怪盗デュークとへっぽこ探偵

ひまたろう

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1章 怪盗デュークと至宝のアクアマリン

27.四つ巴の戦いが今ここに

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 ミハエルはこちらに向けて銃を向ける。彼が武器を持っている姿を僕は見たことがなかった。銃なんて尚更だ。犯人を追い詰め追跡することはあったが、体術しか彼は使用しなかったのだ。

 そんなミハエルが、殺意を持って銃を構えている。店内を見渡すと、彼とアルトさんしかいなかった。
 アルトさんは優雅に腰掛け、こちらに構わずコーヒーを飲んでいる。

「先輩、そいつから離れてください。弾が逸れると危ない」
「ちょっと、ミハエル君、まずは君が銃を下げてくれ!」

 僕は両手を広げてディアさんを庇う。これは、まずい。僕はディアさん側の事情を理解した。それについてミハエルと共有したいと思っているのに、彼はもはや怪盗を殺す云々にまで思考を飛躍させていたのだ。
 その目は暗く淀み、表情からは微かに疲労が読み取れる。

 たった三日で、彼の心はここまで消耗したのだ。

「先輩、いい子ですからこちらに」
「シアン君、離れていなさい」

 両手で構えるミハエルは、顎を傾け僕を誘導しようとする。けれど僕が離れた途端に撃つことは目に見えている。これはまずい。ディアさんは僕の腰にそっと手を置いているが、その手が少しだけ震えていることに気が付いた。それは自分が撃たれるからではない。
 

 この人は僕の死を深く恐れている。彼なら転移でミハエルごと、いや銃だけでも飛ばせるはずだ。けれど、僕の存在によって座標がぶれるのだろう。目に見えているというのに。

 膠着状態だ。僕が動けばミハエルは撃ち、一方ディアさんは冷静になって能力を使う。僕がここを離れた途端に殺し合いが始まる。どうする、僕はどうすべきなんだ。

 そんな折、町子さんを探しに奥の方へ行っていたメルが戻ってきた。三歳にも満たない女の子にこのような殺気立った状況は理解できない。そのままミハエルに向かってトトトと駆けていった。

「パパ!たらいま!」
「メルちゃん・・・」

 一瞬のことで毒気を抜かれたミハエルの銃は角度がずれる。ミハエルは構える際に誤射を避けるために右手人差し指を添えることをしていなかった。銃の引き金は意外と軽く触るだけでも発砲するものだ。故に、僕はメルがミハエルの足に抱き着いたのと同時に走り出す。

 そして、彼に抱き着いた。

「せん、ぱい?」
「ただいま。折角出かける前に忠告してくれたのに、結局連れ去られてしまって、本当に心配かけたね」

 僕とメルでミハエルを抱きしめる。ミハエルは唖然としたのち、銃は落とし、僕を力強く抱きしめた。てっきり彼からはお叱りが来るかと思いきや、何も言わない。その双眸からは薄っすらと涙が滲んでいた。本当に、彼には心配をかけた。

「もう勝手に何処かへ行かないでください。絶対ですよ」

 少しだけ微笑みながら、けれど腕にかける力は依然と強いままだ。僕は胸に閉じ込められる形でミハエルの匂いを吸う。本当に、落ち付く匂いだ。
 もう心配はかけさせまいと、僕はミハエルに言葉をかけようとした。けれど、一瞬でミハエルの抱擁は無くなり、ミハエルは僕よりも遠くにいた。
 いや違う、僕が転移させられた。

「全く、僕の妻は簡単に浮気をする。ここに来ることは許したけれど、浮気は認めてないからね」
「おい怪盗!!今は僕と先輩の感動の再会だっただろ!空気を読め!」

 僕は再びディアさんの近くに立っていた。ここはミハエルに同意だ。今のは空気を読んで欲しかった。久々のミハエルのぬくもりが懐かしかったというのに。

「皆さん、お話は終わりましたか?では落ち着いて話し合いをしましょうか」
「アルトさん!」

 さっきからこっちの状況をそ知らぬふりして優雅にコーヒーブレイクをしていたアルトさんが、ここでようやく僕に話しかけてきた。座りながらも僕に手招きをする。彼からの支援も助かった。国同士の一触即発の情報が僕の元へ届かなければ、呪いを解くまであの屋敷に滞在する選択肢を取っていた可能性もあったのだ。
 僕は今度はアルトさんの元へ走っていき、お礼を言おうと近づく。アルトさんは僕の頭に手を乗せ、優しく撫でる。

「私は大して何もできませんでしたが、お役に立てましたでしょうか?」
「はい、おかげで判断を誤らずに助かりました」

 何のことか分からないディアさんとミハエルは首を傾げる。しかし、僕の手の甲にアルトさんが口づけをしたことにより、二名は臨戦態勢に入った。

「詐欺師。先輩奪還までは協定を結んだが、ここから先は白紙に戻す。先輩から離れろ」
「まったく、厄介な能力だね。僕は一瞬で人を殺められるけど、能力のせいでブレーキがかかる。本当に気に障る能力だよ」
「ふふ、怖い怖い」
「アルトさんの能力は魅了ですよね。基本Ωにしか通じないのでは・・・?」

 アルトさんは他2人に殺意を向けられているにもかかわらず、余裕を見せている。決して彼らは自分には手を出せないと知っているかのように。

「私の能力は基本相手を問わずに作用します。ただΩが一番作用するというだけで。βやαにも微かに作用するので、例えばβ相手には問答無用で信頼を勝ち取りやすいですし、αにはほぼ効果はありませんが、私への危害は良心が痛むのでできないのですよ」
「ええ・・・強い能力ですね・・・」

 僕も同じ精神干渉タイプだというのに、格が全然違う。なんだ僕の嘘発見って。何ならこの場でダントツ最弱ではないだろうか。

「いいえ、貴方の能力は強い能力を持っている者たちへの罪を暴くのに、非常に強力な能力ですよ。例えば私が人を使って完全犯罪を成し遂げても、貴方は私に質問するだけで罪を暴くことができる。こんなに面倒な能力はありませんよ」
「うん。僕にとってもシアン君は天敵だね」

 神輿に乗せてもらった気分だ。そうして話していると、店の奥から誰かがやってきた。町子さんだ。

「ったく、あんたたち。結論が出たならさっさと出ていきな。シアンが消えてからずっと店じまいにさせられてんだよこっちは」
「町子さああああん!!」

 僕はアルトさんの元から離れ、町子さんに向けて駆ける。もともと、僕のことを気遣って送り出してくれたのに、肝心の僕はお菓子につられて怪盗に誘拐されたのだ。信じてくれた町子さんには本当に申し訳がない。

「ちょっと、抱き着くんじゃないよ!鬱陶しい!」
「町子さん、今の嘘ですよね。わかります、僕のことをずっと心配してくれていたんですよね。あ、町子さんハンカチ濡れてますね。僕のことが毎日恋しくて仕方がなかったと。僕も町子さんに会いたくて仕方なかったですよ!くんくん、あ、町子さんシャンプーは変えずにトリートメントだけ変えましたね?」
「うっさいよ!!気色悪いからとっとと離れな!!」

 α男性陣三名は僕と町子さんのやり取りを無言で見ている。ただ憎々しげに見ている。
 誰だ、今「尻軽ビッチ探偵」って悪口をこっそり言ったのは。

 そんなやり取りをしていると、今度はドアがカランカランと鳴った。入ってきたのは警部だ。

「連絡を受けてきたぞ。シアンが戻って来たってな。・・・・なんだこの状況は。お前、また見境なく町子さんに手を出していたのか?」

 僕が捕虜帰りだというのに、心配の色を全く含まない登場である。店内の空気が絶対零度であることに気が付き、軽く舌打ちをした。そしてディアさんに視線をやる。

「ふむ、野放しの犯罪者がいらっしゃる。よかったな、私が今日は非番で」
「いえいえ、警部につきましてはお変わりないようで。僕も今日は一般人として立っているから、事を荒立てずに済んで良かったよ」

 警部は静かににらみ、一方のディアさんは余裕そうに受け流す。残念ながら警部は無能力者だ。ディアさんと一対一の戦いになれば勝ちの見込みはない。彼女もディアさんの規格外は理解しているようで、ただ憎々しげに見ていた。
 ふん、と鼻を鳴らし、警部はそのまま店内の奥に足を進めようとした。そして奥に座っている人物に気が付く。

「・・・なあ無償売春婦。あの金髪ロングの男は誰だ?」
「ああ、彼はアルトさんといいます」
「先輩、お願いですからツッコミを放棄しないでください。不名誉なあだ名はきちんと否定してください」

 ミハエルは僕に注意する。いや、君さっき僕のこと「尻軽ビッチ探偵」って言ってなかった?一方の警部はその後の僕たちの会話は聞こえていないようで、体をわなわなと震えさせていた。

「『アルト』・・・?今アルトって言ったか?」
「あっ」

 しまった、警部とアルトさんは詐欺の被害者と加害者の関係だった!警部はのろのろとアルトさんの方向へ向かって足を進める。アルトさんは面倒くさいものを見る目をしており、ミハエルは僕に突然抱き着いた。

「警部!!行ってください!!犯罪者を今すぐ逮捕してください!!ここのふしだらマゾは僕が抑えているので!!」
「ミハエル君!?さっき警部は今日は非番って言っていたよ!?」
「知っているか?現行犯は誰でもどこでもいつでも出来るんだぞ?そう、今の私のようにな」
「アルトさんはなにも現行犯をやってないじゃないですか!!」

 ディアさんは僕とミハエルが密着しているのが気に食わないようで、近づいて離そうとしている。けれど警部がアルトさんを捕縛しようとしているのは賛成のようで、阻止しようとしている僕の腕もがっちり掴んでいた。

「だまし取った金銭はお返ししたではありませんか。本当にしつこいですね」
「うるさい!!人の純情を弄びやがって!!」
「ちょっと、どさくさに紛れて僕の妻に勝手に抱き着かないでくれるかな」
「警部!!そのままこちらの犯罪者の捕縛もしましょう!!薬物乱用による幻覚の疑惑も今とれましたし!!」

 あっちこっちで戦争が起きてる・・・。町子さんが喝を入れるまで四つ巴の戦いは混沌を極めたのであった。



「やー!!みはえるパパといっしょ!!」
「メルちゃん、ずっと僕と離れていたから今日は甘えただね」
「ごめんねメル。今から真面目な話をするから。あとパパは僕ね」
「メルは父親の定義を知らないから間違えた人物をパパって呼ぶんだよね。ほらメル、僕が本物のパパだよ」
「やめてミハエル君とディアさん!!乱闘はやめて!!」

 折角落ち着いたのにミハエルとディアさんが乱闘を始めかける。警部を含めた面々は喫茶店の机の配置を調整し、座っていた。

「メルさん、私のことはなんて呼んでくれるのでしたっけ?」
「『おとうさま』!!」
「何を知らんうちに刷り込んでんだこの詐欺師!!」

 やめて、うちの天使を巡って争わないで。こんないたいけな子を醜い大人の争いの中心にしないで。この場に父親を名乗る人物が四名いるってこの子からしたらどういう地獄だ。
 僕は町子さんに娘を預け、二人は手を繋いで別室へと移動していった。

 そこから座る席順にも一応揉めたりしたものの、僕のみ起立ということで何とか争いの矛は収まった。収まったと思いたいが、さっきから机の下がゴスゴス蹴る音が聞こえるが気のせいということにしておこう。

 僕は、ディアさんが盗みをしていた理由と、呪いの話を全員にした。・・・ストーカーの経緯は伏せて。ここを話すと事態がもっとややこしくなるからだ。

「つまり、どこかの怪盗殿がシアン君に無体を働かなければ、そもそもこんな事態にはならなかったということですか?」
「ふふ、あれはシアン君から誘ってきたんだよ。発情期でね」
「笑ってんじゃねえぞ強姦魔。どうせラッキーとでも思ったんだろうが」

 ミハエルはもうディアさん相手に一切敬語を使わない。アルトさんも非難する目でディアさんを見ているが、ディアさんは笑いながらかわす。なお警部もこのディアさんへの詰りに参加している。そもそも僕と警部が破局したのがこの事件が原因だからだ。僕の処女を奪われるどころか、腹が膨らんでるのを見て彼女は地面を叩いて怒っていたのだ。

「まあまあ、終わったことだからみんな落ち着きなさい」
「宥めると見せかけて挑発する行為をやめてください」

 周囲から一斉砲火をされているというのに、ディアさんは腕を組んで勝ち誇った様子でいる。まずい、大乱闘が起こる前に話を進めないと。

「そ、それでですね、もしよければ警部、ミハエル君、アルトさんの三名がそういった呪物について心当たりがないかと思いまして。特に怨念レベルが高いものだと嬉しいです」

 全てを祓う必要はないだろう。なるべく大物を仕留めて行った方がいいに決まっている。
 三人とも、それぞれ静かになって何やら考え込む。そんな中アルトさんは心当たりがあるのか、すっと手を上げた。視線が彼に集まる。

「そういえば、私の故郷から、いくつか闇オークションを経由して、この国に歴史的異物が流れてたという情報がありましたね。同郷のΩが酒の席で情報を落としておりました」
「それは呪われた品なのですか?」
「ええ、故郷では有名な呪いの品です。名を『魔王の玉座サタンズチェア』」

 その単語を聞き、今度は警部が食いつく。彼女もそれを知っているそうだ。

「ああ、そういえば私の祖父も同じ話をしていた。砂漠の国で開かれた闇オークションで、この国に流れてきたらしく、渋い顔をしていたよ」
「その『魔王の玉座サタンズチェア』って何ですか?」
「昔々、悪魔と呼ばれる存在達がまだ跋扈していた神秘的な時代に、それらの王として君臨していた者が愛用していたという伝説が残っている椅子だね」

 僕の質問を受け、今度はディアさんが答える。

「悪魔たちのトップは、その椅子に座ることで存在を証明していた。故に、自身の椅子に異常なほど執着していたんだよ。他の者が座ると後日、必ず呪い殺されるという品になったんだ」
「重いうえに大きいので、闇オークションでは大目玉商品扱いだったようです。けれど、その品を運んだ関係者たちは、皆不審な死を遂げたらしいですね」
「ああ、聞いた話だが悪魔というのは眉唾物の創作で、本当は処刑用の椅子だったともいわれてるらしいな。椅子は劇薬でべたべたしているうえに、鎖で擦った跡があるらしく、罪人を縛って毒殺するための物だったともいわれている」

 悪魔だの突拍子もない話が出てきたが、現実的に考えると警部の最後の情報が一番しっくりくる。それが飛躍して悪魔だのなんだのと伝説になったのだろう。どのみち誰かの怨念が強くこびりついた大変危険な代物だと分かった。
 そういった品を回収し、一つずつ祓って行こう。すると、これまで黙って聞いていたミハエルがすっと手を上げる。

「その椅子・・・うちの実家にあります・・・」

 居心地悪そうにミハエルはそう答えた。
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