おとぎまわり

アン

文字の大きさ
5 / 7

世界一有名なお姫様

しおりを挟む

ねえ、あなた今暇かしら
それじゃあ簡単な問題を出しましょう
私の正体を当ててみて

私はしがない魔法使い
得意なのは、物を作る魔法
子供の頃の夢は、可愛いお姫様

でも魔法使いといえば、物語の裏方でしょう?
だから、大人になってからは現実を堅実に生きる事にしたわ

そして
幸せな家庭を目指して、ある人と結婚した
軈て産まれた、可愛い可愛い子供

|嗚呼《》こんにちは、私のお姫様

頑張り屋さんな上に、誰にでも優しくて、無邪気な笑顔が素敵で
私、この子のためなら、どんな事だってすると決めていたわ

ええ、本当はずっと傍で守ってあげたかった
けれど、ある日私は病に倒れ、呆気無く死んでしまったの
癒しの魔法でも使えたら良かったのにね

当然、とても死に切れたものじゃなくて
未練と根性でこの世に留まってみせた
例え姿は見えなくても、どんな時だって、お母さんは貴女の傍に居るわ

数年後
あの人が迎えた後妻はろくでなしで

「私も舞踏会、行きたかったな」

嗚呼、何て可哀想な子
さあ思い出して、私の遺言を
机の奥にしまい込んだ、あのはしばみの杖を

魔法の杖はたちまち姿を変え、魔法の若木へ
さあ、力一杯揺すってみなさい

散りばめた宝石、煌めく絹の刺繍
星空のようなドレスと、金色の靴をあげましょうね

舞踏会の主役は勿論この子
誰もが見惚れるお姫様
肝心の運命の相手は、ポンコツ感が否めないけれど
まあ、及第点って所かしら

愛する我が子の晴れ姿
不意に零れた涙も、祝いの言葉も届かないけれど
嗚呼、最後の願いは叶ったわ

でも、もう一つ仕事が残ってる
私は魔法使い
ならば、物語の悪役に罰を与えなければ

さあ行きなさい、従順な小鳩達
あの三人に思い知らせるのよ

行きの片目は、娘を虐めた報い
帰りの片目は、私の憂さ晴らし

死なないだけ良かったじゃない
お前達がしてきた事に比べれば、まだまだ優しいわよね
精々後悔なさい、この魔女共が!

あらいけない、つい感情的になっちゃったわね
それで、分かったかしら、私の正体
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

悪意のパーティー《完結》

アーエル
ファンタジー
私が目を覚ましたのは王城で行われたパーティーで毒を盛られてから1年になろうかという時期でした。 ある意味でダークな内容です ‪☆他社でも公開

〈完結〉遅効性の毒

ごろごろみかん。
ファンタジー
「結婚されても、私は傍にいます。彼が、望むなら」 悲恋に酔う彼女に私は笑った。 そんなに私の立場が欲しいなら譲ってあげる。

いまさら謝罪など

あかね
ファンタジー
殿下。謝罪したところでもう遅いのです。

アレンジ可シチュボ等のフリー台本集77選

上津英
大衆娯楽
シチュエーションボイス等のフリー台本集です。女性向けで書いていますが、男性向けでの使用も可です。 一人用の短い恋愛系中心。 【利用規約】 ・一人称・語尾・方言・男女逆転などのアレンジはご自由に。 ・シチュボ以外にもASMR・ボイスドラマ・朗読・配信・声劇にどうぞお使いください。 ・個人の使用報告は不要ですが、クレジットの表記はお願い致します。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

処理中です...