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第2話
しおりを挟む「こうしてイグニスは生まれたのだ。」
「話なげーよ!」
僕の生まれた時の話をお父様はまるで劇のように身振りなどを使い僕の前に座るおじさんに語った。
「そしてそれから7年。今イグニスは7歳だ。お前、顔を見せに来るのが遅いぞ。今も十分可愛らしいが赤ん坊の時のイグニスはそれはそれは「マジで黙ってくれジル。マジでなげーから。」ふむ。仕方ないな。」
「さて、お前のくそなげえ話も終わったし俺を不思議な目で見てる坊主と話そうかね。」
おじさんはそういうと、今までお父様に向けていた体をこちらに向け僕に笑いかけました。
ちょっと顔が怖いです。僕は隣に座るお父様の腕に手を伸ばし服の裾をつかみます。
こ、怖くないですよ?
「おい、怖がってるだろ。お前は顔が怖いんだ。正面からイグニスを見るな。」
「お、お父様!怖くないですよ!」
「む、本当に大丈夫かイグニス。ダメだったら言え。こいつを追い出す。」
「だ、大丈夫です。」
僕はお父様の服から手を離し立ち上がります。
さ、最初が肝心なんです。自己紹介を、
「い、いいイグニス・リア・れ、レイジアスです!よろしくお願いします!」
僕の精一杯の自己紹介に笑い声が上がりました。目の前のおじさんが笑ったようです。
「はーよろしくなイグニス。ちゃんと挨拶できていい子だ。お前の親父は会うなりお前の話を始めやがって挨拶もしやがらねぇからな。」
「む、そういえばそうだったな。久しぶりだなミコト。」
「あー久しぶりだな親バカ。さて、じゃあ次は俺だな?俺はお前の親父の若い頃からの友達のミコト・トウゴウだ。聞いたことぐらいはあんじゃねぇか?」
ミコト・トウゴウ?あれ?あ、あ、
「あー!!!ゆ、勇者様!?お父様!勇者様と同じ名前の人です!」
勇者様。この前読んでもらった絵本にものってました!ミコト・トウゴウは魔王を倒してました!
「いい反応するなー。よーしイグニスは勇者のことをどれくらい知ってるんだ?」
「えーとえーと!王国の紋章の刻んであるマントを身につけていて、自分の背よりも大きな剣を持ってて、全ての属性のまほ、う、を?」
僕が言った特徴に合わせてどんどん身に付けるものが増えていくミコト様。
それはマント、そして大きな剣。極め付けは手のひらから火、水、風、土、光、闇のそれぞれの魔法を発動させました。
僕はポカーンです。本物です。
「ということで、俺はちょい昔に勇者やってたミコト・トウゴウだ。よろしくなイグニス。」
僕はお父様の顔をみる。お父様は僕の方を見て微笑みながら頷いた。
本物だ!
僕はなんだかドキドキする胸に手を当てる。すごいドキドキしてる。
「にひひ。驚いてるなー。おいジル、言ってなかったのかよ。」
「うむ。驚く姿も可愛らしいだろ?」
「気持ち悪。」
僕の様子にケラケラと笑う勇者様。
「よし、イグニス。なんか聞きたいことはあるか?今日一日お前に使ってやる!」
「え!いいんですか!?じゃ、じゃあ勇者様!お話、冒険のお話が聞きたいです!」
「よーし聞かせてやろう!」
僕はその日勇者様のお話をたくさん聞かせてもらいました。
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