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20話目:魔法少女に変身!
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「はぁ……はぁ……。だ、大丈夫?」
息を切らしてショッピングモールの駐車場へとなんとか逃げ延びたリリとそして優、加奈、椎の4人。ショッピングモールからまだまだ逃げ出してくる人たちを見ながら、お互いの無事を確認出来て安堵する。
「何があったんだろう……?」
「事件、かな?」
「……あっ」
ちょうどそうのような話をしているときに、周囲でも何があったのか話している声がリリの耳に入る。
『牛の化け物が』、『人が何人も殺された』、『真っ黒な人が』、『警察官が殺された』など、過激な話ばかりを同じようにショッピングモールから逃げ出せた人たちが話していたのだった。そしてリリはここで気がつく。
(……牛の化け物? もしかしてそれって陰謀団の)
リリはそう考えると、手提げ鞄へと手を突っ込む。そして鞄にそこに居た奏矢のスライムの身体へと触れると、頭の中で語りかける。
(奏矢さん、これってやっぱり陰謀団の、だよね?)
(……陰謀団の怪人だね。それにどうやら、仲間を引き連れてるみたいだ)
(なら、早く私が止めないと…!)
リリは優たちにそっと視線を向ける。ちょうど、優たちは自分たちが出てきたショッピングモールへと視線を向けていた。しかも都合の良いことに周りにはリリたちと同じように逃げてきた客たちが居り、視線を遮る壁となっていた。
(…よし、これなら)
リリはそれとなく混乱残る人混みへと飛び込んで、優たちから離れつつ頭の中で奏矢に力を借りるために願う。
(奏矢さん、力を貸して!)
鞄の中の奏矢がその言葉に反応し、手首からリリの体へと入り込む。体の表面に銀の薄布が走り、すぐさま形態変化していく。そしてリリの服装がピンクのふりふりのついたワンピースへと変化していく。瞬き1つにも満たない時間で、リリは魔法少女へと変身する。
(よし!)
リリはまばらとなったショッピングモールの入り口へと駆けると、一気に中へと入る。入り口に居た人たちは驚き、そして遠くからその中へと突入する様子を優たちはあっけに取られて見ていた。
「えっ、何あの子。なんで中に入っていくの?」
「ちょっ、誰か止めなよ…」
「しかもなに、あの格好、コスプレ? ありえないでしょ。天野さん、あれどう思う? …あれ、天野さん?」
そこで優たち3人は気がつく。
先程まで後ろにいたはずのリリが居なくなっていることに。急いで辺りを見渡すが、辺りに姿は見えない。
「天野さーん! どこー!」
3人のリリを探す声が駐車場にこだまするのであった。
※※※※※
リリはショッピングモールの壁を垂直に駆けていた。変身してから身体が異様に軽く、そして力が体の底から溢れ出るような感覚が身体中を駆け巡っていた。そしてまばらに正面から逃げてくる人を避けるのために『なんとなくできそう』と、壁に向かって駆け出したらそのままの勢いで重量を無視する形で壁を走れていた。
「すごい、すごいよ、ソーヤさん! 私、壁を走れちゃってる!」
(ああ、すごいね)
奏矢は内心、少しばかりイラついていた。もう少し時間を掛ければ警官たちがわんさかと来て、怪人を倒せなくとも多少なりとも体力は削れてくれるはず。だがリリはそんなことなど一切考えずに、真っ直ぐに怪人の元へと闇雲に駆け抜けていた。
『ちょっとは利口に行動すれば良いのに』
そう、奏矢は思いかけるがなんとかリリに内心を見透かされないように思いを飲み込む。『リリはあくまで正義の魔法少女。悪を挫き、弱きを助け、世界を救う』。そう、教えたのは奏矢自身である。己の存在価値を、リリと一緒にいる理由に一片でも疑問を持たせるわけにはいかなかった。
(リリ、急がないと!)
(うん、陰謀団に襲われてる人を助けなきゃ!)
心にもないことを、奏矢はリリの心に囁く。
奏矢からの発破を受けてさらに加速して壁を走るリリの視界に3体の真っ黒な戦闘員と巨体で牛頭をもつ牛型怪人が入る。そして1人の戦闘員がリリと同じくらいの体格の女の子を抱えて、どこかへ運ぼうとしているところであった。その女の子は暴れて抵抗していたが戦闘員に抱きすくめられて、さらには牛型怪人に殴られて抵抗を止める。
(女の人が攫われてるっ!? 助けないと)
リリは右手に力を込めると指先から銀の液体が流れてくる。そしてその液体は弓の形へと変形すると、たちまちリリの身長よりも長い銀の弓が出来上がる。そして左手にも力を込めると、同じように指先から銀の液体が溢れ出て銀色の矢が出来上がる。
("お願い"、当たって!)
リリは壁を走りながら、矢を引き絞り狙いを澄ます。走ることで体は上下に揺れるが、標的を狙い澄ました弓を持つその手は揺れることはない。そして限界まで引き絞られた銀の矢が、リリの手から離れる。
矢は風を切る音を立てながら戦闘員に向かって真っ直ぐに弾道を描いていたが、その風切り音が途中から4つになる。
(えっ)
矢を放ったリリは驚く。己が放った銀の一矢が宙で4つに分裂したのだ。そしてその4本の銀の矢は3人の戦闘員たちの喉元やうなじ、心臓を、そして牛型怪人の額を正確に撃ち抜いたのであった。
息を切らしてショッピングモールの駐車場へとなんとか逃げ延びたリリとそして優、加奈、椎の4人。ショッピングモールからまだまだ逃げ出してくる人たちを見ながら、お互いの無事を確認出来て安堵する。
「何があったんだろう……?」
「事件、かな?」
「……あっ」
ちょうどそうのような話をしているときに、周囲でも何があったのか話している声がリリの耳に入る。
『牛の化け物が』、『人が何人も殺された』、『真っ黒な人が』、『警察官が殺された』など、過激な話ばかりを同じようにショッピングモールから逃げ出せた人たちが話していたのだった。そしてリリはここで気がつく。
(……牛の化け物? もしかしてそれって陰謀団の)
リリはそう考えると、手提げ鞄へと手を突っ込む。そして鞄にそこに居た奏矢のスライムの身体へと触れると、頭の中で語りかける。
(奏矢さん、これってやっぱり陰謀団の、だよね?)
(……陰謀団の怪人だね。それにどうやら、仲間を引き連れてるみたいだ)
(なら、早く私が止めないと…!)
リリは優たちにそっと視線を向ける。ちょうど、優たちは自分たちが出てきたショッピングモールへと視線を向けていた。しかも都合の良いことに周りにはリリたちと同じように逃げてきた客たちが居り、視線を遮る壁となっていた。
(…よし、これなら)
リリはそれとなく混乱残る人混みへと飛び込んで、優たちから離れつつ頭の中で奏矢に力を借りるために願う。
(奏矢さん、力を貸して!)
鞄の中の奏矢がその言葉に反応し、手首からリリの体へと入り込む。体の表面に銀の薄布が走り、すぐさま形態変化していく。そしてリリの服装がピンクのふりふりのついたワンピースへと変化していく。瞬き1つにも満たない時間で、リリは魔法少女へと変身する。
(よし!)
リリはまばらとなったショッピングモールの入り口へと駆けると、一気に中へと入る。入り口に居た人たちは驚き、そして遠くからその中へと突入する様子を優たちはあっけに取られて見ていた。
「えっ、何あの子。なんで中に入っていくの?」
「ちょっ、誰か止めなよ…」
「しかもなに、あの格好、コスプレ? ありえないでしょ。天野さん、あれどう思う? …あれ、天野さん?」
そこで優たち3人は気がつく。
先程まで後ろにいたはずのリリが居なくなっていることに。急いで辺りを見渡すが、辺りに姿は見えない。
「天野さーん! どこー!」
3人のリリを探す声が駐車場にこだまするのであった。
※※※※※
リリはショッピングモールの壁を垂直に駆けていた。変身してから身体が異様に軽く、そして力が体の底から溢れ出るような感覚が身体中を駆け巡っていた。そしてまばらに正面から逃げてくる人を避けるのために『なんとなくできそう』と、壁に向かって駆け出したらそのままの勢いで重量を無視する形で壁を走れていた。
「すごい、すごいよ、ソーヤさん! 私、壁を走れちゃってる!」
(ああ、すごいね)
奏矢は内心、少しばかりイラついていた。もう少し時間を掛ければ警官たちがわんさかと来て、怪人を倒せなくとも多少なりとも体力は削れてくれるはず。だがリリはそんなことなど一切考えずに、真っ直ぐに怪人の元へと闇雲に駆け抜けていた。
『ちょっとは利口に行動すれば良いのに』
そう、奏矢は思いかけるがなんとかリリに内心を見透かされないように思いを飲み込む。『リリはあくまで正義の魔法少女。悪を挫き、弱きを助け、世界を救う』。そう、教えたのは奏矢自身である。己の存在価値を、リリと一緒にいる理由に一片でも疑問を持たせるわけにはいかなかった。
(リリ、急がないと!)
(うん、陰謀団に襲われてる人を助けなきゃ!)
心にもないことを、奏矢はリリの心に囁く。
奏矢からの発破を受けてさらに加速して壁を走るリリの視界に3体の真っ黒な戦闘員と巨体で牛頭をもつ牛型怪人が入る。そして1人の戦闘員がリリと同じくらいの体格の女の子を抱えて、どこかへ運ぼうとしているところであった。その女の子は暴れて抵抗していたが戦闘員に抱きすくめられて、さらには牛型怪人に殴られて抵抗を止める。
(女の人が攫われてるっ!? 助けないと)
リリは右手に力を込めると指先から銀の液体が流れてくる。そしてその液体は弓の形へと変形すると、たちまちリリの身長よりも長い銀の弓が出来上がる。そして左手にも力を込めると、同じように指先から銀の液体が溢れ出て銀色の矢が出来上がる。
("お願い"、当たって!)
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矢は風を切る音を立てながら戦闘員に向かって真っ直ぐに弾道を描いていたが、その風切り音が途中から4つになる。
(えっ)
矢を放ったリリは驚く。己が放った銀の一矢が宙で4つに分裂したのだ。そしてその4本の銀の矢は3人の戦闘員たちの喉元やうなじ、心臓を、そして牛型怪人の額を正確に撃ち抜いたのであった。
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