3 / 10
3
しおりを挟む
「顔を上げろ。」
そっとこちらを伺いながら片手で母親と弟を守る仕草をしながら、顔を上げる。
やはり綺麗だな。見た目も中身も、清らかで美しい。
「礼儀正しいのは嫌いじゃない。」
むしろ好ましい。
「母親と弟の命を奪うことは止そう。
ただし……タダと言うわけにはいかない。」
「分かっているつもりです。
父様が払わないというなら私が払います。」
「娘がそう言っているが貴公は何か言うことはあるか?」
「よく出来た子だ。
そうだ。われが殺される必要などないのだ、
その娘は貴様にやるさ。」
これで文句ないだろうとこちらを見てくる。
はぁ、嫌になる。
「あぁ、そうだな。」
ズシャッ、返り血が壁に服に赤黒いシミを作る。
「な、ぜ、だ。」
「何故?貴公が愚かだからだ。」
「う、そ、つ、き。」
「嘘など言っておらん。
代償にこの娘を頂くと言っただけだ。
偶然居合わせた人間をどうしようが我の勝手だろう。」
「ひっ、こ、の、あ、く、ま。」
「あぁ、我は悪魔だ。
その悪魔を喚び出したのは貴様だろう。
この人間のクズが。」
「な、ん、だ、と、き、さ、ごはっ。」
ドバッと血が吐き出される。
床がドンドン赤く色を変えていく。
「悪魔を喚んだ落とし前ぐらいは自分でつけろよな。
大人なんだから。」
少女の方を見る。
「悪かったな。
ガキに見せるものでも無かったし。」
「私は平気です。」
「無理しなくてもいい、身体、震えてるぞ。」
うるうるとした瞳に怯えた表情、
震えを必死に抑えようとして強がる少女。
どうしてそこまで純粋でいられる?
「約束は守って頂けますか?」
「約束?約束などした覚えはないな。」
「そんなっ、」
「指切りもしていなければ、契約書もない。
それに支払いがお前で良いとも言っていない。」
「お願いします。母様と弟には手を出さないでください。お願いします。」
少し苛めすぎたか。
「冗談だ。母親にも弟にも手は出さない。
約束だ。不安なら誓約書も用意しよう。
代償はお前からいただく、それは構わないのか?」
「はい。」
「セインちゃん?」
「母様、私なら平気です。
この方、思っていたよりも優しそうです。
だから心配しないでください。」
悪魔相手に優しそうか。
変わった娘だ。
「警察が来たら言え。
旦那が悪魔を喚びだしたが揉めて、
悪魔が旦那を殺して娘を連れ去った。
そう言え。
私は見逃してもらえたが…
娘を助けてくれ、
そう頼め。」
そうすれば、警察はこの母親は悪魔召喚には
無関係な被害者だと判断するだろう。
そうすればまだ世間の目もましだろうからな。
そっとこちらを伺いながら片手で母親と弟を守る仕草をしながら、顔を上げる。
やはり綺麗だな。見た目も中身も、清らかで美しい。
「礼儀正しいのは嫌いじゃない。」
むしろ好ましい。
「母親と弟の命を奪うことは止そう。
ただし……タダと言うわけにはいかない。」
「分かっているつもりです。
父様が払わないというなら私が払います。」
「娘がそう言っているが貴公は何か言うことはあるか?」
「よく出来た子だ。
そうだ。われが殺される必要などないのだ、
その娘は貴様にやるさ。」
これで文句ないだろうとこちらを見てくる。
はぁ、嫌になる。
「あぁ、そうだな。」
ズシャッ、返り血が壁に服に赤黒いシミを作る。
「な、ぜ、だ。」
「何故?貴公が愚かだからだ。」
「う、そ、つ、き。」
「嘘など言っておらん。
代償にこの娘を頂くと言っただけだ。
偶然居合わせた人間をどうしようが我の勝手だろう。」
「ひっ、こ、の、あ、く、ま。」
「あぁ、我は悪魔だ。
その悪魔を喚び出したのは貴様だろう。
この人間のクズが。」
「な、ん、だ、と、き、さ、ごはっ。」
ドバッと血が吐き出される。
床がドンドン赤く色を変えていく。
「悪魔を喚んだ落とし前ぐらいは自分でつけろよな。
大人なんだから。」
少女の方を見る。
「悪かったな。
ガキに見せるものでも無かったし。」
「私は平気です。」
「無理しなくてもいい、身体、震えてるぞ。」
うるうるとした瞳に怯えた表情、
震えを必死に抑えようとして強がる少女。
どうしてそこまで純粋でいられる?
「約束は守って頂けますか?」
「約束?約束などした覚えはないな。」
「そんなっ、」
「指切りもしていなければ、契約書もない。
それに支払いがお前で良いとも言っていない。」
「お願いします。母様と弟には手を出さないでください。お願いします。」
少し苛めすぎたか。
「冗談だ。母親にも弟にも手は出さない。
約束だ。不安なら誓約書も用意しよう。
代償はお前からいただく、それは構わないのか?」
「はい。」
「セインちゃん?」
「母様、私なら平気です。
この方、思っていたよりも優しそうです。
だから心配しないでください。」
悪魔相手に優しそうか。
変わった娘だ。
「警察が来たら言え。
旦那が悪魔を喚びだしたが揉めて、
悪魔が旦那を殺して娘を連れ去った。
そう言え。
私は見逃してもらえたが…
娘を助けてくれ、
そう頼め。」
そうすれば、警察はこの母親は悪魔召喚には
無関係な被害者だと判断するだろう。
そうすればまだ世間の目もましだろうからな。
0
あなたにおすすめの小説
ストーカーから逃げ切ったつもりが、今度はヤンデレ騎士団に追われています。
由汰のらん
恋愛
ストーカーから逃げていたある日、ハルは異世界に召喚されてしまう。
しかし神官によれば、どうやらハルは間違って召喚された模様。さらに王子に盾ついてしまったことがきっかけで、ハルは国外追放されてしまう。
さらに連行されている道中、魔族に襲われ、ハルの荷馬車は置き去りに。
そのさなか、黒い閃光を放つ騎士が、ハルに取引を持ちかけてきた。
「貴様の血を差し出せ。さすれば助けてやろう。」
やたら態度のでかい騎士は、なんとダンピールだった!
しかしハルの血が特殊だと知った騎士はハルを連れ帰って?
いっそ美味しい血と癒しを与えるダンピール騎士団のセラピストを目指します!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
女の子がほとんど産まれない国に転生しました。
さくらもち
恋愛
何番煎じかのお話です。
100人に3~5人しか産まれない女の子は大切にされ一妻多夫制の国に産まれたのは前世の記憶、日本で亭主関白の旦那に嫁いびりと男尊女卑な家に嫁いで挙句栄養失調と過労死と言う令和になってもまだ昭和な家庭!でありえない最後を迎えてしまった清水 理央、享年44歳
そんな彼女を不憫に思った女神が自身の世界の女性至上主義な国に転生させたお話。
当面は2日に1話更新予定!
ニュクスの眠りに野花を添えて
獅子座文庫
恋愛
過去のトラウマで人前で声が出せなくなった伯爵令嬢ラニエラ・アンシルヴィアは辺境の男爵、オルテガ・ルファンフォーレとの政略結婚が決まってしまった。
「ーーあなたの幸せが此処にない事を、俺は知っています」
初めて会った美しい教会で、自身の為に一番美しく着飾った妻になる女の、真っ白なヴェールを捲る男は言う。
「それでもあなたには此処にいてもらうしかない」
誓いの口づけを拒んだその口で、そんな残酷なことを囁くオルテガ。
そしてラニエラの憂鬱な結婚生活が始まったーーーー。
甘い匂いの人間は、極上獰猛な獣たちに奪われる 〜居場所を求めた少女の転移譚〜
具なっしー
恋愛
「誰かを、全力で愛してみたい」
居場所のない、17歳の少女・鳴宮 桃(なるみや もも)。
幼い頃に両親を亡くし、叔父の家で家政婦のような日々を送る彼女は、誰にも言えない孤独を抱えていた。そんな桃が、願いをかけた神社の光に包まれ目覚めたのは、獣人たちが支配する異世界。
そこは、男女比50:1という極端な世界。女性は複数の夫に囲われて贅沢を享受するのが常識だった。
しかし、桃は異世界の女性が持つ傲慢さとは無縁で、控えめなまま。
そして彼女の身体から放たれる**"甘いフェロモン"は、野生の獣人たちにとって極上の獲物**でしかない。
盗賊に囚われかけたところを、美形で無口なホワイトタイガー獣人・ベンに救われた桃。孤独だった少女は、その純粋さゆえに、強く、一途で、そして獰猛な獣人たちに囲われていく――。
※表紙はAIです
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
やけに居心地がいいと思ったら、私のための愛の巣でした。~いつの間にか約束された精霊婚~
小桜
恋愛
ルディエル・アレンフォードは森に住む麗しの精霊守。
そんな彼が、いよいよ伴侶を迎えようと準備を始めているらしい。
幼馴染という関係に甘んじていたネネリア・ソルシェは、密かにショックを受けていた。
そろそろ彼との関係も終わらせなければならないけれど、ルディエルも精霊達もネネリアだけに優しくて――?
「大丈夫。ずっと居たいと思えるような場所にしてみせるから」
鈍感なネネリアと、一途で奥手なルディエル。
精霊に導かれた恋は、本人だけが気づかない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる