いつまでもここにいて 改訂版

ゆまは なお

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「ガルダ、イノマタアオバに手を出すなよ」
「どういう意味だ? 俺はガキには興味ないぞ」
 廊下に出たところで、リュカはガルダに釘を刺した。
「わかっている。でもお前には先に教えておくが、イノマタアオバは俺の番だ」
 断言したリュカに面白そうにガルダは眉を上げた。
「勘違いじゃないのか? どうしてそう思う?」
「直感としか言いようがないが、タトゥが出たし、心話が通じる」
 心話を話せるものは少ないが、話せる場合は誰が相手でも話せるものだ。碧馬のように特定の相手にだけ通じるものではない。
 そして運命の番に出会えた時に出るというタトゥが右肩に浮かんだ。自分自身でも初めて目にしたそれは馬の形をしていた。
「まだ弱いが香りもする」
 微かだけれどΩのあまい香りが確かにあった。
「そうなのか?」
 ガルダは驚いた顔で首を傾げた。
「運命の番が異世界人ってこともあるのか」
「ああ、俺も驚いた。でもアオバを見たときから、胸の中がざわざわするんだ」
「でもあの子、まだ子供だろ?」
「いや、十七歳って言ってた」
「は? 十七歳? もう成人してるのか」
 ガルダが目を見開く。
 成人年齢は十六歳だが、碧馬は十三、四歳に見えた。
「いや、成人はまだらしい、アオバの世界では」
 自警団に来るまでの道で、リュカはいくつかの質問をしてみたのだ。
「おまけに、あの子には自分がΩだという自覚がない」
「は? 自分の性を知らんのか?」
「というよりも、どうやら男女の区別しかない世界らしい」
 ガルダは眉を寄せて訝しげにリュカを見た。
「男女の区別だけ? α、β、Ωがいないのか?」
「そうらしい」
 ガルダの困惑した様子に、リュカもうなずいた。
「でもあの子、Ωの気配がしたんだろ?」
「ああ、気をつけてやらないと。発情期はまだらしい」
 リュカはここへ来るまでに森の中で交わした会話をガルダに伝えた。
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