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15 受け入れる!?

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「これはどういうことですかっ!?」


私はダリウス王太子に問いただした。
父と共に城に参り…というより呼び出しを喰らって応接に通された。
暫くすると国王と王太子が現れて向かい席に腰かけた。


「これは決まったことだ」


国王が王太子が言う前にそう答えた。
何がどうなっているのかということを聞きだそうとすると父が私の肩に手を当てて首を左右に振った。

もうどうにもならないという事だ。
私は諦めて俯いたまま悔しさで唇を噛みしめた。
こんなやり方で私を篭絡するとは思わなかった。
正式に話し合いで断ったつもりだったのに、こういうやり方をする王太子を愛する事なんて出来ない。
私の心は権力に負けない……。


「私もこんなことなるとは思わなかったのだ。父上が決めてしまったことであって……」
「ダリウスっ! 余計な事は言うな」
「父上。もう隠しても仕方がないことです。私がマリア―ヌとの婚約を破棄したからこんなことになったんですよね? 私はこんなやり方で彼女との婚約をしたかったわけではないのです」
「お前も我儘を言うな。これは双方の家同士が決めたことだ。ブラウン家、リーデン家、双方で話し合いをして決めたことなのだ。もうこれ以上ややこしいことをするな」
「……っ!」


国王はそう言うと父と話があるとかで席を外した。
父と国王が部屋から出ると私と王太子の2人だけになってしまった。
黙ったまま俯いたままの私。
先程の話は本当の事なのだろうか。
でも納得がいくわけがない。
だけど…だけど、政略結婚であればそれを拒むことは出来ない。
双方貴族と王族が結婚することは決められていること。
幼い時からお互いの子供たちを交流させることもこういうことを決める時に必要な事だった。


「マリエット……済まない」
「ダリウス様……」


王太子はそれだけを言うと席を立ち部屋を後にした。
残された私は父が戻って来るまでその場を離れることが出来ない。
もう腹を括るしかない。
私はそう思いながら父の帰りを待ち続けた。



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