とある貴族の世界線

永慈

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第4話

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僕はスタートと同時に勇者様に真っ直ぐ突っ込みます。

そこから、勢いを殺さないように突きを、放つ!

「はい、おしまい。」

「う、ま、まいりました。」

僕の突きはくるりと体を回しながら避けられ、勇者様の剣が次の瞬間首元におかれました。

真剣なら首がないですね。

「うんうん。ガキンチョにしてはいい突進力だな。弱い魔物なら今のでやられてたろうよ。けど、突きっていう選択は良くないな。わかるだろ?」

勇者様の言葉に頷く。

「ん、突きってのは確かに場合によっちゃいい技なんだが、攻撃面積が点だよな?だからある程度力を持ってるやつ、経験を積んでるやつは簡単に避ける。しかも、イグニスの場合は突きを打って終わり。次につなげる攻撃じゃなかったってところもよろしくねーな。」

「次につなげる攻撃、ですか?」

「あぁ、技っていうのは色々考えて使うもんなんだよ。例えばさっきのイグニスの突きで考えると、この攻撃に対して相手はどうするか、避けるか、剣でずらすか、それとも受けるか、先に攻撃を当てようとするかもな?色々な行動が考えられる。」

勇者様は手に持つ木剣で突きをした体制で教えてくれる。

「じゃあ一番可能性のある避けるで考えると、避け方も右、左、下、上、後ろと後ろはむずいけどな、色々ある。そこに対しての二撃目を考えろって話だな。まぁ二撃目を考え出すと突きなんていう体が伸びきる技は二撃目に繋げづらいってのはすぐわかるんだがな。」

「二撃目。」

「そ、二撃目。それが考えられたら次は三撃目、次は四撃目。戦闘の考え事には終わりはねーなこりゃ。」

そういうと、勇者様はいつものケラケラした笑いをする。

「さて、イグニス。二撃目ってのが大事なのはわかったな?」

「はい。」

「うむうむ優秀じゃの。じゃあそれを考えながら、お昼ご飯までは戦うぞー。」

「え?いいんですか?」

一試合だけだと思ってました。

「え?逆にやんねーのこの流れで。」

「や、やります!お願いします!」

「よーしじゃあ死ぬ気でかかってこいよ!二撃目に繋げろよー!」

「はい!行きます!」

僕は勇者様の胸を借りて喧嘩をするのでした。








「い、イグニスに何をしたバカ勇者め!アザだらけではないか!」

「いやーいい素材だなお前の息子。楽しかった楽しかった。」

「死ね!」

「やだね!」

「zzZ」

イグニスが疲れ果て寝てしまった庭でこのようなやり取りがあったことをイグニスは知らないのであった。
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感想 1

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みんなの感想(1件)

2018.05.04 ユーザー名の登録がありません

退会済ユーザのコメントです

2018.05.05 永慈

応援ありがとうございます!更新ペースは少しゆっくりになりますがどうぞよろしくお願いします。

解除

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