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défendu
謎の少年 ルイ・シャノワーヌ
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鬱陶しい…。
何もかもが……。
いっそ全てを投げ出してしまいたい。
そう思い衝動的に家出したルイ・シャノワーヌは自らの行動を酷く後悔した。
彼が家出をして5日目。
当初は沢山あった金も底をつき、泊まっていた宿を追い出された。仕方ないので帰ろうと思ったのも束の間、いきなり降り出した雨は次第に豪雨になった。
「嘘だろ…」
彼が今いる場所から家まではかなり遠い。この豪雨の中歩いて帰るなど流石に無理がある。
「いや、俺は家出したんだ。もうあの家には帰らない。」
ルイは頭を過った『家に帰る』という選択肢を消し去った。
「そうなると…今の俺に必要なのは金だな……どこか働ける場所を探そう。」
そう決断すると、ルイは豪雨の中に飛び込むように走り出した。
ーーー
雨でずぶ濡れになりながらようやく街に出た。パン屋、酒屋、仕立て屋、花屋…街には様々な店が並んでいる。しかし、この豪雨のせいかどの店も閉まっているか、慌てて店仕舞いをしている。
「あらあらアメリー、ごめんなさいねぇ、まさかこんなに降るなんて!」
花屋の店主と思しき女性が花を片付けていた少女に駆け寄っていった。少女の母親だろうか?それとも少女は雇われているのか?見た所アメリーと呼ばれた彼女はルイと同世代くらいだ。もし彼女が雇われているのならルイも雇ってもらえるかもしれない。
「あ、あの…すみませ……」
しかし、ルイの呼びかけは雨音にかき消されてしまった。花を店の中に片付け終わった女性と少女はルイに気づかず花屋の中に入っていってしまった。
ーーー
「取り敢えず…ここなら雨を凌げる」
あの後、街の近くにある教会を見つけた。他に行く宛ての無いルイはひとまず教会で雨宿りをすることにした。
『アントワーヌ教会』それがこの教会の名前らしい。小さくて古いこの教会に今居るのはルイだけ。雨でずぶ濡れになった彼を寒さと空腹が襲った。それらをできるだけ感じないようにする為、ルイは教会の長椅子に横になり少し眠る事にした。
ーーー
目が覚めると強い寒気と眩暈に襲われた。さっきまでの豪雨はおさまったらしいが、ルイの体の具合は明らかに悪くなっていた。熱くなる体と強くなる頭痛。ルイが意識を失いかけた時、教会の扉が開く音がした。
「だれ……か……」
ルイは声を絞り出し助けを求めた。
「え…?だ、誰か…いるの?」
少女の驚いたような声がした。だんだん足音が近付いてくると、狭くなるルイの視界に見覚えのある少女が映った。
「え…な……何でこんな所に……大丈夫ですか?聞こえますか?…熱い!…酷い熱……。あの、私の部屋まで…肩貸すので少し歩いてください。頑張って!」
少女は戸惑いながらもルイの体を起こし、肩を貸してくれた。
ーーー
「着きました!もう大丈夫ですよ!さぁ、ベッドへ。」
そう言って少女はルイをベッドに寝かせてくれた。
「もう医務室は閉まってるよね……。取り敢えず眠っててください!」
少女は何かを思いついたように部屋を飛び出していった。そして数分後、水を張った桶と布を持って戻ってきた。彼女は布を桶の水に浸しよく絞ると、それをルイの額に乗せた。
「あ…りが…と……」
か細い掠れた声でルイは例を言った。
「無理して話さなくても大丈夫ですよ。今飲み水と…何か食べる物も持ってきますね!」
少女は笑顔でそう言うと再び部屋を出ていき、数分後今度は水の入ったピッチャーとティーカップ、バゲットを持ってきてくれた。今日1日飲まず食わずだったルイは少女が入れてくれた水を一瞬で飲み干すと、バゲットを頬張った。その様子を見て少女は目を丸くして驚いている。
「高熱なのに凄い食欲……あの、た…足りないですか?」
少女の問いにルイは首を横に振った。本音を言えば育ち盛りの少年であるルイの腹がバゲットだけで膨れる訳は無かったが、初対面の少女…しかも自分と同世代であろう少女にここまでして貰っておいて我儘を言うなんて烏滸がましい。
「何だかさっきよりは顔色良くなったように見えます!食べ終わったらゆっくり休んで下さいね。」
そう言って微笑む少女にルイは頷いた。
可愛い……
ルイはこの時生まれて初めて女性に対してそう思った。
ーーー
翌朝、目を覚ますと体調はすっかり良くなっていた。しかし、
「うわっ!」
起き上がると1人の少女が椅子に座った状態でベッドに突っ伏して眠っている。
「そ、そうだった……」
ルイは昨晩の事を思い出した。それと同時に彼女のベッドを占領してしまった事を申し訳なく思った。
「んん……ふわぁ……。あ、おはようございます。具合はどうですか?」
目を覚ました彼女は真っ先にルイの心配をしてくれた。
「あ、大丈夫……。その、助けてくれてありがとう。それと…ごめん。君のベッドなのに……。」
ルイが謝ると彼女は首を横に振った。
「そんな!気にしないでください!困っている人を助けるのは当たり前ですから!あ、私、アメリー・ミシュレです。ここの孤児院で暮らしてます。」
アメリー……。どこかで聞いた名前……。
それに彼女の顔にも見覚えが……。
ルイはハッと思い出した。そうだ。この少女は花屋で働いていたあの子だ。孤児院ということは…花屋の娘ではないようだ。
「あ、俺は…ルイ・シャノワーヌ。あの、助けて貰った上にこんな事まで頼むのは厚かましいってのは分かってるんだけど…その……」
「まずい!隠れて!」
アメリーはそう言うといきなりルイを押し倒し、頭まで布団を掛けた。
何が起こったのか分からないがルイは取り敢えずじっとしておいた。
「アメリー!朝食の時間よ!行きましょう!」
「え、えぇ。私ちょっとやる事があるから先に行っておいて!」
布団越しにアメリーと誰かの会話が聞こえた。
会話の相手が去ったのか、アメリーが布団を捲った。
「ごめんなさい!部屋に人を連れ込んではいけない規則なんです。」
そんな規則があるのにこの子は自分を助けてくれたのか。ルイは益々申し訳なくなった。
「それで…頼みって何ですか?」
「え、いや、その……。」
これ以上アメリーの負担を増やす訳にはいかない。しかしルイ1人で見知らぬこの街で仕事と住む場所を得る事が出来るだろうか?
「私に出来ることならなんでもしますよ?これでももう15歳なんですから!」
少女は自信に満ちた表情でそう言い、ルイに笑って見せた。こんなに頼もしい彼女が自分よりも1つ年下だという事に少し驚いたがルイは彼女の言葉に甘えて頼る事にした。
「ありがとう……。実は……」
ルイはアメリーに事細かに事情を説明した。訳あって家を出たこと。今この街で住む場所と仕事を探していること。
「16にもなってこんな有様なんて無様だよな。でも俺はどうしてもあの家には戻りたくない。」
家があるのに帰らないなんて孤児院で暮らす彼女からしたら物凄く贅沢な事だろう。しかしアメリーはルイを責めたりせずこう言った。
「よっぽど大変な事があったんですね…分かりました!私、この街の花屋で働いてるんですけど店主さんに掛け合ってみます!店主さん、顔が広くて近所のお店の人たちとも仲が良いし…大丈夫!きっとお仕事見つかりますよ!」
昨日熱で魘されていた時、看病しながら自分に向けてくれたのと同じ笑顔だ。ルイは自分はとてつもなく素晴らしい人に助けて貰ったのだと改めて思った。
「ありがとう。俺、何でもするから…。そしてこの恩をいつか絶対君に返すよ。」
何もかもが……。
いっそ全てを投げ出してしまいたい。
そう思い衝動的に家出したルイ・シャノワーヌは自らの行動を酷く後悔した。
彼が家出をして5日目。
当初は沢山あった金も底をつき、泊まっていた宿を追い出された。仕方ないので帰ろうと思ったのも束の間、いきなり降り出した雨は次第に豪雨になった。
「嘘だろ…」
彼が今いる場所から家まではかなり遠い。この豪雨の中歩いて帰るなど流石に無理がある。
「いや、俺は家出したんだ。もうあの家には帰らない。」
ルイは頭を過った『家に帰る』という選択肢を消し去った。
「そうなると…今の俺に必要なのは金だな……どこか働ける場所を探そう。」
そう決断すると、ルイは豪雨の中に飛び込むように走り出した。
ーーー
雨でずぶ濡れになりながらようやく街に出た。パン屋、酒屋、仕立て屋、花屋…街には様々な店が並んでいる。しかし、この豪雨のせいかどの店も閉まっているか、慌てて店仕舞いをしている。
「あらあらアメリー、ごめんなさいねぇ、まさかこんなに降るなんて!」
花屋の店主と思しき女性が花を片付けていた少女に駆け寄っていった。少女の母親だろうか?それとも少女は雇われているのか?見た所アメリーと呼ばれた彼女はルイと同世代くらいだ。もし彼女が雇われているのならルイも雇ってもらえるかもしれない。
「あ、あの…すみませ……」
しかし、ルイの呼びかけは雨音にかき消されてしまった。花を店の中に片付け終わった女性と少女はルイに気づかず花屋の中に入っていってしまった。
ーーー
「取り敢えず…ここなら雨を凌げる」
あの後、街の近くにある教会を見つけた。他に行く宛ての無いルイはひとまず教会で雨宿りをすることにした。
『アントワーヌ教会』それがこの教会の名前らしい。小さくて古いこの教会に今居るのはルイだけ。雨でずぶ濡れになった彼を寒さと空腹が襲った。それらをできるだけ感じないようにする為、ルイは教会の長椅子に横になり少し眠る事にした。
ーーー
目が覚めると強い寒気と眩暈に襲われた。さっきまでの豪雨はおさまったらしいが、ルイの体の具合は明らかに悪くなっていた。熱くなる体と強くなる頭痛。ルイが意識を失いかけた時、教会の扉が開く音がした。
「だれ……か……」
ルイは声を絞り出し助けを求めた。
「え…?だ、誰か…いるの?」
少女の驚いたような声がした。だんだん足音が近付いてくると、狭くなるルイの視界に見覚えのある少女が映った。
「え…な……何でこんな所に……大丈夫ですか?聞こえますか?…熱い!…酷い熱……。あの、私の部屋まで…肩貸すので少し歩いてください。頑張って!」
少女は戸惑いながらもルイの体を起こし、肩を貸してくれた。
ーーー
「着きました!もう大丈夫ですよ!さぁ、ベッドへ。」
そう言って少女はルイをベッドに寝かせてくれた。
「もう医務室は閉まってるよね……。取り敢えず眠っててください!」
少女は何かを思いついたように部屋を飛び出していった。そして数分後、水を張った桶と布を持って戻ってきた。彼女は布を桶の水に浸しよく絞ると、それをルイの額に乗せた。
「あ…りが…と……」
か細い掠れた声でルイは例を言った。
「無理して話さなくても大丈夫ですよ。今飲み水と…何か食べる物も持ってきますね!」
少女は笑顔でそう言うと再び部屋を出ていき、数分後今度は水の入ったピッチャーとティーカップ、バゲットを持ってきてくれた。今日1日飲まず食わずだったルイは少女が入れてくれた水を一瞬で飲み干すと、バゲットを頬張った。その様子を見て少女は目を丸くして驚いている。
「高熱なのに凄い食欲……あの、た…足りないですか?」
少女の問いにルイは首を横に振った。本音を言えば育ち盛りの少年であるルイの腹がバゲットだけで膨れる訳は無かったが、初対面の少女…しかも自分と同世代であろう少女にここまでして貰っておいて我儘を言うなんて烏滸がましい。
「何だかさっきよりは顔色良くなったように見えます!食べ終わったらゆっくり休んで下さいね。」
そう言って微笑む少女にルイは頷いた。
可愛い……
ルイはこの時生まれて初めて女性に対してそう思った。
ーーー
翌朝、目を覚ますと体調はすっかり良くなっていた。しかし、
「うわっ!」
起き上がると1人の少女が椅子に座った状態でベッドに突っ伏して眠っている。
「そ、そうだった……」
ルイは昨晩の事を思い出した。それと同時に彼女のベッドを占領してしまった事を申し訳なく思った。
「んん……ふわぁ……。あ、おはようございます。具合はどうですか?」
目を覚ました彼女は真っ先にルイの心配をしてくれた。
「あ、大丈夫……。その、助けてくれてありがとう。それと…ごめん。君のベッドなのに……。」
ルイが謝ると彼女は首を横に振った。
「そんな!気にしないでください!困っている人を助けるのは当たり前ですから!あ、私、アメリー・ミシュレです。ここの孤児院で暮らしてます。」
アメリー……。どこかで聞いた名前……。
それに彼女の顔にも見覚えが……。
ルイはハッと思い出した。そうだ。この少女は花屋で働いていたあの子だ。孤児院ということは…花屋の娘ではないようだ。
「あ、俺は…ルイ・シャノワーヌ。あの、助けて貰った上にこんな事まで頼むのは厚かましいってのは分かってるんだけど…その……」
「まずい!隠れて!」
アメリーはそう言うといきなりルイを押し倒し、頭まで布団を掛けた。
何が起こったのか分からないがルイは取り敢えずじっとしておいた。
「アメリー!朝食の時間よ!行きましょう!」
「え、えぇ。私ちょっとやる事があるから先に行っておいて!」
布団越しにアメリーと誰かの会話が聞こえた。
会話の相手が去ったのか、アメリーが布団を捲った。
「ごめんなさい!部屋に人を連れ込んではいけない規則なんです。」
そんな規則があるのにこの子は自分を助けてくれたのか。ルイは益々申し訳なくなった。
「それで…頼みって何ですか?」
「え、いや、その……。」
これ以上アメリーの負担を増やす訳にはいかない。しかしルイ1人で見知らぬこの街で仕事と住む場所を得る事が出来るだろうか?
「私に出来ることならなんでもしますよ?これでももう15歳なんですから!」
少女は自信に満ちた表情でそう言い、ルイに笑って見せた。こんなに頼もしい彼女が自分よりも1つ年下だという事に少し驚いたがルイは彼女の言葉に甘えて頼る事にした。
「ありがとう……。実は……」
ルイはアメリーに事細かに事情を説明した。訳あって家を出たこと。今この街で住む場所と仕事を探していること。
「16にもなってこんな有様なんて無様だよな。でも俺はどうしてもあの家には戻りたくない。」
家があるのに帰らないなんて孤児院で暮らす彼女からしたら物凄く贅沢な事だろう。しかしアメリーはルイを責めたりせずこう言った。
「よっぽど大変な事があったんですね…分かりました!私、この街の花屋で働いてるんですけど店主さんに掛け合ってみます!店主さん、顔が広くて近所のお店の人たちとも仲が良いし…大丈夫!きっとお仕事見つかりますよ!」
昨日熱で魘されていた時、看病しながら自分に向けてくれたのと同じ笑顔だ。ルイは自分はとてつもなく素晴らしい人に助けて貰ったのだと改めて思った。
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