幻影の讃美歌

ごさまる

文字の大きさ
91 / 118
第三章

〜第34話〜裏言葉〜

しおりを挟む
取り乱すセイラの肩に、そっと手を起き、うつ向いたままルシファーは、話し始めた。

「・・《次》は、来ぬ・・許せ、セイラ・・。」

「🖤・・ルシファー様・・。」

「♪      皆も、落ち着くのだ・・。
今ここで、仲間割れした所で奴らの思うツボ・・。
かき乱された分、今度は、こっちが反撃する。」

力強く、首斬りカマを握りしめ、ダミアンは、皆に向かって言った。

その時!!!

「☆・・・・ル・・ルシファー・・いや・・ミカ・・ハアハアハアァァ・・。」

今にも消えて無くなりそうな、小さな声でアザゼルが意識を取り戻した。

「♪     ルシファー!!奴の意識が戻ったぞっ!!!
しぶとい奴めっ!!!」

ブンッッッ!!!!ガシャンッッッ!!!!!!!!

ダミアンは、首斬りカマを、思いっきり振りかざすと、アザゼルめがけ振り下ろした。

「ダミアン・・やめてっ!!!!」

ピタッッ!!

「♪・・何故・・何故・・止めるのだ・・優ぅっ!」

「彼は・・遥か昔の・・貴方達が知っている開戦で、既に封印されて今は存在していないの・・。
さっきから、あれ程話したじゃないダミアン!!
今のアザゼルは・・ただの・・幻・・。
あなた方の言う・・大天使ミカエルの聖術よ・・。」

「♪  だが・・っ!」

「アザゼルは・・もう・《解放》されたの・・。」

「・・・・・・?」

「🖤・・解放・・・?」

「解放って・・いったい?」

「・・真の闇の主が、ミカエルの聖術から、解放してくれたの・・。
もし・・ルシファーがアザゼルの首を切り落としたとしても・・アザゼルの念は、ミカエルに縛られたまま・・。
その強い聖術から、解放出来るのは・・きっと・・真の闇の主だけ・・。」

優の言葉に、動揺する皆。
すると、横たわるアザゼルのその右手は、震えながら動き始め、ゆっくり天を指差した。

「・・ハアハアハアァァ・・。
そろそろ・・アイツが・・ハアハア・・戻ってくる頃だ・・?
や・・約束したハアハア・・赤ワインを・・準備してなきゃな・・ハアハアハア・・。
帰ってきたら・・乾杯するんだ・・・。
一緒に・・・・。
なぁ・・・・ミカエル・・。」

ドサッっ!!!

天を指差した腕が、力無く倒れアザゼルの身体は、みるみる内にドロドロと溶け始めた。

「皆っ!!!アザゼルから、離れろっ!!!」

ルシファーが叫ぶと、その場から飛び離れた。

ドロドロと溶け始めたアザゼルの身体からは、同時に有毒な煙が立ちこめた。

「吸い込むと、痺れて・・気付いた時は、魔素が奪われている。」

ハデスは、瞬時に優を抱き抱え、煙の届かない安全な場所へ飛んだ。

「ハデス・・ルシファーの所へ飛んで欲しいの・・。」

「あぁ・・了解した。」

バシュッッ!!

再びハデスは、ルシファー達が避難した場合へ飛ぶ。

「ルシファー様。」

「皆、揃ったな。」

優は、ルシファーの側へ駆け寄る。

「ルシファー・・?あのね・・アザゼルの最後の言葉・・あれは・・きっとアザゼルの本当の・・」

と優が言いかけた時、それをさえぎるように、ルシファーは呟いた。

「わかっている・・。
故に・・これ以上・・何も語るな・・。」

「ルシファー・・。」

ドロドロと溶け、有毒な煙と共に姿形が変わり、面影さえも無くなりそうなアザゼル。
その様子を、無表情のまま見つめるルシファー。

ジュワジュワジュワ・・シュウュウドロドロ・・。

「・・・俺の名を・・唯一呼べる友だった・・。」

ルシファーは、そう静かに呟くと、アザゼルの元へ歩きだした。

「ルシファーっ!!?」

思わず止める優。

「よせっ!!!」

ハデスは、そんな優を引き留めた。

シュウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ・・。

アザゼルの身体は消え、魔素も完全に《消滅》。
黒い灰のような人影は、そこに横たわっていたアザゼルを思わせた。
ルシファーは、その場にしゃがみこみ、無言のままアザゼルが倒れていた場所を見つめていた。

すると、地面から文字が浮かび上がってきた。

スーーッ・・ッ・・。

「・・・・・・!?っ!」

《明けの明星・・貴様を神の光にて浄化する・・》

それは、ミカエルからルシファーへの宣戦布告だった。

ドカッッッ!!!!

思いっきり拳を文字の上に叩きつけ、ルシファーは、呟いた。

「次は・・貴様が裁かれる番だ・・待っていろ。」















しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

追放されたS級清掃員、配信切り忘れで伝説になる 「ただのゴミ掃除」と言って神話級ドラゴンを消し飛ばしていたら世界中がパニックになってますが?

あとりえむ
ファンタジー
【5話ごとのサクッと読める構成です!】 世界を救ったのは、聖剣ではなく「洗剤」でした。 「君のやり方は古いんだよ」 不当な理由でS級クランを追放された、ベテラン清掃員・灰坂ソウジ(38歳)。 職を失った彼だったが、実は彼にはとんでもない秘密があった。 呪いのゴーグルのせいで、あらゆる怪物が「汚れ」にしか見えないのだ。 ・神話級ドラゴン  ⇒ 換気扇の頑固な油汚れ(洗剤で瞬殺) ・深淵の邪神  ⇒ トイレの配管詰まり(スッポンで解決) ・次元の裂け目  ⇒ 天井の雨漏りシミ(洗濯機で丸洗い) 「あー、ここ汚れてるな。チャチャッと落としておくか」 本人はただ業務として掃除をしているだけなのに、その姿は世界中で配信され、人類最強の英雄として崇められていく! 可愛い元ダンジョン・コアや、潔癖症の聖女も入社し、会社は今日も大忙し。 一方、彼を追放した元クランは、汚れ(モンスター)に埋もれて破滅寸前で……? 「地球が汚れてる? じゃあ、一回丸洗いしますか」 最強の清掃員が、モップ片手に世界をピカピカにする、痛快・勘違い無双ファンタジー! 【免責事項】 この物語はフィクションです。実在の人物・団体とは関係ありません。 ※こちらの作品は、カクヨムと小説家になろうでも公開しています。

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

鬼の兵法伝承者、異世界に転世せしむる

書仙凡人
ファンタジー
俺の名は桜木小次郎。 鬼一法眼を祖とする鬼一兵法の令和の伝承者。 だがある時、なぜか突然死してしまったのだ。 その時、自称神様の変なペンギンが現れて、ファンタジー世界の転生を持ちかけられた。 俺はヤケになって転生受け入れたら、とんでもない素性の奴にログインする事になったのである。 ログイン先は滅亡した国の王子で、従者に毒盛られて殺されたばかり。 なにこれ? クーリングオフねぇのかよ!

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

地上最強ヤンキーの転生先は底辺魔力の下級貴族だった件

フランジュ
ファンタジー
地区最強のヤンキー・北条慎吾は死後、不思議な力で転生する。 だが転生先は底辺魔力の下級貴族だった!? 体も弱く、魔力も低いアルフィス・ハートルとして生まれ変わった北条慎吾は気合と根性で魔力差をひっくり返し、この世界で最強と言われる"火の王"に挑むため成長を遂げていく。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

アリエッタ幼女、スラムからの華麗なる転身

にゃんすき
ファンタジー
冒頭からいきなり主人公のアリエッタが大きな男に攫われて、前世の記憶を思い出し、逃げる所から物語が始まります。  姉妹で力を合わせて幸せを掴み取るストーリーになる、予定です。

処理中です...