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第1章 痛み
首が痛いです。
しおりを挟む「んっ、んん。」
パチパチ。
「あれ、まだ暗いな。朝じゃないのかな。」
起き上がって辺りを見回す。
「あれっ?」
パパとママは?お手洗いに行っているのかな?
コトン。
「何の音だろう?」
トコトコ。トコトコ。
確かこっちの方から…
「ガハッ」
何?階段を駆け上がる。
「パパ?ママ?」
「フィオちゃん?早く逃げて!!」
ママ?階段を上る。
「つっ、いやーーー…」
「フィオリア、逃げなさい。」
「パパ?でも…」
「俺たちは大丈夫だから早く、今すぐに逃げなさい。」
「やだ、やだ。」
「わがまま言わないの。
私たちは大丈夫だから、ねっ。」
そんな、血塗れの状態で言われても…
ピカッ。ゴロゴロゴロゴロ。
て、停電?
「パパ、ママ、何処にいるの?」
「早く、早く逃げ、グハッ」
「パパ!?」
「眩しっ。」
非常用電源がついたのかな。
「パパ?ママ?」
肩を揺する。
「ねぇ、返事をしてよ。ねぇ。」
「誰?」
慌てて後ろを振り返
ゴン。殴られたの…?
グラッ、視界が眩む。
首が痛い。
バタっ。
❖❖❖❖❖
「おいっ、おいっ、フィオリア。」
ガチャ。
「フィオリアちゃん、まだ起きないの?
水とタオル持ってきたけど。」
「うっ、うーん、パパ、ママ。」
「魘されてるね。何を見てるんだろう。」
「てかさ、レヴィーは何でこの子拾ってきたの?」
「美味そうだったから。」
「あー、質問の仕方が悪かったか。」
「ただ、美味しそうなら起きて直ぐに
頂けばよかったじゃん。
なんで逃げられるリスクを冒してまで
連れてこさせたのかなって。」
「それも、大切にさ。食べるためなら多少、
壊れていても問題ないだろ。」
「売り物なら話は変わるが、食べるだけなら、
最悪心臓さえ動いていればいいんだからさ。」
理由か。腹を満たせれば何でも良いと思って
連れて帰らせたが、案外興味が湧いたんだよな。
「ハンターの娘に興味があったから、かもな。」
「かもってなー、はぁ。まぁ、何でも良いけど。
珍しくご執心の様だな。」
「うん、そうか?」
「あぁ、間違いなく。
普段のお前なら食事が魘されていようとも
体調悪かろうとも関係ないだろうが。」
言われてみればそうだな。
「早く、目を覚ませよな。フィオリア。」
「お前にはまだまだ聞きたいこと、
話してもらはなきゃならないことがあるんだからな。」
「あぁあ、可哀想に。
レヴィーに気に入られると面倒臭いよ……
まぁ、僕もだけどね。」
「何か言ったか?」
「んー、何も。」
何、笑ってるんだか。
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