北欧フィンランド オーロラの下で

Peony

文字の大きさ
10 / 22

オーロラフォーキャスト

しおりを挟む
昨夜はフィンランド各地でオーロラが観測できたらしく、Twitterのタイムラインは今もオーロラの写真で賑わっている。

私が住んでいる地域では、毎冬3~5回くらいは観測できるようだ。
しかし、出現した時に毎回見ることができているかというとそうではなく、実際見逃すことの方が多い。
その理由は
1. 住宅街では街灯の明かりがあるためオーロラが出ていても見えにくい
2. 起きている時間帯に出現するとは限らない
3. オーロラは生き物のようなものなので、出現の情報をリアルタイムで入手しなければならない


オーロラの情報をリアルタイムで入手するため、最近スマホに「Aurora Now」というアプリを入れてみた。
このアプリは、オーロラが出現する可能性の高い時に知らせてくれる機能の他、太陽風のデータやKpインデックスといった数値をリアルタイムで表示する機能を備えている。
また、オーロラの現在位置チェックできるため、それを見ながら出現確率を予測し、出現時に備えることができる。

ただ数値上オーロラが出現レベルに達していても、いろいろな条件から地上からは見えないことも多い。
やっぱり一番正確で頼りになるのは、オーロラ写真家の方々がTwitterで発信する情報や、いつも夜中に犬の散歩をしている上司からのSMSだったりする。


私自身はこれまでに7、8回オーロラを見る機会に恵まれた。
今住んでいる場所では2回。
残りは、フィンランドの最北の空港があるイヴァロという街を訪れた時と、サンタクロース村のあるRovaniemiにほど近いスキーリゾートのあるサーリセルカを訪れた時、そして、サーリセルカからノルウェーのノードカップを目指してドライブした帰りに、ノルウェーとフィンランドの国境付近を走っていた時。


私が経験した一番大きなオーロラは、イヴァロのコテージに泊まっていた時に遭遇したもの。
夕食を済ませ、食堂のあるメインコテージから外に出た瞬間、風のような音と共に突然巨大な緑色の光が空から降ってきた。
驚きのあまり、最初何が起こったのか理解ができなかった。

緑色の光は形を変えながら、上空からまさに「降りかかってくる」感じだった。
あまりの迫りくる迫力に、恐ろしさを覚えたほどだ。
しばらくすると、光は穏やかになり、上空をひらひらと舞うように湖の方へ向かっていった。
オーロラを追いかけて、コテージの裏手の凍ったイナリ湖へ向かう。
イナリ湖はかなり大きな湖で、視界を遮るものが何もない。邪魔な明かりも一切ない。
湖の上空を見上げると、巨大な緑色のカーテンが右側と左側に一つずつゆらめいていた。
時折、カーテンの裾が"ひらひらひらっ"と素早くはためく時があり、はためいた裾の部分だけピンクや紫色に色が変化する。

巨大なオーロラが消えるまで、時間にして20分くらいだっただろうか。
極度の寒さで実際よりも時間が長く感じられたはずだが、それに反してオーロラを見ていた時間はとても短く感じられた。


ノードカップからの帰り道に遭遇したオーロラも衝撃的だった。
車のフロントガラスいっぱいにオーロラが出現して、私たちはオーロラを追いかける形で車を走らせた。
時々、写真を撮るために車を路肩に止め外に出るが、その時の車の温度計によると、気温はマイナス33度。
しかも、海沿いで強風が吹き荒れていて、体感温度はさらに低い。
外に立っているのは15秒が限界。
それでも、こんなチャンスはめったにないとカメラを車の外にセットし、私たちは15秒ごとに車内に戻ってはまた外に出てを繰り返し写真を撮った。

最近は映像技術も発達して、世界のどこにいても、実際に見ているものとほぼ同じオーロラの映像を見ることが可能だ。
でもマイナス33度を体感しながら見るオーロラや、頭上からものすごい勢いで光が襲い掛かってくる感じを映像で伝えることは難しい。

機会があったらぜひ、ご自身で実際にオーロラを体験することをおすすめする。


つづく・・



しおりを挟む
感想 17

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【読者賞】江戸の飯屋『やわらぎ亭』〜元武家娘が一膳でほぐす人と心〜

旅する書斎(☆ほしい)
歴史・時代
【第11回歴史・時代小説大賞 読者賞(読者投票1位)受賞】 文化文政の江戸・深川。 人知れず佇む一軒の飯屋――『やわらぎ亭』。 暖簾を掲げるのは、元武家の娘・おし乃。 家も家族も失い、父の形見の包丁一つで町に飛び込んだ彼女は、 「旨い飯で人の心をほどく」を信条に、今日も竈に火を入れる。 常連は、職人、火消し、子どもたち、そして──町奉行・遠山金四郎!? 変装してまで通い詰めるその理由は、一膳に込められた想いと味。 鯛茶漬け、芋がらの煮物、あんこう鍋…… その料理の奥に、江戸の暮らしと誇りが宿る。 涙も笑いも、湯気とともに立ち上る。 これは、舌と心を温める、江戸人情グルメ劇。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

島猫たちのエピソード2025

BIRD
エッセイ・ノンフィクション
「Cat nursery Larimar 」は、ひとりでは生きられない仔猫を預かり、保護者&お世話ボランティア達が協力して育てて里親の元へ送り出す「仔猫の保育所」です。 石垣島は野良猫がとても多い島。 2021年2月22日に設立した保護団体【Cat nursery Larimar(通称ラリマー)】は、自宅では出来ない保護活動を、施設にスペースを借りて頑張るボランティアの集まりです。 「保護して下さい」と言うだけなら、誰にでも出来ます。 でもそれは丸投げで、猫のために何かした内には入りません。 もっと踏み込んで、その猫の医療費やゴハン代などを負担出来る人、譲渡会を手伝える人からの依頼のみ受け付けています。 本作は、ラリマーの保護活動や、石垣島の猫ボランティアについて書いた作品です。 スコア収益は、保護猫たちのゴハンやオヤツの購入に使っています。

おじさん、女子高生になる

一宮 沙耶
大衆娯楽
だれからも振り向いてもらえないおじさん。 それが女子高生に向けて若返っていく。 そして政治闘争に巻き込まれていく。 その結末は?

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

処理中です...