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「番同士以外は発情期でもかすかに感じる程度だから平気だ」
「そうなの?」
こんなに部屋中、甘くたちこめている香りが他人にはわからないなんて不思議だった。
「と言ってもαにはわかるし、嗅覚の鋭い熊族とかも。だから気を付けないといけない」
森の中でしょっぱなに熊族に襲われかけたことを思い出す。
それに今日のことも。
あの男たちはαで、碧馬の発情した匂いに引き寄せられたのだ。
本当にあの場にリュカが来てくれなかったら今頃どうなっていただろう? それを想像すると恐怖で体がこわばる。
リュカが怖いことを思い出したのを忘れさせるようなキスをしてきた。息もできないくらい深く深く口づけて、唇を離すと真摯な表情になった。
「次はここを噛んでもいいか?」
首筋をやさしく撫でながら、リュカが問いかけた。
湯を浴びるときに外したので、首には何も着けていない。
それが番としての求婚の言葉だと、碧馬もすでに知っている。
「うん、いいよ」
「本当に?」
いいよと言ったのに、リュカはちょっと驚いた顔になる。
「俺もリュカが好きだよ」
「俺と結婚してくれるのか?」
「……うん」
自分が男からプロポーズを受ける日が来るとは想像したこともなかったが、そうはっきり言われて嬉しかった。
「ここで俺と一緒に暮らしてくれるか?」
「うん」
「ずっと?」
「うん」
「日本には戻れなくても?」
「うん」
答えた途端に強く抱きしめられて、本当に訊きたかったのは最後の質問だったのだとわかった。
ここで暮らすうちに、なんとなく気がついていたことだった。たぶんもう、元いた世界には帰れない。もしかしたら、最初に教えてもらった通り、大きな街まで行って魔導師や占星術師なら帰れる方法があるのかもしれない。
でもリュカが毎日会いに来てくれて、彼の気持ちに触れるうちに、ずっと側にいたいと思うようになっていた。
もう戻らないと口にするのは勇気がいることだったけれど、リュカがいてくれるならここで頑張ろうという気力も湧いてくる。
リュカを好きになっても相手はケンタウルスだから思いが叶うことはないと思っていたのに、リュカも自分を好きだと言ってくれて、こうして抱き合うことができるなんて夢にも思っていなかった。
「ここにいるよ、リュカの側に俺もいたい」
「……よかった」
心から安堵した顔で、リュカは碧馬に口づけた。
「そうなの?」
こんなに部屋中、甘くたちこめている香りが他人にはわからないなんて不思議だった。
「と言ってもαにはわかるし、嗅覚の鋭い熊族とかも。だから気を付けないといけない」
森の中でしょっぱなに熊族に襲われかけたことを思い出す。
それに今日のことも。
あの男たちはαで、碧馬の発情した匂いに引き寄せられたのだ。
本当にあの場にリュカが来てくれなかったら今頃どうなっていただろう? それを想像すると恐怖で体がこわばる。
リュカが怖いことを思い出したのを忘れさせるようなキスをしてきた。息もできないくらい深く深く口づけて、唇を離すと真摯な表情になった。
「次はここを噛んでもいいか?」
首筋をやさしく撫でながら、リュカが問いかけた。
湯を浴びるときに外したので、首には何も着けていない。
それが番としての求婚の言葉だと、碧馬もすでに知っている。
「うん、いいよ」
「本当に?」
いいよと言ったのに、リュカはちょっと驚いた顔になる。
「俺もリュカが好きだよ」
「俺と結婚してくれるのか?」
「……うん」
自分が男からプロポーズを受ける日が来るとは想像したこともなかったが、そうはっきり言われて嬉しかった。
「ここで俺と一緒に暮らしてくれるか?」
「うん」
「ずっと?」
「うん」
「日本には戻れなくても?」
「うん」
答えた途端に強く抱きしめられて、本当に訊きたかったのは最後の質問だったのだとわかった。
ここで暮らすうちに、なんとなく気がついていたことだった。たぶんもう、元いた世界には帰れない。もしかしたら、最初に教えてもらった通り、大きな街まで行って魔導師や占星術師なら帰れる方法があるのかもしれない。
でもリュカが毎日会いに来てくれて、彼の気持ちに触れるうちに、ずっと側にいたいと思うようになっていた。
もう戻らないと口にするのは勇気がいることだったけれど、リュカがいてくれるならここで頑張ろうという気力も湧いてくる。
リュカを好きになっても相手はケンタウルスだから思いが叶うことはないと思っていたのに、リュカも自分を好きだと言ってくれて、こうして抱き合うことができるなんて夢にも思っていなかった。
「ここにいるよ、リュカの側に俺もいたい」
「……よかった」
心から安堵した顔で、リュカは碧馬に口づけた。
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