幻影の讃美歌

ごさまる

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第三章

〜第34話〜裏言葉〜

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取り乱すセイラの肩に、そっと手を起き、うつ向いたままルシファーは、話し始めた。

「・・《次》は、来ぬ・・許せ、セイラ・・。」

「🖤・・ルシファー様・・。」

「♪      皆も、落ち着くのだ・・。
今ここで、仲間割れした所で奴らの思うツボ・・。
かき乱された分、今度は、こっちが反撃する。」

力強く、首斬りカマを握りしめ、ダミアンは、皆に向かって言った。

その時!!!

「☆・・・・ル・・ルシファー・・いや・・ミカ・・ハアハアハアァァ・・。」

今にも消えて無くなりそうな、小さな声でアザゼルが意識を取り戻した。

「♪     ルシファー!!奴の意識が戻ったぞっ!!!
しぶとい奴めっ!!!」

ブンッッッ!!!!ガシャンッッッ!!!!!!!!

ダミアンは、首斬りカマを、思いっきり振りかざすと、アザゼルめがけ振り下ろした。

「ダミアン・・やめてっ!!!!」

ピタッッ!!

「♪・・何故・・何故・・止めるのだ・・優ぅっ!」

「彼は・・遥か昔の・・貴方達が知っている開戦で、既に封印されて今は存在していないの・・。
さっきから、あれ程話したじゃないダミアン!!
今のアザゼルは・・ただの・・幻・・。
あなた方の言う・・大天使ミカエルの聖術よ・・。」

「♪  だが・・っ!」

「アザゼルは・・もう・《解放》されたの・・。」

「・・・・・・?」

「🖤・・解放・・・?」

「解放って・・いったい?」

「・・真の闇の主が、ミカエルの聖術から、解放してくれたの・・。
もし・・ルシファーがアザゼルの首を切り落としたとしても・・アザゼルの念は、ミカエルに縛られたまま・・。
その強い聖術から、解放出来るのは・・きっと・・真の闇の主だけ・・。」

優の言葉に、動揺する皆。
すると、横たわるアザゼルのその右手は、震えながら動き始め、ゆっくり天を指差した。

「・・ハアハアハアァァ・・。
そろそろ・・アイツが・・ハアハア・・戻ってくる頃だ・・?
や・・約束したハアハア・・赤ワインを・・準備してなきゃな・・ハアハアハア・・。
帰ってきたら・・乾杯するんだ・・・。
一緒に・・・・。
なぁ・・・・ミカエル・・。」

ドサッっ!!!

天を指差した腕が、力無く倒れアザゼルの身体は、みるみる内にドロドロと溶け始めた。

「皆っ!!!アザゼルから、離れろっ!!!」

ルシファーが叫ぶと、その場から飛び離れた。

ドロドロと溶け始めたアザゼルの身体からは、同時に有毒な煙が立ちこめた。

「吸い込むと、痺れて・・気付いた時は、魔素が奪われている。」

ハデスは、瞬時に優を抱き抱え、煙の届かない安全な場所へ飛んだ。

「ハデス・・ルシファーの所へ飛んで欲しいの・・。」

「あぁ・・了解した。」

バシュッッ!!

再びハデスは、ルシファー達が避難した場合へ飛ぶ。

「ルシファー様。」

「皆、揃ったな。」

優は、ルシファーの側へ駆け寄る。

「ルシファー・・?あのね・・アザゼルの最後の言葉・・あれは・・きっとアザゼルの本当の・・」

と優が言いかけた時、それをさえぎるように、ルシファーは呟いた。

「わかっている・・。
故に・・これ以上・・何も語るな・・。」

「ルシファー・・。」

ドロドロと溶け、有毒な煙と共に姿形が変わり、面影さえも無くなりそうなアザゼル。
その様子を、無表情のまま見つめるルシファー。

ジュワジュワジュワ・・シュウュウドロドロ・・。

「・・・俺の名を・・唯一呼べる友だった・・。」

ルシファーは、そう静かに呟くと、アザゼルの元へ歩きだした。

「ルシファーっ!!?」

思わず止める優。

「よせっ!!!」

ハデスは、そんな優を引き留めた。

シュウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ・・。

アザゼルの身体は消え、魔素も完全に《消滅》。
黒い灰のような人影は、そこに横たわっていたアザゼルを思わせた。
ルシファーは、その場にしゃがみこみ、無言のままアザゼルが倒れていた場所を見つめていた。

すると、地面から文字が浮かび上がってきた。

スーーッ・・ッ・・。

「・・・・・・!?っ!」

《明けの明星・・貴様を神の光にて浄化する・・》

それは、ミカエルからルシファーへの宣戦布告だった。

ドカッッッ!!!!

思いっきり拳を文字の上に叩きつけ、ルシファーは、呟いた。

「次は・・貴様が裁かれる番だ・・待っていろ。」















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