ただの主婦ですが、ファンになりませんか

舞浜あみ

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推し活⑤

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朝になってもまだ昨晩のドキドキを思い出していた。
ムフフ、推しは私のスパチャ嬉しかったかな?
気持ちの悪い笑いだ。

本当はわかっている。たくさんのスパチャに埋もれた、たった200円のことを次の日の朝まで推しが考えているわけないってことぐらい。それでも、何なのだろうか、この満足感は。

推しは見ていて本当に気持ちのスカッとするいいプレーをした。そして見事に勝った。それに対してファンたちはこぞってスパチャを贈った。気持ちよく贈った。そのようなWin-Winの関係に私は満足感を感じているのかもしれない。

これがファンの心理か。
これが推し活か。

37歳にして初めて味わう気持ちよさだ。

それと同時に、この沼にはまったのがこの歳でよかった、お金が自由に使えない主婦でよかった、とも思った。

これがもし、10代20代の頃の世間知らずな私だったら、貢ぎたくて貢ぎたくて破産していたかもしれない。

スーパーで肉や野菜の価格を、毎日痛いほど突きつけられている今だからこそ、200円のスパチャを次の日の朝まで愉しんでいられるのだ。

そしてまた、あの日の疑問がわいてきた。
ファンがいるってどんな気持ちなんだろう。

真美は、自分が人に応援されたときのことを思い出してみた。
学生時代、運動会の出番前に友達が「がんばれー、応援してるよー」って声をかけてくれたこと、受験の朝に母親が「落ち着いて、頑張ってね」って送り出してくれたこと、今でも覚えている。

それと似た所も確かにある気はする。

でも違う。
真美は知らない人に応援されたことや、スパチャを貰ったことはない。ファンですと言われたことも、サイン下さいと言われたことも、握手や写真で喜ばれた事もない。

それでは肝心なところが理解できてないような気が、真美にはどうしてもしてしまうのだ。

私も誰かに推されないと、推しの気持ちがわからない。
推されて初めて推される側の気持ちがわかるのだ。
私も誰かに推されてみたい、そんな初めての感情が真美の中で生まれた。
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