幻影の讃美歌

ごさまる

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第三章

〜過去の記憶〜⑯涙〜

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ミカエルの目の前にいるのは、幼き頃から兄弟の様に、辛いときも楽しい時も共に過ごしてきた、紛れもなくアザゼル。
まるで遠い記憶の様に・・ミカエルの心を駆け回った。

「・・本当に・・アザゼルなのか?・・
悪い冗談はよせよ・・!?アザゼル・・。
いい加減・・その物騒なモノ・・おろせよ・・。」

シュッバッッッ!!!!

「!?!?ッ!!」

ツゥゥー・・。

ほんの一瞬だった。
アザゼルが振りかざした剣が、ミカエルの頬をかすめた。

「・・次は・・外さないぜ?ミカエル・・。
俺の質問に・・さっさと答えろ。
お前は・・誰に救われたんだ?・・。」

「・・ハハ・・本気なんだな・・アザゼル・・。」

頬をつたう鮮血は、まるで涙の様に静かに流れ落ちた。

「さっさと答えろっ!」

「・・意識を取り戻した理由なんて・・正直・・俺にもわかんねぇよ・・俺は確実に「あの時」二人とも殺られたと思っていたんだからよ・・。
今でさえ・・信じられねぇって・・感じだ・・。」

「ふ~ン・・言いたくないって訳か・・?」

「!?違うっ!そうじゃねぇっ!本当なんだっ!
俺自身も、訳がわからないんだよっ・・。」

ガクッと足から崩れ落ち、泣き崩れたミカエル。

ドカッッ!!!!

「!?・ハアハア・・や、めろっ!!?」

ミシミシ・・ミシミシ・・。

ミカエルの頭を踏みつけながら、アザゼルはこう言った。

「ハハハっ!もう理由なんて・・どうでもいい。
だが、一つ確かな事・・それはお前が俺の《人間》としての最後を・・《死》を見届けた者。
それ故に・・これからお前は・・俺に殺され・・そして、その魂は・・偉大なる天使神・・七人目の天使神として復活するんだ。」

「!?・・そ、それが・・ハアハア・・ハアハア・・お前らの目的か?・・。」

ミシミシ・・ミシミシ・・。

「く、くそッ・・足をどけろっ・・ハアハアハア・・。
そ、それにだ・・?仮に、ハアハア・・俺の命を奪った所で・・お前に・・ハアハア・・何の見返りがあるってんだ?・・。
・・いい加減・・目を覚ませ・・アザゼル・・!?
お前は・・奴らに利用されてるだけだ・・!!。」

「クックックッ!!利用されてるだけだ?か・・確かにそうかもしれないな・・。
お前を殺し、奴らの仲間が一人増えたところで・・ヨシアが・・妹が・・生き返る訳でもない・・。」

「!?・・だったら、どうして!?」

「・・もう・・どうでもいいんだよ・・
この人界に生きていても・・ヨシアも、もういない・・望みのない人界で死んだように生きるより・・・・魂も肉体も神に捧げ、神々が望む世界を手に入れる・・ただそれだけだ・・。」

スゥゥゥー。

剣を握りしめたアザゼルの右腕が、高くあげられた。

「お前の死は・・けして無駄ではないさ・・。
ハハハ・・お前を誇りに思うよ・・ミカエル。」

「!?!?・・よせっ!!やめろっ!ち、ちくしょうっ!!?ハアハアハアハア・・!!。」

「・・・・じゃあな・・」













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