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オージェ伯爵邸襲撃事件編
ご主人様と天落香1
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夏至が過ぎた。
長い一日を祝う昼の祭りというものがあって、皆で太陽を祝うという、ルドランスの中でも五指に入るというお祭りをした。
私はその頃既にロワイエ様の元に移っていて、屋敷の広さと釣り合わない人手不足に毎日忙しくしながらも、ロワイエ様の心遣いにその日は診療所で過ごした。
アンリがせっかくのお祭りだからと、私を連れ出してくれたのが大きいと思う。そうじゃなかったら慣れてきた仕事に祝日を費やしていたに違いない。
そんな私のお仕事の実態はというと。
「ご主人様、おはようございます」
「ん……」
まずはロワイエ様の起床のお手伝いから始まる。
ロワイエ様のお部屋に入室すると、まずは声をかけながらカーテンを開いて朝日を取り込んだ。夏至を過ぎたから、これから徐々に日が上る時間が短くなっていく。目覚まし時計のないこの世界で正確に体内時計を管理するのは、慣れるまで大変だったなぁ。
「ほらご主人様、朝ですよ」
「……あぁ、ユカ」
寝台に歩みより、ご主人様ことロワイエ様にお声をかける。ちなみに、このご主人様という呼び名はロワイエ様によって強要されたものだ。なんでも彼付きのメイドにはそう呼ぶように躾ているらしい。どこのメイド喫茶だ。
上半身裸で朝っぱらからお色気大解放しているロワイエ様が寝ぼけて抱き枕にして来るのをかわし、伸びてきた指に水の入ったグラスを持たせた。ぴくんとロワイエ様の指がわずかに跳ねる。
「お水ですよ」
「……ありがとうございます」
上体を起こしてグラスをあおったロワイエ様は、ほぅと息をつくとグラスを返した。
「朝食ができております」
「そうですか。では先に着替えをお願いします」
「かしこまりました」
私は既に用意してきていたロワイエ様の着替えを手に取ると、手渡して視線を落とした。
衣擦れの音がしゅるしゅると聞こえる。
「今日は確か、市の日でしたね」
「そうなんですか?」
「そうですよ。ユカはどうしますか? 視察を兼ねて私は行くつもりです。良かったら行きませんか?」
「良いんですか?」
私は驚いて顔をあげた。
市と言えば、以前エリアに連れていってもらったあの行商の市だよね。沢山のものがあるから、見るだけでも楽しいのは知ってる。
でも正直お屋敷は使用人が私と、ロワイエ様が連れてきたという従者のサリムさんしかいないせいで、あちこち手が回っていない。時間の許す限りは、お掃除とかお料理の仕込みとか、そういうのにまわしたい。
私の葛藤が見えたのか、着替え終わったロワイエ様が、その猫毛を手櫛で整えながら私を誘惑する。
「お給料とは別に、この二週間頑張ってくれていましたから、特別手当てを差し上げますよ」
「そこまでしていただかなくても大丈夫です! お給料が十分足りてますから」
慌てて櫛をもってロワイエ様の方へと行く。ロワイエ様がベッドに腰かけたので、私はちょっとはしたないと思いつつ、ベッドに乗り上げてその猫毛をといた。
お給料は週払いだ。先週、初めてお給料をもらったのだけれど、まだ一文も使っていないので普通に飲み食いする分にはあまりある。
本当は夏至が来る前にお給料が欲しかったのだけれど、まぁそんな我が儘は言えなかったよね。でもその代わりに「快復祝いです」とか言われて夏至のお祭り用にお小遣い貰ったんだけどね。そんな事なら給料前払いをお願いすれば良かったと思ったのはお小遣いを受け取った後でした。
まぁその事もあるので、今回は丁重にお断りをする。ロワイエ様は少し残念そうだったけど、その後は何も言わずに朝食を食べに食堂へ移動した。
食堂ではサリムさんが既にテーブルを整えていて、私は慌ててそちらを手伝いに行く。
「すみません、サリムさん」
「いえ。こちらこそ寝起きの悪い主を起こしてくれて助かります」
私より一つ上のサリムさんはほんのりと目を細めた。さっぱりとした桃色の髪に初めて会った時は驚いた。あまり表情が変わらない人だけど、よくよく見ればきちんと表情があることが分かる。
「寝起きが悪いとは随分な言いようですね、サリム?」
「本当のことでしょう。俺が起こしに行っても『私の可愛い人じゃないからやり直し』とか言って寝るじゃないですか」
「朝イチで無愛想な男の顔を見るよりは爽やかに起きれると思いますよ?」
「そんなこと言ってるから浮き名を流されるんですよ」
ぽんぽんっと遠慮なく交わされる会話はもうこの二週間ですっかり慣れた。
サリムさんはロワイエ様の幼馴染みらしくて、王都の学院に通われてるときからの付き合いらしい。主従関係でありながらも、気のおけない友人でもあるということだ。
サリムさんは本当に色んな事に長けている。従者らしく主人の身の回りの世話はもちろん、家事全般を私よりよっぽど完璧にこなすし、剣も騎士団に入団できるくらいに扱うらしい。
貴族のロワイエ様が従者一人しかお付きの人を連れてこなかった秘密が、このサリムさんにあったというね。そりゃ何でもできて護衛も出来ちゃう人がいるなら、お付きの人は一人で十分だよね。
「それで、今日はいかがされますか」
「市に行きます」
食後の紅茶を嗜みながら、ロワイエ様が即答した。
「何かお探しのものでも?」
「いや、ただの視察です。今回はオルレット方面からの行商ですから。何か情報が得られないかと思いまして」
そうですか、と言ってサリムさんはロワイエ様のカップに紅茶を注ぎ足す。
「市に行くなら、こちらも早めに支度をしませんといけません。ユカさん、主のお世話はしておきますので、今のうちに最低限のことだけお願いしますか?」
「はい」
サリムさんに言われ、私は食堂を出た。
ささっと洗濯物をかき集めて洗濯篭に放り込む。いつもは午前中に洗濯をするけど、今日は難しいから明日頑張ろう。
取り替えたシーツだけ、ベッドメイキングする。それから換気のために開けていた窓を次々と閉めていった。
それらを終えて食堂に戻れば、ロワイエ様はゆったりと腰をあげているところだった。
ロワイエ様って朝すっごいゆっくりなんだよね。余裕をもって朝食を食べて、一服して、ようやく動き出す。
「ユカも仕度をしてきなさい。私はサリムに任せるので」
「いえ、私はすぐに仕度が終わりますから」
「ユカさん、外出する時はメイド服を着替える約束ですよ」
自分の仕度なんてあっという間だと主張すれば、サリムさんに「お約束」を言われた。
そうだ、すっかり忘れてた。
二週間も経てば順応してしまう自分の順応力がにくい……!
私は自分の格好を見下ろした。
ロワイエ様が特注で作っているという「ロワイエ様のメイド」服。
このメイド服、夏仕様と言うことも相まって、布面積が極力節約されている。
具体的に言えば、スカートはミニ丈、背中は専用コルセットのお陰で大胆に空いている。そのくせ、靴下はニーハイでガーターベルトつき。
色は黒で、スカート丈に合わせたエプロンもあるから汚れを気にする必要はないんだけど……これ完全にメイド喫茶だよね。ロワイエ様のセルフメイド喫茶仕様なんだよね。
胸元は隠れてるし、この国は特に足を隠すことに命を懸けるような文化でもないから私としては抵抗はないんだけど……いや、あるよ。正確にはあったよ。さすがに二十歳過ぎてミニスカはどうかと思ったよ。でもご主人様のご命令もあり、コスプレ気分でふりきってる。
じゃなくて。
サリムさん曰く「さすがにこの格好で外に出られるのは伯爵家の品位に関わるので、外では私服でお願いします」と言われているのです。私も初めてこの制服を手渡されたとき、旦那様から渡された正統派メイド服との違いに思わず遠い目をしたよね。
確認はしてないけど、明らかにロワイエ様の趣味です。
あのペルシャ猫野郎、上品そうな顔をして相当スケベです。
とまぁ、そう言うことなので、私はさくっと自室に戻って着替えることにした。
「私はそのままでも良いと思うのですけれど」
名残惜しそうに言うロワイエ様に、明らかにサリムさんが引いていた。
長い一日を祝う昼の祭りというものがあって、皆で太陽を祝うという、ルドランスの中でも五指に入るというお祭りをした。
私はその頃既にロワイエ様の元に移っていて、屋敷の広さと釣り合わない人手不足に毎日忙しくしながらも、ロワイエ様の心遣いにその日は診療所で過ごした。
アンリがせっかくのお祭りだからと、私を連れ出してくれたのが大きいと思う。そうじゃなかったら慣れてきた仕事に祝日を費やしていたに違いない。
そんな私のお仕事の実態はというと。
「ご主人様、おはようございます」
「ん……」
まずはロワイエ様の起床のお手伝いから始まる。
ロワイエ様のお部屋に入室すると、まずは声をかけながらカーテンを開いて朝日を取り込んだ。夏至を過ぎたから、これから徐々に日が上る時間が短くなっていく。目覚まし時計のないこの世界で正確に体内時計を管理するのは、慣れるまで大変だったなぁ。
「ほらご主人様、朝ですよ」
「……あぁ、ユカ」
寝台に歩みより、ご主人様ことロワイエ様にお声をかける。ちなみに、このご主人様という呼び名はロワイエ様によって強要されたものだ。なんでも彼付きのメイドにはそう呼ぶように躾ているらしい。どこのメイド喫茶だ。
上半身裸で朝っぱらからお色気大解放しているロワイエ様が寝ぼけて抱き枕にして来るのをかわし、伸びてきた指に水の入ったグラスを持たせた。ぴくんとロワイエ様の指がわずかに跳ねる。
「お水ですよ」
「……ありがとうございます」
上体を起こしてグラスをあおったロワイエ様は、ほぅと息をつくとグラスを返した。
「朝食ができております」
「そうですか。では先に着替えをお願いします」
「かしこまりました」
私は既に用意してきていたロワイエ様の着替えを手に取ると、手渡して視線を落とした。
衣擦れの音がしゅるしゅると聞こえる。
「今日は確か、市の日でしたね」
「そうなんですか?」
「そうですよ。ユカはどうしますか? 視察を兼ねて私は行くつもりです。良かったら行きませんか?」
「良いんですか?」
私は驚いて顔をあげた。
市と言えば、以前エリアに連れていってもらったあの行商の市だよね。沢山のものがあるから、見るだけでも楽しいのは知ってる。
でも正直お屋敷は使用人が私と、ロワイエ様が連れてきたという従者のサリムさんしかいないせいで、あちこち手が回っていない。時間の許す限りは、お掃除とかお料理の仕込みとか、そういうのにまわしたい。
私の葛藤が見えたのか、着替え終わったロワイエ様が、その猫毛を手櫛で整えながら私を誘惑する。
「お給料とは別に、この二週間頑張ってくれていましたから、特別手当てを差し上げますよ」
「そこまでしていただかなくても大丈夫です! お給料が十分足りてますから」
慌てて櫛をもってロワイエ様の方へと行く。ロワイエ様がベッドに腰かけたので、私はちょっとはしたないと思いつつ、ベッドに乗り上げてその猫毛をといた。
お給料は週払いだ。先週、初めてお給料をもらったのだけれど、まだ一文も使っていないので普通に飲み食いする分にはあまりある。
本当は夏至が来る前にお給料が欲しかったのだけれど、まぁそんな我が儘は言えなかったよね。でもその代わりに「快復祝いです」とか言われて夏至のお祭り用にお小遣い貰ったんだけどね。そんな事なら給料前払いをお願いすれば良かったと思ったのはお小遣いを受け取った後でした。
まぁその事もあるので、今回は丁重にお断りをする。ロワイエ様は少し残念そうだったけど、その後は何も言わずに朝食を食べに食堂へ移動した。
食堂ではサリムさんが既にテーブルを整えていて、私は慌ててそちらを手伝いに行く。
「すみません、サリムさん」
「いえ。こちらこそ寝起きの悪い主を起こしてくれて助かります」
私より一つ上のサリムさんはほんのりと目を細めた。さっぱりとした桃色の髪に初めて会った時は驚いた。あまり表情が変わらない人だけど、よくよく見ればきちんと表情があることが分かる。
「寝起きが悪いとは随分な言いようですね、サリム?」
「本当のことでしょう。俺が起こしに行っても『私の可愛い人じゃないからやり直し』とか言って寝るじゃないですか」
「朝イチで無愛想な男の顔を見るよりは爽やかに起きれると思いますよ?」
「そんなこと言ってるから浮き名を流されるんですよ」
ぽんぽんっと遠慮なく交わされる会話はもうこの二週間ですっかり慣れた。
サリムさんはロワイエ様の幼馴染みらしくて、王都の学院に通われてるときからの付き合いらしい。主従関係でありながらも、気のおけない友人でもあるということだ。
サリムさんは本当に色んな事に長けている。従者らしく主人の身の回りの世話はもちろん、家事全般を私よりよっぽど完璧にこなすし、剣も騎士団に入団できるくらいに扱うらしい。
貴族のロワイエ様が従者一人しかお付きの人を連れてこなかった秘密が、このサリムさんにあったというね。そりゃ何でもできて護衛も出来ちゃう人がいるなら、お付きの人は一人で十分だよね。
「それで、今日はいかがされますか」
「市に行きます」
食後の紅茶を嗜みながら、ロワイエ様が即答した。
「何かお探しのものでも?」
「いや、ただの視察です。今回はオルレット方面からの行商ですから。何か情報が得られないかと思いまして」
そうですか、と言ってサリムさんはロワイエ様のカップに紅茶を注ぎ足す。
「市に行くなら、こちらも早めに支度をしませんといけません。ユカさん、主のお世話はしておきますので、今のうちに最低限のことだけお願いしますか?」
「はい」
サリムさんに言われ、私は食堂を出た。
ささっと洗濯物をかき集めて洗濯篭に放り込む。いつもは午前中に洗濯をするけど、今日は難しいから明日頑張ろう。
取り替えたシーツだけ、ベッドメイキングする。それから換気のために開けていた窓を次々と閉めていった。
それらを終えて食堂に戻れば、ロワイエ様はゆったりと腰をあげているところだった。
ロワイエ様って朝すっごいゆっくりなんだよね。余裕をもって朝食を食べて、一服して、ようやく動き出す。
「ユカも仕度をしてきなさい。私はサリムに任せるので」
「いえ、私はすぐに仕度が終わりますから」
「ユカさん、外出する時はメイド服を着替える約束ですよ」
自分の仕度なんてあっという間だと主張すれば、サリムさんに「お約束」を言われた。
そうだ、すっかり忘れてた。
二週間も経てば順応してしまう自分の順応力がにくい……!
私は自分の格好を見下ろした。
ロワイエ様が特注で作っているという「ロワイエ様のメイド」服。
このメイド服、夏仕様と言うことも相まって、布面積が極力節約されている。
具体的に言えば、スカートはミニ丈、背中は専用コルセットのお陰で大胆に空いている。そのくせ、靴下はニーハイでガーターベルトつき。
色は黒で、スカート丈に合わせたエプロンもあるから汚れを気にする必要はないんだけど……これ完全にメイド喫茶だよね。ロワイエ様のセルフメイド喫茶仕様なんだよね。
胸元は隠れてるし、この国は特に足を隠すことに命を懸けるような文化でもないから私としては抵抗はないんだけど……いや、あるよ。正確にはあったよ。さすがに二十歳過ぎてミニスカはどうかと思ったよ。でもご主人様のご命令もあり、コスプレ気分でふりきってる。
じゃなくて。
サリムさん曰く「さすがにこの格好で外に出られるのは伯爵家の品位に関わるので、外では私服でお願いします」と言われているのです。私も初めてこの制服を手渡されたとき、旦那様から渡された正統派メイド服との違いに思わず遠い目をしたよね。
確認はしてないけど、明らかにロワイエ様の趣味です。
あのペルシャ猫野郎、上品そうな顔をして相当スケベです。
とまぁ、そう言うことなので、私はさくっと自室に戻って着替えることにした。
「私はそのままでも良いと思うのですけれど」
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