いつまでもここにいて 改訂版

ゆまは なお

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 それから半年後、碧馬は妊娠した。
 何もかもが未知の体験で、一体どうなるんだろうとものすごく不安だったが、リュカがいつもそばにいて励ましてくれた。
 妊娠期間三ヵ月ほどで子供は無事に生まれた。
 生まれたばかりの小さなケンタウルスを渡されて、いつの間にか涙があふれていた。
 日本で普通の高校生だった自分が男性と、しかも人でもない種族と恋愛して結婚して、子供を生む日が来るなんて。
 ぎゅうぎゅうと抱きしめてくるリュカの腕の中で碧馬はうれしくて泣き笑いする。
「アオバ、元気な男の子だ」
「うん、よかった」
「無事に生んでくれて、本当にありがとう」
 出産直後はケンタウルスの姿だろうと教えてもらっていたが、その通りだった。
「ヒト型を取れるようになるのは半年後以降だろうな」
 生まれてきた子供はリュカそっくりの髪の色と目の色で、ぷるぷると震える脚で必死に立とうとする姿がとてつもなく可愛かった。

 子供はマッティアと名付けられ、αだろうとリュカは言う。
 Ωだったら色々と面倒だと今では碧馬も理解しているので、αだったことにほっとした。
 もうすぐ二才になるマッティアはいたずら盛りで、碧馬を困らせることも多いがママが大好きで、毎晩「一緒に寝てね」と小さな手で碧馬の手をきゅっと掴む。
 つないだ手の温もりを感じながら、碧馬は幸せで胸の中がほこほこになる。

 そしてマッティアが眠ると、今度は大きなケンタウルスが碧馬の腕を掴んでくる。
 力強い腕に抱きしめられて、碧馬はやはり幸せで微笑む。
 出会ってもう三年が過ぎるのにリュカは相変わらず碧馬一筋で、いつだって素直に愛情を表現してくれる。髪を撫でてキスをして「大好きだよ」と囁く。
 その愛情に支えられて、碧馬は異世界での生活を乗り越えてきたのだ。
「アオバはすごいな」
「何が?」
「まったく違う世界から来て、三年で言葉も覚えて俺の番になって子供まで生んでくれて。アオバ、本当にありがとう」
「俺のほうこそ、リュカに見つけてもらえて本当によかった」
 口づけあったら、体が熱くなるのはあっと言う間だ。
 リュカの重みを受けとめて、碧馬はふわふわと温かな気持ちで目を閉じた。


 完
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