幻影の讃美歌

ごさまる

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第一章

第12話〜 不意に見た表情〜

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「・・ただいま・・遅くなってごめんね・・ゆな」

・・どこを、どう帰って来たか・・やっと家に着いた気がする・・。

ガチャン。       ・・鍵を閉めると同時に玄関にへたれこむ・・とりあえず靴脱ご。
そして這うように・・一目散に、寝室に向かう。

「ゆな~・・今帰ったよ!」って寝てるよね。

私は、ゆなの側へ座り込み、ゆなの寝顔をそっと撫でた。
「・・母さん・・おかえりzzz・・おやすみzz・・」

寝ぼけている、ゆなに、
「母さんは、いつでも、ゆなの味方だからね、母さんが命をかけて、いつでも守るからね!」とささやいた。 

時計を見ると、早朝4時をすぎていた。
・・今日は、そのまま寝ずに仕事に、行くしかないな。よし!朝御飯と自分の弁当作るか!
そのまま起きてるなら、その方が準備いいしね・・。

とりあえず、部屋着に着替えて、そっと寝室から、出た。
「・・ふぅー、ゆなの顔見たらだいぶ落ち着いた・・」
リビングの床に座り込み、しばらくボーッとした。
ふと、左手首のブレスレットに目が向いた・・
「・・今日の出来事・・やっぱり現実なんだ・・今日、仕事しんどいなあ・・」

休もうかと頭によぎる・・でも!わたしが頑張らなきゃ!ゆなの母さんだぞ!今日の出来事は、とりあえず忘れて、普段通りに頑張らなきゃ!!

「よし!始めるか!」

リビングから、立ち上がりキッチンへと向かいエプロンをまく!

トントントン、ジュワ、シャカシャカシャカ。

冷蔵庫の食材で、ちゃっちゃと手際よく作る!

「よし!出来た!弁当に朝御飯♪準備OK!次は、お風呂入らなきゃ!急がなきゃ!」


ガチャン、お風呂からあがり、タオルで髪を吹きながら
「ゆな!起きて!朝練遅刻するよ!」

「・・はっ!?もう、こんな時間だ!先輩に叱られちゃう!?早く準備、準備!」

幸せな時間。大切にしなきゃ!私は、慌ただしく準備する、そんな娘を見て心からそう思った。

「朝御飯♪よそってあるから、ちゃっちゃと食べちゃってね♪」
「はーあい!・・そういえば母さん、昨日は大丈夫だったあ?結構、帰りが遅かったみたいだけど」

一瞬・・ビクッとした。
「あっ!しおりとのお喋りに夢中になっちゃって!ごめんね!夕御飯、一緒に食べれなくて!」

すると、ゆなが、
「別にいいけど。あんまり仕事とか無理しないでよ!体調にも、気をつけてね♪」

「うん♪大丈夫、ありがとう!」

よし!私も仕事の準備しなきゃ!メイク、メイク!

「あ~時間がない!ご馳走さまでした、行ってきまーす!」

「あっ!ゆな、気をつけてね♪行ってらっしゃい♪」

さあ私も仕事に出発だ。

仕事に向かう車の中で・・昨日の、しおりとの会話がよみがえってくる・・。
まさか・・じいじが、裏のリーダーだったなんて。
あんなに、楽しく私とお喋りして、お昼休みも一緒に食べてくれて・・優しいなって思っていたのに・・。

いつも、気にかけてくれていたのに・・・・。

涙があふれでた・・。

「あっ・・朝からメイクが崩れちゃう・・ティッシュ、ティッシュ・・。はあ・・気が重いな・・。どんな顔して、仕事したらいいんだろう・・。
今日一日は・・誰とも話さずに社交辞令で乗りきろう。・・でなきゃ・・もたないや・・。」

こういった日に限って、道がすいていて早めに職場についてしまった。

「まだ、だれも来てないや。ギリギリまで、車内でボーッとしてよっ。」

そういえば、あいつ・・ルシファーって言ってたっけ!?「何物かは、図書館で調べろ」なんて言ってたけど・・本に載るぐらいの奴なのか・・!?
って、今時、図書館じゃなくてググっるっての!
・・それにしても、あいつ、あれ以来出てこないな、やっぱり幻覚だったのかも・・。って事にしとこう。
・・でなきゃ、仕事に集中できないから・・。
 
重い気持ちのまま、車から降りた。

「あっという間にタイムカードの前だ・・当たり前か・・」独り言は、いつもの事だけどね。

あまり、皆に顔会わせたくないから・・誰かくる前に、控え室から早くでて、売り場の朝の掃除してよ。

気をまぎらわせなきゃね・・。

1人でジュエリーケースのガラス拭きをしていると、
「おはようございます」と、次々に出勤してきた。

今日のシフトは、和美以外は出勤だ・・。
・・じいじにも、社交辞令で乗りきろう・・。
あとは、いつものように「1人で」いればいいんだから・・。

しばらくして・・
「グッドモーニング♪優、今日は出勤早いじゃん♪」

いつものように、じいじが、絡んできた・・。

すると一瞬で、全身に武者震いが走った・・。ヤバい、体が戦闘モードだ!・・奴の顔も見れない!

駄目だ!自分で証拠掴むまでは・・「怒りの爪」は、隠さなきゃ!

一瞬でいいのだ、顔も見なくてもいいから、とりあえず・・
「おはようございます・・」

言ったあとは、立ち去るのみ!

すると、すかさず、じいじが言った。

「!?なんか変よぉ?優、具合でも悪いのかぁ?」

じいじは、相変わらずいつもの調子だ・・。

私は、思わず・・
「本当なのかな?・・じいじとチーム女子会の事・・」って思うほど、奴の態度は、いつもと変わらなかった。

私は、無表情で
「・・少し風邪引いたみたい」とだけ言って、その場を後にした。


「・・?」

じいじは、それ以上、何も言わなかった。

しばらくして店長が、珍しく皆を集めた。

「皆さん、少し集まって~」

何だろうと、皆がざわめきながら、店長の前に集まった。

「え~、おはようございます!皆に集まってもらったのは、少しね、報告しなきゃならないことがあります。え~っと、売り上げが非常に悪いです、個人売り上げを意識して、しっかりと数字作っていくように頑張って下さい!それから、今日は、しおりさんは、体調不良の為お休みします。」と店長からの報告だ。


しおり・・体調不良なんだ・・大丈夫だろうか?

チラッと、じいじの顔を見ると、今にも文句が出そうな表情で、こちらを見ていた。
思わず、私と目が合ってしまった、じいじは、あわてて笑顔を作っていた・・。

「さっきの表情が、裏の顔か・・」と確信した。













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