海達に自慢してやろう。こんな姉弟も居るんだってことを分かって貰おう。私はそう思った。

 その夜私はこっそり弟の部屋に忍び込み、ベッドの中へ潜り込んだ。寝ていた弟がびっくりした顔で私を見つめる。私は弟の顔を見つめながら舌を出した。

「お姉ちゃん! 何でここに? 自分のベッドで寝てよ! 狭くて寝れない」

「いいじゃんかぁ。こうしていればせまくなーい」

 私はそう言って弟に抱き着いた。もじもじする弟をロックオン! すると弟は観念したのかじたばたするのを止めた。こうなったらもうこっちのもんだ。私は黙ったまま弟を抱きながら目を閉じて、弟の匂いを堪能した。すると私の太ももに何かが当たるのを感じた。まぁ男の子だから仕方ないよねっ。

 私は弟と一緒のベッドで眠りについたのだった。私の事を女だと思ってくれた弟のことが大好き。これからも私は真ちゃんの大切なお姉ちゃんでいるから、安心してねっ!!


 弟の事が好き過ぎて、ベッタリブラコンの私に欲情しちゃった弟をさらに愛でています!!
 こんな姉はダメでしょうか。誰かにこの姉弟愛の素晴らしさを教えてあげたいっ! とりあえず、明日は美海と舞に報告することにしますっ! てへペロっ。
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