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défendu
マリー=アンジュ・マクシミリアン
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「フランシス!その話詳しく聞かせなさい!」
ある日の朝食の時間、弟の口から出た言葉にマリー=アンジュは思わず席を立った。
「マリー=アンジュ!食事中に席を立つんじゃありません!はしたない!…フランシス、びっくりしたわねぇ…大丈夫?」
母、アナ=マリア・オーギュスティーヌ・アズナヴールに叱責され、マリー=アンジュは不貞腐れたように椅子に座った。
小さい頃から母はいつでもこうだ。
マリー=アンジュと弟のフランシス・ピエール・マクシミリアンは1つしか歳が変わらないのに母は弟ばかり贔屓するのだ。
「落ち着きなさいお前たち…。それにしても珍しいじゃないか。いつもは物静かに食事をしているマリー=アンジュが取り乱すなんて……。そんなにフランシスの話が気になるのか?」
弟にしか見向きもしない母と違って、父であるギャストン・ジョルジュ・マクシミリアンはちゃんとマリー=アンジュの話を聞こうとしてくれる。マリー=アンジュにとって父は家族で一番大切な信頼出来る人なのだ。
マリー=アンジュは父の顔を見てこくりと頷いた。
「フランシス、お姉様に話してあげなさい。」
父に促され、フランシスは口を開いた。
「えーとね、僕この前確かに見たんだよ。ロイクさんが同年代くらいの女の子と楽しそうに歩いているところ。」
「どこで!?どこで見たのよフランシス!」
身を乗り出して尋ねるマリー=アンジュ。そんな彼女を母が睨み付けながら叱責する。
「マリー=アンジュ、いい加減になさい!」
「アナ=マリア、少し落ち着きなさい。……それで、どこで見たんだね?フランシス。」
父が代わりに聞いてくれたお陰でマリー=アンジュの質問は掻き消されずに済んだ。
「どこだったっけ?僕、街の名前とか知らないや~。ごめんよ姉さん。」
フランシスの無責任な返答と適当にあしらうような口調にマリー=アンジュはとうとう怒りを抑えられなくなった。彼女は再び席を立つと、向かい側に座るフランシスの所まで行き彼の肩を揺さぶった。
「フランシス!私は真剣に聞いているのよ!ちゃんと思い出して答えなさい!」
「マリー=アンジュ!!」
パシッという鈍い音と共にマリー=アンジュの頬に痛みが走った。
「フランシスは知らないと言っているでしょう!?どうしてあなたはいつもいつも弟を蔑ろにするの!?少しはエミリエンヌを見習って姉らしく振る舞いなさい!」
フランシスを抱きしめながらマリー=アンジュを叱責する母。この展開にはとうに慣れていたが、ロイクの事となるとマリー=アンジュも譲れなかった。
「お母様には関係無いわ!少し黙ってて!フランシス、その街に行った時一緒だった召使は誰?」
フランシスは頼りにならないと思ったマリー=アンジュは弟の召使に尋ねることにした。
「えーっとねぇ……ウスターシュだったと思うよ。」
ある日の朝食の時間、弟の口から出た言葉にマリー=アンジュは思わず席を立った。
「マリー=アンジュ!食事中に席を立つんじゃありません!はしたない!…フランシス、びっくりしたわねぇ…大丈夫?」
母、アナ=マリア・オーギュスティーヌ・アズナヴールに叱責され、マリー=アンジュは不貞腐れたように椅子に座った。
小さい頃から母はいつでもこうだ。
マリー=アンジュと弟のフランシス・ピエール・マクシミリアンは1つしか歳が変わらないのに母は弟ばかり贔屓するのだ。
「落ち着きなさいお前たち…。それにしても珍しいじゃないか。いつもは物静かに食事をしているマリー=アンジュが取り乱すなんて……。そんなにフランシスの話が気になるのか?」
弟にしか見向きもしない母と違って、父であるギャストン・ジョルジュ・マクシミリアンはちゃんとマリー=アンジュの話を聞こうとしてくれる。マリー=アンジュにとって父は家族で一番大切な信頼出来る人なのだ。
マリー=アンジュは父の顔を見てこくりと頷いた。
「フランシス、お姉様に話してあげなさい。」
父に促され、フランシスは口を開いた。
「えーとね、僕この前確かに見たんだよ。ロイクさんが同年代くらいの女の子と楽しそうに歩いているところ。」
「どこで!?どこで見たのよフランシス!」
身を乗り出して尋ねるマリー=アンジュ。そんな彼女を母が睨み付けながら叱責する。
「マリー=アンジュ、いい加減になさい!」
「アナ=マリア、少し落ち着きなさい。……それで、どこで見たんだね?フランシス。」
父が代わりに聞いてくれたお陰でマリー=アンジュの質問は掻き消されずに済んだ。
「どこだったっけ?僕、街の名前とか知らないや~。ごめんよ姉さん。」
フランシスの無責任な返答と適当にあしらうような口調にマリー=アンジュはとうとう怒りを抑えられなくなった。彼女は再び席を立つと、向かい側に座るフランシスの所まで行き彼の肩を揺さぶった。
「フランシス!私は真剣に聞いているのよ!ちゃんと思い出して答えなさい!」
「マリー=アンジュ!!」
パシッという鈍い音と共にマリー=アンジュの頬に痛みが走った。
「フランシスは知らないと言っているでしょう!?どうしてあなたはいつもいつも弟を蔑ろにするの!?少しはエミリエンヌを見習って姉らしく振る舞いなさい!」
フランシスを抱きしめながらマリー=アンジュを叱責する母。この展開にはとうに慣れていたが、ロイクの事となるとマリー=アンジュも譲れなかった。
「お母様には関係無いわ!少し黙ってて!フランシス、その街に行った時一緒だった召使は誰?」
フランシスは頼りにならないと思ったマリー=アンジュは弟の召使に尋ねることにした。
「えーっとねぇ……ウスターシュだったと思うよ。」
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