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後日談 片翼をもがれた不死鳥
A25.自覚
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目を覚ますと、いつもの光景が広がっていた。私以外誰もいない空間。視界が霞んでいるため、しばし回復を待つ。本当にゆっくりと時間をかけて、視界を回復させる。やがて、ようやく前が見えるようになった。
(・・・?もう、昼になっている?)
天上の空は、真昼間のように明るい。こんな明るい中で私は熟睡していたのか。よく見ると、机の上に朝食が置いてある。重い体を無理やり動かしテーブルに近づき、ティーカップを触る。
冷えている。
アウレリウスは相当前に持ってきたのだろう。朝食を持ってきたはいいが、私が爆睡しているために静かに置いていったのだ。無職の癖に、こんな時間まで寝ているとは、流石のあの子もあきれていることだろう。
それにしては妙だ。体が自由に動かせない。動作の一つ一つが重くて仕方がない。
(・・・おかしいな。相当寝たはずなのに、倦怠感が抜けない)
ティーカップの温度の確認をしただけで、疲れる始末だ。私はふらふらとベッドに戻って座る。試しに何か喋ってみようとするが、昨晩同様に声は出ない。力が抜け、気力が湧かない。やがて咳も出る。
まるで、何かに生命が吸われるような、そんな感覚を覚えるのだ。
・・・「何かに生命が吸われる?」
(まさか、まさか・・・)
私は咄嗟に光の首輪を掴む。思えば異変は味覚から始まり、咳、耳という順番で始まった。そう、首輪に近い順に。
闇魔法の適性者にとって、光魔法は皮膚につけるだけで毒に等しいのだ!!
アークランドは歴史上、闇魔法の適性者を発覚次第始末してきた。故に、闇魔法適性者へのデータが乏しい。光魔法は苦手であるくらいの感覚で、アウレリウスもまさか命に関わるものだと認識していないのだ。
首輪を外そうと、力を入れる。しかし、当然外れるわけがない。アウレリウスに何とか状況を伝える必要がある。
周囲に視線をやるが、筆記具は見当たらない。
「アリオン。入るね」
丁度その時、アウレリウスが部屋に入って来た。どうする、ジェスチャーで伝えればいいだろうか?「首輪を外して欲しい」というように。残念ながら物書きの類はもらえないだろう。脱出につながる可能性があるからだ。食器に隠してSOSを送るということを警戒して、アウレリウスは渡してはくれないだろう。
慌てている私ではあるが、それでも動作が鈍いために、はた目からは寝ぼけているようにしか見えないのだろう。アウレリウスは気づかず、トレーを持ってテーブルに近づく。
「ひょっとして今起きたばかり?」
コクリと頷いた。昨晩あんなことがあったのに、アウレリウスは一晩経って感情が落ち着いたのか、私にゆっくり話しかける。
「朝食は下げるね。代わりに作りたてのお昼ご飯を食べてほしい」
アウレリウスは今日はすぐに帰らず、椅子に座った。そして私をじっと見ている。
・・・丁度良かった。早く首輪について伝えなければならない!!ジェスチャーでは理由といった詳細が伝えられない。そうだ。本で文字を指さすのはどうだろうか。そうしたら細かい情報を相手につたえられる。
・・・・・・
でも、どういう言葉を選べばいいのだろうか?私は口で説明しても、いつも相手に誤解と不快感しか与えられないのに、私に対して信頼度が失墜している相手に向かって、首輪を外せと伝えて、意味があるのか?
「アリオン?どうしたの?」
アウレリウスは、私の顔を覗き込む。
ジェスチャーだってそうだ。首輪を外してほしいように身振り手振りしたとて「ここから解放しろ」という意味にしか伝わらない。せっかく少しずつ会話が出来るようになったのに、ここで信頼をまた失うのか?
出来ない。
伝えられない。
これ以上、信頼を失うような真似をしたくない。信頼は、時として命より重い。もう、この子から失望されることはしたくない。
「アリオン?どうして何もしゃべらないの?まさか僕が昨晩、喋らないでって言ったこと、気にしてる?」
今できるのは、いつも通りふるまって、アウレリウスからの信頼を勝ち取ること。信頼さえ勝ち取ることが出来れば、首輪を外すタイミングだって早めてくれる。
私は動かす筋肉に細心の注意を払い、いつも通りに見えるように歩いて、体を机の方に持っていく。平衡感覚を失いそうになる中、そして座り、全く食欲を感じない胃に無理矢理昼食をねじ込む。ありがたいことに今日は大皿スープだった。一度でも手を止めると食べきれない確信があった。故に、何とか早めに食べきる。
アウレリウスは帰らない。・・・ということは、昼間だが今日はこれから交わるつもりなのだろう。昨晩は何もせず帰って行ったこともあり、今日は例外なのかもしれない。
「実は今日はアリオンとじっくり話したいと思って・・・アリオン?」
私が無言で衣服を脱ぎ始めたため、アウレリウスは驚く。そして近づいて私の手を掴んだ。
「ち、違うから!僕はアリオンとゆっくり話をしたいと思って・・・」
残念ながら、私は声が出せなくなった。会話が出来なくなってしまったのだ。で、あればアウレリウスの言う「ゆっくり話をして親交を深める」ことは、選択肢として潰れる。
ならば手っ取り早く交わって、もっと信頼を勝ち取って、首輪を外してもらう時期を早める方がいいに決まっている。故に私はボタンをはずす手を無理矢理に動かそうとする。
「ごめん、アリオン。出産間もない君にあれだけ無体を働いたのに、子供を欲するような発言をした僕のことを、怒っているんだね。本当に、ごめんね」
アウレリウスは急いでトレーをもって部屋から出ていった。
ぼーっとアウレリウスが去って行った方向に眼差しを向ける。駄目だ。頭も上手く働かず、どうしてアウレリウスが去って行ったのかも考えられない。私はふらつく体をベッドに投げ込む。
正常な判断が出来ていない自覚がある。寝ても寝ても眠い。でも、あの子が来る前にはなんとか起きよう。階段の足音だけは絶対に聞き漏らさないようにする。私はもう絶対にアウレリウスを裏切らないことを示して、信頼を何としてでも得る。
階段を下りてくる音がするたびに、強引に体を起こし、まるでずっと本を読んでいたかのように偽装する。持ってきてくれた食事を受け取り、強引に胃の中にねじ込む。
アウレリウスは、私の食事の瞬間を見なくなった。自分が座っているということは、性交の合図になると思ったのだろう。それでいいのに。私はそれを望んでいるのに。
私を押し倒すことも無くなる。
代わりに、夜の間に一緒に寝てくれるようになった。私が就寝した後に私のベッドにこっそり入り、朝は知らないうちに居なくなっていることに気が付いた。寝首を掻かれたくないと言っていたが、段々と私のことを信頼していってくれているように思う。
夜中にふと目を覚ますと、私のことを大事そうに抱きしめてくれていた。たくましい体で、私の腰に腕を回して眠りについていたのだ。とても暖かくて、私のことを心から愛しているのだと、そう伝えてくる。
そのことに、弱まっているはずの心臓がどきどきするのだ。だから私も抱きしめ返すと、少しだけ意識を浮上させたアウレリウスが私の頭に顔をうずめてくる。
『アリオン君は、陛下のこと考えると、ドキドキしますか?』
イヴリン嬢が以前に私に聞いてきた言葉だ。
ああ、そうだ。とてもドキドキする。
弱まっているはずの心臓が強引にでも早鐘をうって、低下しているはずの体温も、この時だけは熱い。
この気持ちは、子供に向ける感情ではない。
きっとこれを、人は恋と呼ぶのだろう。
私は今大切に抱きしめているこの人のことを、心から恋しているのだ。
(・・・?もう、昼になっている?)
天上の空は、真昼間のように明るい。こんな明るい中で私は熟睡していたのか。よく見ると、机の上に朝食が置いてある。重い体を無理やり動かしテーブルに近づき、ティーカップを触る。
冷えている。
アウレリウスは相当前に持ってきたのだろう。朝食を持ってきたはいいが、私が爆睡しているために静かに置いていったのだ。無職の癖に、こんな時間まで寝ているとは、流石のあの子もあきれていることだろう。
それにしては妙だ。体が自由に動かせない。動作の一つ一つが重くて仕方がない。
(・・・おかしいな。相当寝たはずなのに、倦怠感が抜けない)
ティーカップの温度の確認をしただけで、疲れる始末だ。私はふらふらとベッドに戻って座る。試しに何か喋ってみようとするが、昨晩同様に声は出ない。力が抜け、気力が湧かない。やがて咳も出る。
まるで、何かに生命が吸われるような、そんな感覚を覚えるのだ。
・・・「何かに生命が吸われる?」
(まさか、まさか・・・)
私は咄嗟に光の首輪を掴む。思えば異変は味覚から始まり、咳、耳という順番で始まった。そう、首輪に近い順に。
闇魔法の適性者にとって、光魔法は皮膚につけるだけで毒に等しいのだ!!
アークランドは歴史上、闇魔法の適性者を発覚次第始末してきた。故に、闇魔法適性者へのデータが乏しい。光魔法は苦手であるくらいの感覚で、アウレリウスもまさか命に関わるものだと認識していないのだ。
首輪を外そうと、力を入れる。しかし、当然外れるわけがない。アウレリウスに何とか状況を伝える必要がある。
周囲に視線をやるが、筆記具は見当たらない。
「アリオン。入るね」
丁度その時、アウレリウスが部屋に入って来た。どうする、ジェスチャーで伝えればいいだろうか?「首輪を外して欲しい」というように。残念ながら物書きの類はもらえないだろう。脱出につながる可能性があるからだ。食器に隠してSOSを送るということを警戒して、アウレリウスは渡してはくれないだろう。
慌てている私ではあるが、それでも動作が鈍いために、はた目からは寝ぼけているようにしか見えないのだろう。アウレリウスは気づかず、トレーを持ってテーブルに近づく。
「ひょっとして今起きたばかり?」
コクリと頷いた。昨晩あんなことがあったのに、アウレリウスは一晩経って感情が落ち着いたのか、私にゆっくり話しかける。
「朝食は下げるね。代わりに作りたてのお昼ご飯を食べてほしい」
アウレリウスは今日はすぐに帰らず、椅子に座った。そして私をじっと見ている。
・・・丁度良かった。早く首輪について伝えなければならない!!ジェスチャーでは理由といった詳細が伝えられない。そうだ。本で文字を指さすのはどうだろうか。そうしたら細かい情報を相手につたえられる。
・・・・・・
でも、どういう言葉を選べばいいのだろうか?私は口で説明しても、いつも相手に誤解と不快感しか与えられないのに、私に対して信頼度が失墜している相手に向かって、首輪を外せと伝えて、意味があるのか?
「アリオン?どうしたの?」
アウレリウスは、私の顔を覗き込む。
ジェスチャーだってそうだ。首輪を外してほしいように身振り手振りしたとて「ここから解放しろ」という意味にしか伝わらない。せっかく少しずつ会話が出来るようになったのに、ここで信頼をまた失うのか?
出来ない。
伝えられない。
これ以上、信頼を失うような真似をしたくない。信頼は、時として命より重い。もう、この子から失望されることはしたくない。
「アリオン?どうして何もしゃべらないの?まさか僕が昨晩、喋らないでって言ったこと、気にしてる?」
今できるのは、いつも通りふるまって、アウレリウスからの信頼を勝ち取ること。信頼さえ勝ち取ることが出来れば、首輪を外すタイミングだって早めてくれる。
私は動かす筋肉に細心の注意を払い、いつも通りに見えるように歩いて、体を机の方に持っていく。平衡感覚を失いそうになる中、そして座り、全く食欲を感じない胃に無理矢理昼食をねじ込む。ありがたいことに今日は大皿スープだった。一度でも手を止めると食べきれない確信があった。故に、何とか早めに食べきる。
アウレリウスは帰らない。・・・ということは、昼間だが今日はこれから交わるつもりなのだろう。昨晩は何もせず帰って行ったこともあり、今日は例外なのかもしれない。
「実は今日はアリオンとじっくり話したいと思って・・・アリオン?」
私が無言で衣服を脱ぎ始めたため、アウレリウスは驚く。そして近づいて私の手を掴んだ。
「ち、違うから!僕はアリオンとゆっくり話をしたいと思って・・・」
残念ながら、私は声が出せなくなった。会話が出来なくなってしまったのだ。で、あればアウレリウスの言う「ゆっくり話をして親交を深める」ことは、選択肢として潰れる。
ならば手っ取り早く交わって、もっと信頼を勝ち取って、首輪を外してもらう時期を早める方がいいに決まっている。故に私はボタンをはずす手を無理矢理に動かそうとする。
「ごめん、アリオン。出産間もない君にあれだけ無体を働いたのに、子供を欲するような発言をした僕のことを、怒っているんだね。本当に、ごめんね」
アウレリウスは急いでトレーをもって部屋から出ていった。
ぼーっとアウレリウスが去って行った方向に眼差しを向ける。駄目だ。頭も上手く働かず、どうしてアウレリウスが去って行ったのかも考えられない。私はふらつく体をベッドに投げ込む。
正常な判断が出来ていない自覚がある。寝ても寝ても眠い。でも、あの子が来る前にはなんとか起きよう。階段の足音だけは絶対に聞き漏らさないようにする。私はもう絶対にアウレリウスを裏切らないことを示して、信頼を何としてでも得る。
階段を下りてくる音がするたびに、強引に体を起こし、まるでずっと本を読んでいたかのように偽装する。持ってきてくれた食事を受け取り、強引に胃の中にねじ込む。
アウレリウスは、私の食事の瞬間を見なくなった。自分が座っているということは、性交の合図になると思ったのだろう。それでいいのに。私はそれを望んでいるのに。
私を押し倒すことも無くなる。
代わりに、夜の間に一緒に寝てくれるようになった。私が就寝した後に私のベッドにこっそり入り、朝は知らないうちに居なくなっていることに気が付いた。寝首を掻かれたくないと言っていたが、段々と私のことを信頼していってくれているように思う。
夜中にふと目を覚ますと、私のことを大事そうに抱きしめてくれていた。たくましい体で、私の腰に腕を回して眠りについていたのだ。とても暖かくて、私のことを心から愛しているのだと、そう伝えてくる。
そのことに、弱まっているはずの心臓がどきどきするのだ。だから私も抱きしめ返すと、少しだけ意識を浮上させたアウレリウスが私の頭に顔をうずめてくる。
『アリオン君は、陛下のこと考えると、ドキドキしますか?』
イヴリン嬢が以前に私に聞いてきた言葉だ。
ああ、そうだ。とてもドキドキする。
弱まっているはずの心臓が強引にでも早鐘をうって、低下しているはずの体温も、この時だけは熱い。
この気持ちは、子供に向ける感情ではない。
きっとこれを、人は恋と呼ぶのだろう。
私は今大切に抱きしめているこの人のことを、心から恋しているのだ。
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