私、美味しくありません!!

卯月終

文字の大きさ
4 / 20
第1章 痛み

胸が痛いです。

しおりを挟む
   
「フィオリア、フィオリア。」

誰?私の名前を呼ぶのは。

「やっと会えたね。フィオリア!」

羽が生えてて小さくて、もふもふしていて

「可愛い!」

「うーん。僕、男なんだけどな。
シェイラとリオと同じ反応するんだね。」

「お父様とお母様を知っているの?」

「もちろんだよ。
元々僕はフィオリアのご両親の契約者なんだから。」

「契約?」

「精霊契約って聞いた事ないかな?」

「精霊契約って名前だけなら。」

「なら内容は知らない?」

コクン。

「そっかー。話してなかったんだ。
精霊契約っていうのは言葉通り、
精霊と契約を結ぶ事。」

「例えば、フィオリアのご両親とは
お菓子を貰う代わりに、目になる約束をしていたな。」

「目?」

「人には見えないものを僕が代わりに見て、
伝えるの。」

「すごいね。
でも、その精霊さんが何で私のところに?」

「フィオリアのご両親に
フィオリアを守ってって頼まれたからね。」

「お父様とお母様が私を?」

「そうだよ。
今まで、会いに来れなくてごめんね。
怖かったよね。」

「うん。怖かったよ、怖かったよー。」






ずっと頭を撫でてくれている。あったかい。


「ありがとう。もう大丈夫。」

「本当に?無理してない?」

無理してないっていうと嘘になるけど……

「大丈夫だよ。
それより何か用があったんじゃないの?」

「あっ、そうだった。」

「その前に自己紹介するね。
僕はリーファ。
フィオリアのご両親が付けてくれたんだ。
良い名前でしょ。」

「うん。よろしくね。リーファさん?」

「リーファでいいよ。」

「なら、よろしく、リーファ!
私の事もフィオって呼んで。
親しい人はそう呼ぶから。」

「わかった。フィオ。用件を言うね。」
「フィオはここから逃げ出したい?」

「逃げれるなら逃げたい。」

「そうだよね。
なら、僕はフィオが逃げられるように手伝うよ。」
「具体的な作戦は、……
あいつら、もう干渉しましてるのかよ。早すぎる。」

「どうしたの?」

「ちょっと問題発生したみたい。
ごめんね。フィオ、作戦はまた話すね。」

「わかった。問題、早く解決するといいね。」

「ありがとう、フィオ。
ひとつだけ約束して。僕と会ったことはだれにも、
特にあいつら魔族には絶対に言わないで。
お願い。」

「わかった。誰にも言わない。」

「じゃあ、またね。ゆっくり休んで。」

「リーファ……」

パチッ。

「起きたか。」

「おはよう、フィオリアちゃん。」

あぁ、これが現実なんだ。
お父様、お母様、リーファ。
助けて……助けて…
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

ナッツアーモンド
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

処理中です...