死人は口ほどにモノを言う

黒幕横丁

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0話 キオク

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 真っ黒の室内に雷の音と稲光が照らす、
「もう……やだよぉ……」
 そんな部屋の中で立ち尽くす僕は先ほどの出来事を思い出して涙を流す。
 まだ手にはあの時の感覚が残っていた。
「だい……じょうぶ……だから」
 僕の足元で倒れていたあの子がゆっくり起き上がる。
「……グスッ。本当に?」
 涙で声が裏返っている僕に、彼女は頭を撫でてくれた。
 あれだけ酷いことをしたハズなのに、彼女の表情はその片鱗さえも見せない。
 しかし、首には、くっきりと僕がやった事の重大さが伺えた。
「私、実はね、魔法使いなんだ」
 唐突に彼女がそう言うと、僕をぎゅっと抱きしめた。
「……***ちゃん、魔法使いなの?」
「そうだよ。だから、私が大丈夫って言ったら大丈夫なの。だから、今はこのことを忘れよう?」
 彼女の言葉に、僕は安心して瞼が重くなってきた気がする。
「ん? 眠い?」
 僕自身が体重を支えきれなくなって、彼女にもたれていると、彼女が尋ねる。
「んー、ちょっと眠くなってきた」
「寝ていいよ。そうすれば、こんな怖いこと、全て忘れられるから」
 彼女はぽんぽんと僕の背中を叩いて、僕をドンドン睡魔へと引きずりこんでいく。
「今日のことは、私と君とのヒミツ。誰にも言っちゃダメだよ?」
「……うん……」
「***君はいい子いい子。だから、今はおやすみなさい」
「……う……ん」
「               」
 最後に彼女が何かを囁いた気がするけど、僕は聞き取れないまま、睡魔の海へと沈んだ。

 コレが、僕が犯した最初の犯罪だった。
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