私、美味しくありません!!

卯月終

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第2章 人外

精霊の加護…!?

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怖い、助けて。助けて。
誰か、お願いだから……。

「覚悟はいいか?」

ぶんぶんと首を振る。
というか何の覚悟?
死ぬ覚悟なんて出来てないからね、私。

やっぱり、私あの時逃げておけば良かったんだ。

「そうか。」

聞いてきたのはそっちなのに。
そんな興味なさそうに言わかなくても。

「まぁ、お前の意思なんかどうでもいいんだがな。」

名前で呼ばれた時よりも嫌に感じるのは何で何だろう?

カチャン。

何の音?
身体を動かし辺りを見渡す。
何の異常も、
手を動かそうとした時に違和感を持った。
何だろう?

「暴れられると面倒だからな。手錠だ。」

て、じょ、う?
でしょう。
手錠。

その意味を理解するのには少し時間がかかった。

私はどう足掻いたところで逃げられないんだ。
私にはもう抵抗する気力なんて無かった。
もう、どうでも良かった。
だって、私を守ってくれる人は、私の大切な人は、
両親はもうこの世にいないんだから。

手がのびてきた。

「?」

「泣いているのか?」

泣いていたんだ…
気付かなかった。

「………。」



「契約。」

……嫌だ。

「何だ、この光は!?」

光ってるの?何が…?

そう思った瞬間眩い光に包まれた。
ふわふわする。




「大丈夫、だった?」

「リーファ!?」
隣にリーファがいる。

「リーファーーー。」

「辛かったね。怖かったよね。」

頭を撫でてくれる。
やっぱり優しい。

「おまじない効いてるみたいだね。」

「おまじない?」

「あれっ?何も聞いてないの?」

うなずく。おまじないって何のことだろう?

「フィオリアのご両親がフィオリアを守る為の力を
込めたペンダントのことだよ。」

ペンダントってこれかな?
胸元にあるペンダントを取り出す。

「これ?」

「そうそう。それ!」

「そんな力があったんだ…。」
私、全然知らなかった。

「ねぇ。」

「どうした?フィオリ、」
「うっ。」

「リーファ?どうしたの?大丈夫?」
リーファが頭を押さえている。

「大丈夫だ、よ。
そんな顔しないで、フィオリア。」

「無理しないで。」

「ありがとう。フィオリアは優しいね。
こんな良い子に、あいつらは……
絶対に許さない。」

「リーファ?」

「あっ、ごめんね。」
私、謝られるようなことは何も。

「少し休ませて。ごめんね。」

「大丈夫なの?」

「うん、少し休めばね…
邪気に当てられただけだから。」

「邪気⁉︎」

「さすが、魔王の血を引くことはあるな。」


「フィオリア、しんどい時は僕のことを呼んで。
絶対、助けに行くから。」

また、ふわふわしてきた。
視界が暗くなっていく………
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