幻影の讃美歌

ごさまる

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第二章

揺れ動く絆②

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張り摘めた空気が今にも張り裂け、皆を突き刺しそうな沈黙が静かに辺りを包み込んだ。

不安げに見つめる優の瞳には、ルシファーの目が、まるで闇夜の湖面に静かに映る月の様に・・、そして一切の哀しみも憂いもなく・・冷たくアザゼルを見つめているルシファーの姿が写っていた。

「・・・・記憶。」

「?!?・・」

張り摘めた空気を切り裂いたのは、ダミアンだった。

「♪・・・・なぁ・・アザゼル?記憶とは時に厄介なモノだ・・。
今こうして・・貴様が目の前で苦しむ姿を見ても・・非情にも昔の記憶が甦る・・。
なぁに・・、悲しむ必要はないさ・・我々は貴様のおかげで「善」である神に我々の「善」を示す事が出来たのだからな・・。」

ダミアンがそこまで話すと、ルシファーが静かに口を開いた。

「ただし・・それは神にとって・・、最も最悪のシナリオだった様だがな・・。」

「・・!?一体何の話をしている・・!?ハァ・・ハァ・・ハァ・・。」

アザゼルが苦しみに顔を歪めながら頭を上げた。

「フン・・、いい加減下手な芝居はよせ?アザゼル・・、その程度の傷、貴様の能力で既に回復しているだろう?」

ルシファーの言葉に、アザゼルの胸の傷に目をやると、焼け落ちた服の下には傷のふさがった白い肌がのぞいていた。

「えっ!?・・」

ダミアンの後ろで様子を見ていた優から、思わず声がこぼれた。

「ハァ・・ハァ・・ハァ・・、いくら魔力回復があるにしてもハァハァ・・こりゃ・・ひでぇって感じだぜ?なぁ・・?ルシファー・・。」

ジャリっと地面を踏む音とともに、アザゼルがゆっくりと立ち上がった。

「でもよ・・?ハァ・・ハァ・・、貴様らが何を勘違いしているのか・・ぼんやりだが見えてきた・・。」

アザゼルは、そう口にすると一瞬で優の背後に回り、その体ごと結界で包み込んだ。






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