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第1章 堕神

第2話 神のお告げ

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事の起こりは4月1日のある昼間。

神社の前で子どもたちが遊んでいた。騒いでいた。ちょっといたずらごころで私は子供の耳もとで囁いた。
「クソガキうるせーぞ!」


私の声を聞ける人間は少ない・・いや・・ほとんどいない。50年に一度現れればいいほうだ。100年~200年現れなかったときもある。だから私がこんなふうにストレスをぶつけても誰も困らないのだよ。


しかし、現実はそうはならなった。


その子どもはまるで幽霊の声でも聞いたかのように止まっている。一瞬の静寂があり、その子が「おばけだ!!!」いって脱兎のごとく駆け出した。それに続いて他の子供達も・・・


「なにが起こったのか?」


神である私も戸惑う話である。こんなこと今までなかったからだ。もしかして私の中のなにか秘めたるパワーが!!


そう思って次に来た参拝客に話しかけてみた。無反応。 次の次、無反応。次の次の次、無反応。次の次の次の次、無反応。


流石にくたびれた・・・・どうしたことだろうか。なにが要因だ。偶然?にしてはあの子どもの振る舞いは・・・


「まさかのぅ」


一つまだ試していないことがあった。


次の参拝客?は男女のカップル。しかし小奴ら。神聖な神社、というかわしの家の前でモザイク処理をしなければならないほどいちゃついている。まあ容赦しなくていいじゃろ
私は耳元で囁いた。


「このクソガキども!」
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