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「でも離れても意味はなかったな。会いたいってずっと思ってたから」
「よく言うよ。なしのつぶてだったくせに。蘇家に行ったら、おれのことなんてどうでもよくなったんだろ」
責める言葉はひどくあまく敏栄の耳に本当に響いた。酔った永和は口調がいつもよりゆるい感じで、もっと声を聞きたくなる。
「それはだって、俺の弱みを握られるわけにはいかなかったからさ。俺だけが狙われるのはいいけど、お前にとばっちりが行くのはまずいだろ」
そう言い聞かせて永和の肩を抱き寄せたると、抵抗なく腕の中におさまってくる。
「あー、しまった。せっかくだからもっといい宿に泊まっておけばよかったな」
どうして普通の宿にしたんだろう。もう貴公子を気取らなくていいいと安心したせいだが、永和と泊まるんだから最上級の宿にすればよかった。
「もっといい宿に移ろうか?」
「べつにここでいい」
酒を飲むと眠くなる質の永和はとろんとした目で敏栄を見つめた。さっき泊まらないと言ったことは忘れているらしい。
「高級な宿になると絹の布団になるだろ? あれ冷たいから好きじゃないんだ」
寝台の素材が気に入らないとふくれる様子は、まったく敏栄を意識していない。永和らしいと思えばいいのか、がっかりすればいいのか。
敏栄は苦笑してそっと永和に口づけた。しばらく唇を押しあてても永和はじっとしていた。
ドキドキしながら離れてみたら、永和はぼんやりとしたまま少し首を傾げた。
「嫌だったか?」
「そうでもない、ような?」
恐る恐る訊ねたら、真剣な顔になって吟味しているのがおかしい。
「じゃあ、もう一回してもいい?」
永和はまだ首を傾げている。
前回は衝動的に行動して、抵抗されても止められなかった。とうとう押し倒したら巫術で吹っ飛ばされたのだ。その後、永和は目も合わせてくれなくなった。
今回はしくじるわけにいかない。敏栄は慎重に事を進めるつもりだった。
「お前、本気でおれが好きなの?」
「好きだよ」
「なんで? お前の回りにはいつも女の子たちがいただろ?」
「女の子は好きだよ、かわいいし見ていて華やかだし。でも俺がずっと一緒にいたい、誰にも渡したくないって思うのは永和なんだ」
そう言って、敏栄はもう一度永和に口づけた。今度は舌先で唇をつついて、開いてくれるように促す。そっと開いた唇に舌を滑り込ませ、永和の舌を絡めとる。
互いの口蓋をなめあうとぞくりと背筋が震えた。ドキドキしながら背中に腕を回して抱き寄せる。
まずいな。めちゃめちゃ興奮してる。永和はどうなんだ?
敏栄は抵抗されないか慎重に確認しながら長椅子に押し倒した。
永和は息が苦しいのか「ん」と鼻にかかった吐息をもらす。それがやけに艶めいて聞こえて、敏栄の興奮を煽った。
何度も小さく口づけながら永和の道服をくつろげる。細身に見えてもしっかり鍛えられた肩や胸には筋肉がついていて、滑らかに張りのある上半身を目にして敏栄はさらに気持ちが上がった。
「好きだよ、永和。すごくきれいな体だな」
「そんなこと言わなくていい」
永和は酔いのせいだけでなく耳まで赤くなって睨みつけた。
「だってほんとのことだし。十代の永和はすごくかわいかったけど、顔も体もこんな俺好みに育ってるとかうれしいに決まってるだろ」
永和はあっけに取られた顔になりそっぽを向く。
「よく言うよ。なしのつぶてだったくせに。蘇家に行ったら、おれのことなんてどうでもよくなったんだろ」
責める言葉はひどくあまく敏栄の耳に本当に響いた。酔った永和は口調がいつもよりゆるい感じで、もっと声を聞きたくなる。
「それはだって、俺の弱みを握られるわけにはいかなかったからさ。俺だけが狙われるのはいいけど、お前にとばっちりが行くのはまずいだろ」
そう言い聞かせて永和の肩を抱き寄せたると、抵抗なく腕の中におさまってくる。
「あー、しまった。せっかくだからもっといい宿に泊まっておけばよかったな」
どうして普通の宿にしたんだろう。もう貴公子を気取らなくていいいと安心したせいだが、永和と泊まるんだから最上級の宿にすればよかった。
「もっといい宿に移ろうか?」
「べつにここでいい」
酒を飲むと眠くなる質の永和はとろんとした目で敏栄を見つめた。さっき泊まらないと言ったことは忘れているらしい。
「高級な宿になると絹の布団になるだろ? あれ冷たいから好きじゃないんだ」
寝台の素材が気に入らないとふくれる様子は、まったく敏栄を意識していない。永和らしいと思えばいいのか、がっかりすればいいのか。
敏栄は苦笑してそっと永和に口づけた。しばらく唇を押しあてても永和はじっとしていた。
ドキドキしながら離れてみたら、永和はぼんやりとしたまま少し首を傾げた。
「嫌だったか?」
「そうでもない、ような?」
恐る恐る訊ねたら、真剣な顔になって吟味しているのがおかしい。
「じゃあ、もう一回してもいい?」
永和はまだ首を傾げている。
前回は衝動的に行動して、抵抗されても止められなかった。とうとう押し倒したら巫術で吹っ飛ばされたのだ。その後、永和は目も合わせてくれなくなった。
今回はしくじるわけにいかない。敏栄は慎重に事を進めるつもりだった。
「お前、本気でおれが好きなの?」
「好きだよ」
「なんで? お前の回りにはいつも女の子たちがいただろ?」
「女の子は好きだよ、かわいいし見ていて華やかだし。でも俺がずっと一緒にいたい、誰にも渡したくないって思うのは永和なんだ」
そう言って、敏栄はもう一度永和に口づけた。今度は舌先で唇をつついて、開いてくれるように促す。そっと開いた唇に舌を滑り込ませ、永和の舌を絡めとる。
互いの口蓋をなめあうとぞくりと背筋が震えた。ドキドキしながら背中に腕を回して抱き寄せる。
まずいな。めちゃめちゃ興奮してる。永和はどうなんだ?
敏栄は抵抗されないか慎重に確認しながら長椅子に押し倒した。
永和は息が苦しいのか「ん」と鼻にかかった吐息をもらす。それがやけに艶めいて聞こえて、敏栄の興奮を煽った。
何度も小さく口づけながら永和の道服をくつろげる。細身に見えてもしっかり鍛えられた肩や胸には筋肉がついていて、滑らかに張りのある上半身を目にして敏栄はさらに気持ちが上がった。
「好きだよ、永和。すごくきれいな体だな」
「そんなこと言わなくていい」
永和は酔いのせいだけでなく耳まで赤くなって睨みつけた。
「だってほんとのことだし。十代の永和はすごくかわいかったけど、顔も体もこんな俺好みに育ってるとかうれしいに決まってるだろ」
永和はあっけに取られた顔になりそっぽを向く。
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