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本編 19.04 - 20.03
反転/1265/ファンタジー
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ㅤ目を見ろ、と主人は言った。きっと、何か策があるのだろう。途端に視界は暗転し、次に目を開けたとき、私は彼女の身体の中にいた。一方、私の身体は二本の剣で敵を斬っている。次々に死体が増え、血が流れる。気がつけば十数の肉塊が泥に転がっていた。背中を見せて逃げる数人は見逃すらしい。刃についた血を服で拭きながらこちらを見る。私の意識は元の身体に収まった。
「さすがです」
赤く染まった服と腕に不快感を示しながら言う。彼女は「取り逃がしてしまったがな」と、少し不満そうに答えた。華奢な身体に似合わない言葉だ。戦闘狂な部分は、長年付き添っても慣れそうにない。
ㅤ薄暗い森を抜けると街が姿を現す。その奥には真っ青な海があり、二つの塔の影を映していた。
「あの」
「何だ?」
血で汚れた大男を通すとは思えないと言うと、笑いながらこう返した。
「君は私の父親だ。愛する娘を守るために、賊を殺したに過ぎない。何度もそれで通してきただろう?」
目があった。透き通った青色に私の意識は吸い込まれる。
「丁度いい、手本を見せてやろう。君はあどけない女の子でも演じていなさい」
そんな子供は知らない。この身体の主は、狡猾な戦闘狂だったはずだろう。
ㅤ彼女の能力は三つある。他者の心を読むこと、言葉を現実にすること、それから、私と目が合うと入れ替わること。何の疑いもなく番人は私達を親子と認め、苦笑いしながら着替えるようにと言った。
ㅤここの主に合うことなく安全に観光終えた私達は、別な門で出国手続きを終えた。しかし、「通すな」と声がし、突然ツタのようなもので動きを制限された。
「名を名乗れ。貴様も、魔法師だろう」
と男は言った。恐らくここの主だろう。
「名を名乗れと言うのなら、自分から名乗ったらどうだ」
捕らえられているというのに上から目線である。
「いいだろう、俺はフォーマルハウトだ」
「私はシリウス。君を殺すと私の活動に支障が出るのは理解したよ」
「随分と偉そうな物言いだな。自分の状況を考えたらどうだ?」
「それはこっちのセリフだ。その名前のくせに私のことも知らないとはな」
「知らないはずがないだろう?ㅤあのシリウスだぞ」
さらに強く絞められる。そろそろ骨が折れてもおかしくない。
「話を変えるが、『スタラー・コア』について心当たりは?」
「知らないな。それが――」
「なら用はない。アオ」
名を呼ばれ振り向く。当然のように目が合い、今度は意識が途切れてしまった。
ㅤ気がつけば彼女の前に立っていて、フォーマルハウトの首を持っていた。
「殺したの?」
「殺したら困るとは言ったが殺さないとは言ってない。それに、再生不能になるほど壊したわけじゃないから、3日も経てば復活するんじゃないか?」
彼女は首を取り上げ、胴に向かって投げつける。
「新しい服、買わなきゃね」
私の服は隅々まで血で染まっていた。
ㅤ私の能力は三つ。あらゆる存在に姿を変えること、血から能力を写し取ること、彼女と目が合うと入れ替わること。
ㅤいつの間にか私は「使われる」側になっている。かつての彼女のように心を失ってしまうのも時間の問題だろう。
「さすがです」
赤く染まった服と腕に不快感を示しながら言う。彼女は「取り逃がしてしまったがな」と、少し不満そうに答えた。華奢な身体に似合わない言葉だ。戦闘狂な部分は、長年付き添っても慣れそうにない。
ㅤ薄暗い森を抜けると街が姿を現す。その奥には真っ青な海があり、二つの塔の影を映していた。
「あの」
「何だ?」
血で汚れた大男を通すとは思えないと言うと、笑いながらこう返した。
「君は私の父親だ。愛する娘を守るために、賊を殺したに過ぎない。何度もそれで通してきただろう?」
目があった。透き通った青色に私の意識は吸い込まれる。
「丁度いい、手本を見せてやろう。君はあどけない女の子でも演じていなさい」
そんな子供は知らない。この身体の主は、狡猾な戦闘狂だったはずだろう。
ㅤ彼女の能力は三つある。他者の心を読むこと、言葉を現実にすること、それから、私と目が合うと入れ替わること。何の疑いもなく番人は私達を親子と認め、苦笑いしながら着替えるようにと言った。
ㅤここの主に合うことなく安全に観光終えた私達は、別な門で出国手続きを終えた。しかし、「通すな」と声がし、突然ツタのようなもので動きを制限された。
「名を名乗れ。貴様も、魔法師だろう」
と男は言った。恐らくここの主だろう。
「名を名乗れと言うのなら、自分から名乗ったらどうだ」
捕らえられているというのに上から目線である。
「いいだろう、俺はフォーマルハウトだ」
「私はシリウス。君を殺すと私の活動に支障が出るのは理解したよ」
「随分と偉そうな物言いだな。自分の状況を考えたらどうだ?」
「それはこっちのセリフだ。その名前のくせに私のことも知らないとはな」
「知らないはずがないだろう?ㅤあのシリウスだぞ」
さらに強く絞められる。そろそろ骨が折れてもおかしくない。
「話を変えるが、『スタラー・コア』について心当たりは?」
「知らないな。それが――」
「なら用はない。アオ」
名を呼ばれ振り向く。当然のように目が合い、今度は意識が途切れてしまった。
ㅤ気がつけば彼女の前に立っていて、フォーマルハウトの首を持っていた。
「殺したの?」
「殺したら困るとは言ったが殺さないとは言ってない。それに、再生不能になるほど壊したわけじゃないから、3日も経てば復活するんじゃないか?」
彼女は首を取り上げ、胴に向かって投げつける。
「新しい服、買わなきゃね」
私の服は隅々まで血で染まっていた。
ㅤ私の能力は三つ。あらゆる存在に姿を変えること、血から能力を写し取ること、彼女と目が合うと入れ替わること。
ㅤいつの間にか私は「使われる」側になっている。かつての彼女のように心を失ってしまうのも時間の問題だろう。
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