19 / 72
1章 怪盗デュークと至宝のアクアマリン
19.今からここを風俗店とする
しおりを挟む
喫茶店はいつもと違う異様な空気に包まれていた。カーテンも全て閉められ、明かりが灯される。まだ昼だというのに、ここに広がっているのは明らかに夜の怪しいお店だった。
そして店内はまあまあ広いというのに、一つのソファを男二人が隣に座る。アルトさんは僕の腰に手を添わせ、優雅に水を飲んでいた。そう、水である。ここはただの喫茶店でしかない。
「さて、まず一杯目はワインにしましょうか。貴方も飲みやすいように白にしましょう」
「ここ喫茶店です。ワインなんておいてませんから」
「あるよ!!持っていきな!!」
町子さんは僕たちの机に近づき、ワインを置いていった。なんで置いてあるんだ。飲む人誰もいないだろ。うちは夜はバーとかやってないんだけど。
まあ、町子さんの秘蔵の奴とかだろう。アルトさんは受け取ったグラスに二人分注ぎ、乾杯の待ちをした。町子さんが否定しないならもうなんでもいいや。僕はグラスを持ち上げ、こつんと乾杯をした。ワインの味は、流石に専門の店ではないので悪くはないが特別美味しくもない味だ。
「オーナー、こちらのワインはおいくらですか?」
「500ゴールドだよ」
「分かりました、5割増しで750ゴールド払います。差額はすべて、僕の指名を受けている彼に」
「あいよ」
「ちょちょちょ」
何の店だっけ?ここ。僕の本職は探偵で、ついでに喫茶店のアルバイトのはずなのに妙な路線を進んでいる。しかし誰も違和感を持ってくれない。
アルトさんは酒豪なのか、さっさと飲み干す。僕はまだ1杯しかいっていないのに、簡単に飲み干した。僕に貢ぐために率先して消費しているのだろう。
「オーナー、シャンパン入れてください」
「ありませんから。ただの喫茶店にシャンパンはありませんから」
「あいよ」
「なんであるんですかシャンパン!?」
町子さんは当たり前のように机の上にシャンパンを置いた。おかしいな、僕の知らない営業時間後に、実はここはバーとかやっているのだろうか。いやそんなわけはない。夜にお手洗い行く際にそんな光景を見た記憶がない。
「こちらのシャンパンはおいくつございますか?」
「15本はあるよ」
「ではシャンパンタワーをしましょうか」
「よし、グラスを用意するからね」
町子さんは普段は使わない棚を開き、グラスを取り出しては一つ一つ拭いている。今この場に三人しかいないのだけれど、シャンパンをどうやって消費するんだ。
「あの、一体どうしてこんなにシャンパンを抱えて・・・?」
「べ、別にあんたが怪盗を捕縛したらお祝いに念のため保管しようとしてただなんて思ってないよ!」
突然ツンデレを見せられた。町子さん、意外と僕のことを息子かなにかだと思ってくれてるんだよな。
「あの町子さん、僕も手伝います」
「あんたは接待をするんだよ!」
追い返された。僕は渋々アルトさんの隣に戻る。さて、シャンパンタワーが出来るまで、今僕が出来ることをしよう。
「あの、聞きたいことがあるのですがいいでしょうか。ディアさんのことです」
「他の男の話ですか・・・。ふむ・・・」
アルトさんは渋い顔をする。やはりディアさんのことは何かしら思うところがあるようだ。
「別に大した情報は持っていませんが、私もタダで教えるわけにはいきません。シアン君にも代償を払ってもらいます」
「私が許可をだすよ。今からハッスルタイムの解禁だ。・・・ああ、挿入は駄目だよ」
「完全に風俗になってるじゃないですか!!」
町子さんはグラスを拭きおえ、タワーを作り上からシャンパンを注いだ。黄金の波が二段目三段目・・・とどんどん下に落ちていく。神秘的な光景に目を奪われそうになる一方、隣のアルトさんはじーっと僕を見ている。
「ではオーナーからも許可をいただいたので、おさわりさせていただきますね」
「え・・・?あ、あはは・・・」
アルトさんは僕に体を寄せ、にじり寄る。頬も赤く染まり、息遣いも荒い。目の前に興奮している男性がいることに僕は縮みあがる。いやだ、こんなところで裸にされて自由に触られたくない!僕はとっさに目を瞑った。・・・・が、アルトさんは静かに僕の手を両手で包んだ。
「シアン君の手、荒れておらず綺麗ですね。けれど男性らしさもあってとても美しい」
アルトさんは僕の手を握って、恍惚とした表情を浮かべる。そして僕の手を自分の顔に寄せ、楽しそうにしている。
「今ならシアンにタダで触り放題なのに、手だけでいいのかい?胸とかも自由に吸っていっていいんだよ?」
「町子さん。僕の体を安売りするのはやめてください。そもそも僕の体は売り物じゃないです」
「シアン君の心は穢れが無くて綺麗なのです。故に、それを大切に尊重したい。婚姻前にふしだら行為はしたくありません」
今のアルトさんの発言を耳にした僕と町子さんは驚きのあまり目を開いて互いの顔を見る。そしてそのまま二人同時にシアンさんを見た。
僕の頭の中に、今まで出会ったαが浮かぶ。
処女厨。
人の体を蹂躙する怪盗。
難癖付けて襲ってくる助手。
町子さんも似たようなことを思っているのか、アルトさんのことを凝視している。そしてふっと笑う。
「いいよ、使いな。ベッド。今日はもう閉店にするよ。あたしは街でメルたちの足止めしているから、存分に楽しみな」
「ちょっと町子さん!?」
行ってしまった。どうするんだこのシャンパンタワー。すでにアルトさんがグラス六杯分飲み干してるけど。僕も協力するためにグラスを手に取る。シュワシュワしているけれどどういう原理なのだろう。あまりこういったものは飲んだことが無いから、その食感の不思議さにびっくりする。
「さて、大公殿についてでしたね。とはいっても、私も深くは知りません。何故なら彼は隣国の人ですから」
「以前呪いのアイテムがどうこうと言ってましたよね。もう一度お願いできますか?」
アルトさんはグラスを仰ぎ、また飲み干す。そしてグラスを机に置いた。
「大公殿は代々呪いの品を保有しており、それを現当主のディアウィンド殿が手放しました。呪いの品は所持するだけで不幸が続くもので、彼の父も母も祖母も、呪いによって死に至ったとのことです」
「それを売却したんですよね?そんな危ないもの、普通は捨てるとかしませんか?」
「・・・私がこの情報を入手したのは、とある富豪のΩからです。そのΩは以前、怪盗から宝を奪われたという話をしていました。しかし、宝の入手の経路はかなり誤魔化して話をしていましたね。あれは後ろめたいことがある。例えば盗品を扱う闇オークションとか」
警察上層部も似たような反応だったことを警部が言っていた。つまり、怪盗が盗んでいったお宝は、すべてルーツが一緒の可能性が高い。
もし、仮に怪盗と大公が同一人物だった場合、一つのストーリーが出来る。呪いの品を処分しようとした大公は、しかし捨てる過程で誰かに盗まれた。一つ一つが相当な価値のあるものだ。捨てるなんて勿体ないと思った人物がへそくりしたのだろう。そして、呪いの品は非合法に売られていった。
大公はそれを受けて、被害者が出ないように怪盗に扮して回収している。
いや、この説は動機としては正解に近いだろうが、しかし腑に落ちない点も多い。
どうして怪盗を名乗る必要があったのか。
どうして予告状を送る必要があったのか。
どうして僕を盗むという宣言をしたのか。
この流れだと完全に僕の存在が呪い扱いじゃないか。
失礼だな。
本当に失礼だな!!
「なにか貴方の手助けになれましたでしょうか?」
気が付いたらシャンパンはすべて空になっていた。僕の手元の机にも6杯分のグラスがあった。そのせいかちょっと頭がふらふらする。
「はい、重要な情報をありがとうございました!」
残りは怪盗の正体のチェックメイトだけ。けれど、まずは親しい人を疑わなくていいように、弾く作業もしていこう。
「アルトさん、あなたの能力を聞いてもいいですか?」
「え!?」
能力は誰にでもあるわけではない。が、不思議とαとΩが大半を占めているという。僕の直感ではアルトさんもなにかしら能力を持っていると思う。しかしアルトさんは動揺したように僕から視線を外した。元来能力というものは親しい人にしか話さないものであるため、ディアさんの時もそうだったが基本はこうやって動揺するものなのだ。
「・・・実は、貴方には一番知られたくないのです」
「え!」
まさか、空間移動・・・?
アルトさんは気まずそうに僕の方をちらちらと伺い、けれどやはり目を逸らす。本来であれば嫌がる人に対して追及はしないが、酒でいい気になっている僕はつい踏み込んでしまうのである。
「教えてくらさい、アルトさん」
「ちょ、シアン君近いです。あのですね、よく聞いてください。私の能力は魅了なのです。でも決して貴方を過度に洗脳するといった悪用したことはありませんから信じてください」
「魅了・・・?本当れすかぁ・・・?」
「シアン君は真偽見分けられますよね?私の発言は本当って分かりますよね!?」
確かに嘘は言っていないものの、しかし彼は嘘が上手であるらしいため、簡単には鵜呑みにできない。僕はアルトさんに顔を近づけて観察するものの、しかしもっといろいろ調べたくなった。
「能力、僕に使ってみてくらさい」
「え?あの、その・・・このお店の貸し切りの際にオーナーに少しだけ使いましたので、それで証明になりませんか?」
「駄目れす!!」
アルトさんの逃げ腰に、何故か僕は追い詰めたくなってきた。最近は殺人事件以外が多かったから、犯人を追い詰められていない、おそらくぶり返しというか反動が来たのだろう。
「でも、強制的に発情期になりますよ?いいんですか?」
「早くやってくらさい!!」
アルトさんはやれやれと言った様子で目をつぶる。そして僕と目を合わせた。
吸い込まれるような感覚に、僕の体温は急激に上がっていく。
発情期が来てしまった。
そして店内はまあまあ広いというのに、一つのソファを男二人が隣に座る。アルトさんは僕の腰に手を添わせ、優雅に水を飲んでいた。そう、水である。ここはただの喫茶店でしかない。
「さて、まず一杯目はワインにしましょうか。貴方も飲みやすいように白にしましょう」
「ここ喫茶店です。ワインなんておいてませんから」
「あるよ!!持っていきな!!」
町子さんは僕たちの机に近づき、ワインを置いていった。なんで置いてあるんだ。飲む人誰もいないだろ。うちは夜はバーとかやってないんだけど。
まあ、町子さんの秘蔵の奴とかだろう。アルトさんは受け取ったグラスに二人分注ぎ、乾杯の待ちをした。町子さんが否定しないならもうなんでもいいや。僕はグラスを持ち上げ、こつんと乾杯をした。ワインの味は、流石に専門の店ではないので悪くはないが特別美味しくもない味だ。
「オーナー、こちらのワインはおいくらですか?」
「500ゴールドだよ」
「分かりました、5割増しで750ゴールド払います。差額はすべて、僕の指名を受けている彼に」
「あいよ」
「ちょちょちょ」
何の店だっけ?ここ。僕の本職は探偵で、ついでに喫茶店のアルバイトのはずなのに妙な路線を進んでいる。しかし誰も違和感を持ってくれない。
アルトさんは酒豪なのか、さっさと飲み干す。僕はまだ1杯しかいっていないのに、簡単に飲み干した。僕に貢ぐために率先して消費しているのだろう。
「オーナー、シャンパン入れてください」
「ありませんから。ただの喫茶店にシャンパンはありませんから」
「あいよ」
「なんであるんですかシャンパン!?」
町子さんは当たり前のように机の上にシャンパンを置いた。おかしいな、僕の知らない営業時間後に、実はここはバーとかやっているのだろうか。いやそんなわけはない。夜にお手洗い行く際にそんな光景を見た記憶がない。
「こちらのシャンパンはおいくつございますか?」
「15本はあるよ」
「ではシャンパンタワーをしましょうか」
「よし、グラスを用意するからね」
町子さんは普段は使わない棚を開き、グラスを取り出しては一つ一つ拭いている。今この場に三人しかいないのだけれど、シャンパンをどうやって消費するんだ。
「あの、一体どうしてこんなにシャンパンを抱えて・・・?」
「べ、別にあんたが怪盗を捕縛したらお祝いに念のため保管しようとしてただなんて思ってないよ!」
突然ツンデレを見せられた。町子さん、意外と僕のことを息子かなにかだと思ってくれてるんだよな。
「あの町子さん、僕も手伝います」
「あんたは接待をするんだよ!」
追い返された。僕は渋々アルトさんの隣に戻る。さて、シャンパンタワーが出来るまで、今僕が出来ることをしよう。
「あの、聞きたいことがあるのですがいいでしょうか。ディアさんのことです」
「他の男の話ですか・・・。ふむ・・・」
アルトさんは渋い顔をする。やはりディアさんのことは何かしら思うところがあるようだ。
「別に大した情報は持っていませんが、私もタダで教えるわけにはいきません。シアン君にも代償を払ってもらいます」
「私が許可をだすよ。今からハッスルタイムの解禁だ。・・・ああ、挿入は駄目だよ」
「完全に風俗になってるじゃないですか!!」
町子さんはグラスを拭きおえ、タワーを作り上からシャンパンを注いだ。黄金の波が二段目三段目・・・とどんどん下に落ちていく。神秘的な光景に目を奪われそうになる一方、隣のアルトさんはじーっと僕を見ている。
「ではオーナーからも許可をいただいたので、おさわりさせていただきますね」
「え・・・?あ、あはは・・・」
アルトさんは僕に体を寄せ、にじり寄る。頬も赤く染まり、息遣いも荒い。目の前に興奮している男性がいることに僕は縮みあがる。いやだ、こんなところで裸にされて自由に触られたくない!僕はとっさに目を瞑った。・・・・が、アルトさんは静かに僕の手を両手で包んだ。
「シアン君の手、荒れておらず綺麗ですね。けれど男性らしさもあってとても美しい」
アルトさんは僕の手を握って、恍惚とした表情を浮かべる。そして僕の手を自分の顔に寄せ、楽しそうにしている。
「今ならシアンにタダで触り放題なのに、手だけでいいのかい?胸とかも自由に吸っていっていいんだよ?」
「町子さん。僕の体を安売りするのはやめてください。そもそも僕の体は売り物じゃないです」
「シアン君の心は穢れが無くて綺麗なのです。故に、それを大切に尊重したい。婚姻前にふしだら行為はしたくありません」
今のアルトさんの発言を耳にした僕と町子さんは驚きのあまり目を開いて互いの顔を見る。そしてそのまま二人同時にシアンさんを見た。
僕の頭の中に、今まで出会ったαが浮かぶ。
処女厨。
人の体を蹂躙する怪盗。
難癖付けて襲ってくる助手。
町子さんも似たようなことを思っているのか、アルトさんのことを凝視している。そしてふっと笑う。
「いいよ、使いな。ベッド。今日はもう閉店にするよ。あたしは街でメルたちの足止めしているから、存分に楽しみな」
「ちょっと町子さん!?」
行ってしまった。どうするんだこのシャンパンタワー。すでにアルトさんがグラス六杯分飲み干してるけど。僕も協力するためにグラスを手に取る。シュワシュワしているけれどどういう原理なのだろう。あまりこういったものは飲んだことが無いから、その食感の不思議さにびっくりする。
「さて、大公殿についてでしたね。とはいっても、私も深くは知りません。何故なら彼は隣国の人ですから」
「以前呪いのアイテムがどうこうと言ってましたよね。もう一度お願いできますか?」
アルトさんはグラスを仰ぎ、また飲み干す。そしてグラスを机に置いた。
「大公殿は代々呪いの品を保有しており、それを現当主のディアウィンド殿が手放しました。呪いの品は所持するだけで不幸が続くもので、彼の父も母も祖母も、呪いによって死に至ったとのことです」
「それを売却したんですよね?そんな危ないもの、普通は捨てるとかしませんか?」
「・・・私がこの情報を入手したのは、とある富豪のΩからです。そのΩは以前、怪盗から宝を奪われたという話をしていました。しかし、宝の入手の経路はかなり誤魔化して話をしていましたね。あれは後ろめたいことがある。例えば盗品を扱う闇オークションとか」
警察上層部も似たような反応だったことを警部が言っていた。つまり、怪盗が盗んでいったお宝は、すべてルーツが一緒の可能性が高い。
もし、仮に怪盗と大公が同一人物だった場合、一つのストーリーが出来る。呪いの品を処分しようとした大公は、しかし捨てる過程で誰かに盗まれた。一つ一つが相当な価値のあるものだ。捨てるなんて勿体ないと思った人物がへそくりしたのだろう。そして、呪いの品は非合法に売られていった。
大公はそれを受けて、被害者が出ないように怪盗に扮して回収している。
いや、この説は動機としては正解に近いだろうが、しかし腑に落ちない点も多い。
どうして怪盗を名乗る必要があったのか。
どうして予告状を送る必要があったのか。
どうして僕を盗むという宣言をしたのか。
この流れだと完全に僕の存在が呪い扱いじゃないか。
失礼だな。
本当に失礼だな!!
「なにか貴方の手助けになれましたでしょうか?」
気が付いたらシャンパンはすべて空になっていた。僕の手元の机にも6杯分のグラスがあった。そのせいかちょっと頭がふらふらする。
「はい、重要な情報をありがとうございました!」
残りは怪盗の正体のチェックメイトだけ。けれど、まずは親しい人を疑わなくていいように、弾く作業もしていこう。
「アルトさん、あなたの能力を聞いてもいいですか?」
「え!?」
能力は誰にでもあるわけではない。が、不思議とαとΩが大半を占めているという。僕の直感ではアルトさんもなにかしら能力を持っていると思う。しかしアルトさんは動揺したように僕から視線を外した。元来能力というものは親しい人にしか話さないものであるため、ディアさんの時もそうだったが基本はこうやって動揺するものなのだ。
「・・・実は、貴方には一番知られたくないのです」
「え!」
まさか、空間移動・・・?
アルトさんは気まずそうに僕の方をちらちらと伺い、けれどやはり目を逸らす。本来であれば嫌がる人に対して追及はしないが、酒でいい気になっている僕はつい踏み込んでしまうのである。
「教えてくらさい、アルトさん」
「ちょ、シアン君近いです。あのですね、よく聞いてください。私の能力は魅了なのです。でも決して貴方を過度に洗脳するといった悪用したことはありませんから信じてください」
「魅了・・・?本当れすかぁ・・・?」
「シアン君は真偽見分けられますよね?私の発言は本当って分かりますよね!?」
確かに嘘は言っていないものの、しかし彼は嘘が上手であるらしいため、簡単には鵜呑みにできない。僕はアルトさんに顔を近づけて観察するものの、しかしもっといろいろ調べたくなった。
「能力、僕に使ってみてくらさい」
「え?あの、その・・・このお店の貸し切りの際にオーナーに少しだけ使いましたので、それで証明になりませんか?」
「駄目れす!!」
アルトさんの逃げ腰に、何故か僕は追い詰めたくなってきた。最近は殺人事件以外が多かったから、犯人を追い詰められていない、おそらくぶり返しというか反動が来たのだろう。
「でも、強制的に発情期になりますよ?いいんですか?」
「早くやってくらさい!!」
アルトさんはやれやれと言った様子で目をつぶる。そして僕と目を合わせた。
吸い込まれるような感覚に、僕の体温は急激に上がっていく。
発情期が来てしまった。
51
あなたにおすすめの小説
氷の婚約者様に破談を申し出たら号泣された
楽矢
BL
目が覚めると、レースの牢獄のような天蓋付きベッドの上だった。
何も覚えていない出来損ない下級貴族ミラ。無能だクズだと冷酷な罵詈雑言を浴びせてくる氷の騎士セティアス。
記憶喪失から始まる、2人のファンタジー貴族ラブコメディ。
----------
※注)
かっこいい攻はいません。
タイトル通りそのうち号泣しますのでご注意!
貴族描写は緩い目で雰囲気だけお読みいただけると幸いです。
ハッピーエンドです。
激重感情をこじらせた攻→受な関係がお好きな同志の方、どうぞよろしくお願いします!
全16話 完結済み/現在毎日更新予定
他サイトにも同作品を投稿しています。
様子を見ながらそのうち統合するかもしれません。
初めての一次創作でまだよく分かっておらず、何かおかしなことをしでかしていたら申し訳ないです!
番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か
雪兎
BL
第二性が存在する世界。
Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。
しかし入学初日、彼の前に現れたのは――
幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。
成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。
だが湊だけが知っている。
彼が異常なほど執着深いことを。
「大丈夫、全部管理してあげる」
「君が困らないようにしてるだけだよ」
座席、時間割、交友関係、体調管理。
いつの間にか整えられていく環境。
逃げ場のない距離。
番を拒みたいΩと、手放す気のないα。
これは保護か、それとも束縛か。
閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。
オメガ修道院〜破戒の繁殖城〜
トマトふぁ之助
BL
某国の最北端に位置する陸の孤島、エゼキエラ修道院。
そこは迫害を受けやすいオメガ性を持つ修道士を保護するための施設であった。修道士たちは互いに助け合いながら厳しい冬越えを行っていたが、ある夜の訪問者によってその平穏な生活は終焉を迎える。
聖なる家で嬲られる哀れな修道士たち。アルファ性の兵士のみで構成された王家の私設部隊が逃げ場のない極寒の城を蹂躙し尽くしていく。その裏に棲まうものの正体とは。
被虐趣味のオメガはドSなアルファ様にいじめられたい。
かとらり。
BL
セシリオ・ド・ジューンはこの国で一番尊いとされる公爵家の末っ子だ。
オメガなのもあり、蝶よ花よと育てられ、何不自由なく育ったセシリオには悩みがあった。
それは……重度の被虐趣味だ。
虐げられたい、手ひどく抱かれたい…そう思うのに、自分の身分が高いのといつのまにかついてしまった高潔なイメージのせいで、被虐心を満たすことができない。
だれか、だれか僕を虐げてくれるドSはいないの…?
そう悩んでいたある日、セシリオは学舎の隅で見つけてしまった。
ご主人様と呼ぶべき、最高のドSを…
こわがりオメガは溺愛アルファ様と毎日おいかけっこ♡
なお
BL
政略結婚(?)したアルファの旦那様をこわがってるオメガ。
あまり近付かないようにしようと逃げ回っている。発情期も結婚してから来ないし、番になってない。このままじゃ離婚になるかもしれない…。
♡♡♡
恐いけど、きっと旦那様のことは好いてるのかな?なオメガ受けちゃん。ちゃんとアルファ旦那攻め様に甘々どろどろに溺愛されて、たまに垣間見えるアルファの執着も楽しめるように書きたいところだけ書くみたいになるかもしれないのでストーリーは面白くないかもです!!!ごめんなさい!!!
オメガだと隠して魔王討伐隊に入ったら、最強アルファ達に溺愛されています
水凪しおん
BL
前世は、どこにでもいる普通の大学生だった。車に轢かれ、次に目覚めた時、俺はミルクティー色の髪を持つ少年『サナ』として、剣と魔法の異世界にいた。
そこで知らされたのは、衝撃の事実。この世界には男女の他に『アルファ』『ベータ』『オメガ』という第二の性が存在し、俺はその中で最も希少で、男性でありながら子を宿すことができる『オメガ』だという。
アルファに守られ、番になるのが幸せ? そんな決められた道は歩きたくない。俺は、俺自身の力で生きていく。そう決意し、平凡な『ベータ』と身分を偽った俺の前に現れたのは、太陽のように眩しい聖騎士カイル。彼は俺のささやかな機転を「稀代の戦術眼」と絶賛し、半ば強引に魔王討伐隊へと引き入れた。
しかし、そこは最強のアルファたちの巣窟だった!
リーダーのカイルに加え、皮肉屋の天才魔法使いリアム、寡黙な獣人暗殺者ジン。三人の強烈なアルファフェロモンに日々当てられ、俺の身体は甘く疼き始める。
隠し通したい秘密と、抗いがたい本能。偽りのベータとして、俺はこの英雄たちの中で生き残れるのか?
これは運命に抗う一人のオメガが、本当の居場所と愛を見つけるまでの物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる