本当の最強チートは妹のパンツをテイスティングすることだった件。

加賀いるか

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11.5話「とある王宮での大騒動」

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とある王宮での大騒動

「シャルロット!!  シャルロットはどこへ行った!!」

アルトレシア王国の王であるアルトレシア・フォン・キングストン三世は自らの王宮の中である人物の名前を叫びながら苛立たしく歩き回っていた。

「あ、おいそこの!  シャルロットを見なかったか!?  あいつ朝食にも来ないでどこをほっつき歩いとるんだ……!」

「あ、王様おはようございます。姫殿下ですか?  姫殿下でしたら今朝早くに庭の散歩をしてくると言って出ていきましたが……」

「そ、外に出たのか!?」

「は、はい……なにかまずかったでしょうか……?」

「いや、貴様に落ち度はない、ないが、ううむ、外か……」

王は使用人から姫殿下の居場所を聞き出すと、冷や汗を流しながら悩み始めた。





『お父様!  わたくしは街へ降り、冒険者とともに魔王を討伐しに行きたいと考えます!!』

『ならん!!  シャルロット、お前はこの国の姫であるぞ!  お前にもしもの事があればこの国は終わりだ!  絶対にならんぞ!』

『お父様……!  しかし、姫たるわたくしが民の前に立たねば民へ顔向けできませぬ!  幸いわたくしの剣の技術は達人クラス……!  民を率いて魔王討伐をすることも可能でしょう!!  今やこの国は魔王からの脅威にさらされ民は毎日恐怖で眠れないと聞きます!  今立ち上がらねばいつ立ち上がりましょう!』

『ならぬならぬならぬ!!  お前はすぐに無茶をする女だ、真っ先に命を落としてしまうに決まっている!  考え直せ!  なんにせよ、絶対に許さんからな!』

『お父様……』





「まさかあの女、王宮を飛び出したのではあるまいな……!  ……いや、昨日あれだけ言ったのだから血迷ってはいないと思うが……むう、戻ったらたっぷり叱りつけてやる!……む?」

「王様ーッ!!」

王がぶつぶつと廊下で行っていると、遠くからひとりの使用人が走ってきた。

「なんだ貴様、無礼であるぞ」

「はあっ、はあっ、申し訳ございません!  すぐにでも王様に申し上げなくてはならないことがございまして……!」

「なんだ、言ってみろ。我は今忙しいのだ、手短にな」

「それが、その、こちらの紙ですが、姫殿下のお部屋で見つけまして、とんでもないことが書いておりまして……!」

「なに!?  シャルロットからか!?  み、見せてみろ!」

王は使用人から紙をひったくると、穴が空くかと思うほど紙に顔を近づけて内容を読んだ。

「……っあのお転婆娘が!」

読み終えると、王は窓へと駆け寄り、外へ向かって叫び始めた。

「シャルロット!!  帰ってこい!!  シャルローット!!!!  ああ、最悪の事態になってしまった……!」

その日は一日中、王が使用人を使い王宮周りをくまなく探したが、ついぞ姫殿下は見つかることがなかったという。


『親愛なるお父様へ
わたくしはやはりこの国を、この世界を守るため、少し怖いですが、民とともに魔王を、モンスターどもを討伐したいと考えます。
しかしご安心下さい。
民の中には魔王を打ち滅ぼすいしずえとなる、勇者という者が居るといいます。
わたくしはその勇者とともに、魔王を打ち滅ぼし、必ず帰ってくると約束致しましょう。
それまでどうか息災で。
        貴方の娘、シャルロットより』
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