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本編 19.04 - 20.03
半分/918/ファンタジー
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ㅤ桐生滴。有資格者として選ばれた君に、運命と名を授ける。と、白い人は言った。いつの間にか開いていた引違い窓のサッシに腰を掛けている。
「今、神域を穢れた者共が侵そうとしている。食い尽くされれば、こちら側にまで被害が及ぶ。悪いが、頼んでる場合じゃないんだ。ラジスタの名で、戦いなさい。」
小さな箱を投げつけられる。丁寧に包まれていたのは、小さな宝石だ。
「ラジスタ=クリスタル。君の半分をそこへ入れれば、能力を2まで引き上げられる」
「半分?」
「さっきから頭の上で回っているそれだよ」
上を見る。すると、小さな光の玉が旋回しながら急降下を始め、手の上の淡い石へ吸い込まれるように入った。直後、強い光が網膜の裏側まで突き抜ける。
「詳しくはマニュアルを読んでくれ」
忘れるなよ、君らは奴らの天敵じゃない。餌だ。
ㅤ閃光が止る。白いカーテンだけが風に揺れていた。
「エサだってさ。どうすんの?」
ベッドの方から声がする。座っているのは子供だが、子供らしさは微塵もない。
「呼んでるよ」
驚くのは終わりだ。あの人が言う「半分」が彼なのは、言葉にしなくてもわかる。
ㅤ先程から机の上で必死に震えているのは、自分のスマホではなかった。いつの間にかそこにあったものだ。
パスコードは、L a d i s t a
直感的に入力したそれは難なく鍵を開け、ステータス・バーに大量のアイコンが示される。その一つを開こうとした瞬間、突然現れた通話画面のボタンを押してしまった。
『もしもし?』
「もしもし……」
電話の相手は若い男か。息切れしている様子だ。
「僕らは“ポロニア”。君たちが“ラジスタ”だね?」
「……はい」
「マニュアルは読んだ?」
「いえ」
「突然だけど、すぐに二人でアンダーワールドに来てほしい。」
電話の男は続ける。
「今から言う言葉を言いながら、近くの扉を開けてくれ。開き戸でも引き戸でも良い。手動で、向こう側が見えない扉。」
『神よ、ハリエルよ。十二の理の下に、我が問の答えを示せ。この道は、第八使徒へと通ずるか。』
ㅤ通話が切れると同時に少年が手を引っ張る。部屋のドアが開いた。
ㅤ視界に飛び込んだのはモノクロのビル群。黒い不定形な何かが、街の中心で蠢いていた。
「今、神域を穢れた者共が侵そうとしている。食い尽くされれば、こちら側にまで被害が及ぶ。悪いが、頼んでる場合じゃないんだ。ラジスタの名で、戦いなさい。」
小さな箱を投げつけられる。丁寧に包まれていたのは、小さな宝石だ。
「ラジスタ=クリスタル。君の半分をそこへ入れれば、能力を2まで引き上げられる」
「半分?」
「さっきから頭の上で回っているそれだよ」
上を見る。すると、小さな光の玉が旋回しながら急降下を始め、手の上の淡い石へ吸い込まれるように入った。直後、強い光が網膜の裏側まで突き抜ける。
「詳しくはマニュアルを読んでくれ」
忘れるなよ、君らは奴らの天敵じゃない。餌だ。
ㅤ閃光が止る。白いカーテンだけが風に揺れていた。
「エサだってさ。どうすんの?」
ベッドの方から声がする。座っているのは子供だが、子供らしさは微塵もない。
「呼んでるよ」
驚くのは終わりだ。あの人が言う「半分」が彼なのは、言葉にしなくてもわかる。
ㅤ先程から机の上で必死に震えているのは、自分のスマホではなかった。いつの間にかそこにあったものだ。
パスコードは、L a d i s t a
直感的に入力したそれは難なく鍵を開け、ステータス・バーに大量のアイコンが示される。その一つを開こうとした瞬間、突然現れた通話画面のボタンを押してしまった。
『もしもし?』
「もしもし……」
電話の相手は若い男か。息切れしている様子だ。
「僕らは“ポロニア”。君たちが“ラジスタ”だね?」
「……はい」
「マニュアルは読んだ?」
「いえ」
「突然だけど、すぐに二人でアンダーワールドに来てほしい。」
電話の男は続ける。
「今から言う言葉を言いながら、近くの扉を開けてくれ。開き戸でも引き戸でも良い。手動で、向こう側が見えない扉。」
『神よ、ハリエルよ。十二の理の下に、我が問の答えを示せ。この道は、第八使徒へと通ずるか。』
ㅤ通話が切れると同時に少年が手を引っ張る。部屋のドアが開いた。
ㅤ視界に飛び込んだのはモノクロのビル群。黒い不定形な何かが、街の中心で蠢いていた。
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