幻影の讃美歌

ごさまる

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第三章

〜過去の記憶〜⑰声〜

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《フッ・・なにが魂も肉体も・・神へ・・捧げた・・かよ・・。
なら・・そんな神なんて・・俺が・・全て残らず・・狩り取ってやるよ・・・・。
俺が・・俺が・・全て・・消してやる・・》

ミカエルは心の中で、そう静かに呟いた。

すると誰かを呼んでいるのか、幼き女の子の声が頭に響いた。

《・・・・お~の声が聞こえるか・・?》

《誰だ・・?あんたは・・?》

《!?・・アハッ♪性質会話、出来そうだな・・。》

《奴らの・・仲間か・・?》

《・・アハッ♪・・やっと落ち着いて話が出来そうだな・・。
奴らの仲間・・?
・・お~は、奴らに無残に殺された、気高く・・そして尊い動物達の・・魂が寄り集まって出来た・・「闇」なのだ・・。》

《・・動物達の「闇」だと?》

《・・アハッ♪そうとも・・「闇」だ。
皆、純粋に生きていた・・ただひたすら純粋に・・。
だがある日・・神々の一言で全てが一変した。
この世界を、一から作り直す為に・・我々は邪魔だと・・。
我々は、生きる為に必要な分だけを口にし、やがて・・必ず訪れる、己の死に向かい・・ただ純粋に生きてきた・・。
それなのに・・物言わぬ我々を・・神々は虐殺した。
・・皆殺しだ・・。》

《・・・・・戦うつもりなのか?神を相手に。》

《神・・だと?いいか忘れるな・・いつの世も「善」と呼ばれる者が「悪」を産む・・。
そしてお前は選択した・・。
我々と共に・・奴らより先に「主」を・・「真の闇の主」を見つけ出し、奴らを狩るのだ・・。》

《真の闇の主・・?って・・奴らの言う「主」の事か?》

《・・アハッ♪そうとも・・。
元々は、我々が代々大切に守り隠していた・・。だが我々が殺された事で「真の闇の主」の力は不安定になり、この世界に迷い混んだ・・。
それをいいことに、天使神達はこの時の為に、人間を騙し、預け、育った器・・そう、ヨシアを回収し・・真の闇の力を手に入れ・・世界を支配すると・・。
だが、我々はそれに気付き、精霊である麒麟を使い、器であるヨシアを見守っていた・・。
我々は、器であるヨシアを《浄化》する必要があった・・。》

《・・浄化するって・・!?どうやって!?》

《天使神達は、あたかも麒麟の背から落ち、怪我をした様に見せかけ、後日・・薬屋に化け近づき・・眠らせ・・ヨシアを回収する手筈だった・・。
だが・・麒麟は奴らに悟られぬよう、お前達二人にヨシアの治療と称し聖地へ向かい・・死者の世界を支配する《ハデス》に、器であるヨシアを浄化し・・消滅させる計画だった・・。
・・だが・・聖地の前で・・襲撃された。
・・その後の続きは・・もうわかるな?・・。》

《・・くそッ!!・・。
話しは・・とりあえず理解した・・。
・・だが・・?あんた達は・・なぜ天使神の計画を・・事前に知っていたんだよ!?》

《・・我々は、地上で生きている動物全てと性質会話が出来る・・。
小鳥や野ネズミに聞けば簡単だ・・
まぁ・・天使神や人間には出来ない事だ・・》




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