6人目の魔女

Yakijyake

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第四十四話 あるべき場所

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一週間たって、ようやく落ち着いてきた気がする。どちらにせよ、今日は落ち込んでいる暇なんてない。今日は私にとって、いや、私たちにとって大切な日だから。
  時間的にそろそろ来てもおかしくない、そう思っていた頃に外からエンジンの音が聞こえた。音を聞いて私は玄関のドアを開けて迎えに行った。
 「運転お疲れ様です、フリッツさん」
 「ああ、やっぱりここは遠いな。片付けはもう終わったのか。言えば手伝いに来たのに」
 少し不満げな顔をしながら言葉を漏らした。手伝ってほしいなんて言えば来てしまうと思って敢えて言わなかったことは胸中にとどめた。
 「こんにちはベレッタ。調子はどうですか?」
 隣の席からカトリナさんも降りてきた。
 「ええ、お陰様で。それよりどうぞ中へ」
 この数日間で家の片づけはしたが、なるべく前の形は崩さないようにした。ここにあるものはすべてあるべき場所がある。それがただ、前と同じ場所だっただけのこと。あのテーブルも、椅子も、全部この場所じゃないといけない。いまだに自分の家、という実感が持てず勝手に動かすのも申し訳なく感じてしまう。
 フリッツさん曰く、中に入るのは初めてらしい。確かに私もここにいた間、フリッツさんたちを見た記憶はない。
 突然読んでしまって少し申し訳ないが、もちろんこの日に呼んだのには理由がある。私は買い物へ行くために二人を家に残して町へ出かけた。

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