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プロローグ
高橋 未来
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ー人生は予測できない、だからこそ楽しいー
よくこんな言葉が出るが、この手の事言うやつが僕は嫌いだ。
なぜならこの言葉は、予測することを諦めた凡人共の戯言だからだ。
僕は違う。
各所から情報を集め、それを材料に何通りかの物事を予測、その中で自分にとって一番最高なルートを選ぶ。
それがこの僕、高橋 未来だ。
そんな僕は今、株投資をやっている。
株投資は情報を集め、どの会社が伸びるかを早めに予測し、安いうちに投資する。
僕は常に、凡人の3歩先予測というモットーで生きている。
そんな僕にとって株投資は天職なわけだ。
そう僕にかかれば、例えばこのdeltaという会社の株価も…。
「暴落してる…?」
折れ線グラフで見てるのだが、線が滑り台、いやジェットコースターのレーンのように急降下していた。
馬鹿な、何があった。
他の情報収集の時間分、少し目を離していたが、その一瞬でここまで暴落するか…?
deltaは最近できた服飾系の、所謂アパレルだ。
ここは他のブランドには無いものがあり、それは流行りアニメ、ゲームのコラボに強く、それでいてオシャレなところだ。
『アニメデザインでデートに行こう』
そんなキャッチコピーが大げさではないのがすごいところだ。
最近オタク界隈のオシャレ化と合わせ、伸びると予測していたのに、いったい何が…。
「なっ…公式SNSが…炎上している…」
あらましとしてはこういうものらしい。
deltaの社員による下品な飲み会の動画を誤って公式SNSに乗せてしまった。
その内容は一気飲みコールやメインターゲットであるオタクを罵倒するもの。
すぐに削除はしたが、当然時すでに遅し、動画は瞬く間もなく拡散。
そしてすぐ謝罪をするのが常である状況に、社員の一人が「飲み会をどう楽しもうが自由じゃね」とコメント。
その行為が油注ぐ行為となり、結果大炎上している。
この間、わずか30分。
「僕が…見逃した一瞬で…ここまで事が…」
結果、大暴落。
「ふざけんなよ!!」
僕は思わず台パンしてしまう。
僕は常に、僕の最高のビジョンを予測する。
だが、後先考えない凡人により邪魔されることが多々だ。
「またこのパターンかよ…おのれ凡人め!!」
僕は思わず怒りで叫んだ。
ただ一人部屋で叫んでも響き、むなしいだけだった。
「はぁ…ジュース飲むか」
僕は冷蔵庫に向かう。
ジュースとはGFジュースのことだ。
よく怒りを抑えるにはカルシウムというがそれは正確ではない。
正確にはカルシウムが不足するとバランスが乱れ、それが回りに回って怒りを調節する器官にも影響でるんじゃない?みたいな回りくどい話であり、直接的に影響が出ているというわけではない。
その点、GFジュースに含まれているビタミンDはストレス解消にいいとされている。
つまり怒った時にいい飲み物はGFジュースなのだ。
そう思い冷蔵庫を開けるが、ジュースは入ってなかった。
「あぁ…そういえばこの前全部飲んじゃったっけ?」
しまったなと頭をかく。
買いに行くにも今は深夜二時。
普段夜行性なので起きれはするが少し肌寒く、なによりめんどくさい。
今日は飲まんでもいいかな、と思ったがdeltaに損させられた分を思い出す。
「あぁだめだ、これはイライラしてしまう」
僕はコートを羽織り、コンビニに向かった。
「あざっしたー」
やる気のない店員の声をバックにコンビニから出る。
「さてと…」
僕はコンビニの向かいにある公園に入り、ベンチに座る。
そしてGFジュース1ダースセット入った袋から一本取り出す。
ストローをさして準備完了。
僕はがっつくように一気に飲んだ。
「んん…」
ストローごしに入ってくる甘すぎず、すっぱすぎない丁度いい味。
「ふー…」
そしてこの落ち着く柑橘系の風味が僕のストレスを忘れさせてくれる。
「実用的かつ美味しいとは」
完璧とはこのことかもしれない。
そんな幸せを味わっているとき、スマホから通知音が鳴る。
パっと開くと、ネットニュースだった。
「またこの辺でか…」
ここのところ、東京都で殺人が頻繁に起こっている。
その内容は刃物で一突きというものだ。
最初は事件多いな程度の考えだったが、とあるネットの記事がそれを変える。
『警察は同一犯の犯行とみて調べている』
なんとその記事当時は五件だったのだが、それらは一人の犯人による連続殺人だという。
そんな狂気的犯行が東京都という狭い範囲で起きている。
そりゃ騒ぎにもなる。
そんな殺人事件、今のネットニュースによると7件目が起きてしまったという。
「よくもまあ逃げ切れるな、何か理由があるのか」
僕も東京都在住だ。
場合によっては殺される可能性がある。
そのため共通点や逃げられる理由などを予測し、そこから被害者にならない方法を見出す。
これこそ予測の醍醐味だ。
「刃物で一突きらしいが、例えばその刃物が特殊で、それゆえ同一犯とみてるとかか」
そんなことを考えてる時だ。
「きゃぁぁぁぁ!!!」
「え!?」
女性の悲鳴が聞こえた。
その大きさに周りの家も、電気をつけて窓から周りを見渡していた。
「…」
一方僕は怖がっていた。
何故なら今調べていたのは殺人事件。
そのタイミングで悲鳴だ。
ネガティブな妄想をしてもおかしくはない。
「…まさかな」
そんな偶然があるはず。
そう思いつつ、少しでもその可能性があるなら。
僕は帰路を急ぐことにした。
当たり前の、当然の行為。
だがその時の僕は失敗したかもしれない。
逃げた方向は、悲鳴の方向と一緒だったのだから。
そのことに気づいたのは、ちょっと走ってからだった。
「…え?」
とある光景に足を止めてしまう。
その光景は、制服を着た、おそらく女子高生が、倒れている。
腹から血を流し、ピクリとも動かず。
そして、その横には、おそらく男が一人立っていた。
おそらくというのは、そいつはガスマスクをつけていて服装も黒の厚めのロングコートで体のラインが出るものではなかった。
なので高身長ということぐらいしか分からなかった。
そんな奴が、立っていた。
でかい、剣のようなものを持って。
それも血を、垂らした。
「あ…あ…」
僕は逃げようとした。
予測を立てるまでもない。
今僕は、例の連続殺人の、現場に、来てしまった。
「うわぁぁぁぁぁ!!」
僕は叫び、そこから立ち去ろうとする。
「…っ!!??」
だが突然の強い頭痛に頭を思わず抑える。
「な、こ、こんなときに」
僕は構わず逃げようとする。
だが、頭痛は、ひどくなっ、ていく。
「あぁ…あぁ!!」
まるで脳を、直接、いじられているよう、な。
「あぁぁぁぁぁ!!」
いたいいたいいたいいたい。
「あぁ…?」
段々痛みが治まってきたのか、それとも慣れてきたのか、とにかく冷静になってきたころ。
「な、なんだこれ?」
今はとても焦らなきゃいけない状況のはずだ。
なのに僕は不思議な妄想をしていた。
いや妄想というより、思い出したかのように鮮明にはっきりと。
不思議なシーンが映し出された。
「僕が、刺されて、光って?」
「!?」
その言葉を聞いた目の前の奴は分かりやすく反応を示した。
「……Prophet」
「え…?」
奴は突然何かを呟き、そして。
持っていた鍵をこちらに向ける。
「…鍵?」
なぜだろう。
さっきまで大きい剣に見えていたそれが今は鍵だとはっきりわかる。
そしてこれもなぜだろう。
僕は今、これを刺されることに恐怖を感じない。
「…刺されるのか?」
何故か分からない。
だが僕は今、この鍵に刺されることが確定事項の用に感じている。
分からない。
何で?
どうして?
根拠は?
そんなことを考えているうちに、奴は目の前に来ていた。
「…いってらっしゃい」
そして奴は、鍵を僕の腹に刺した。
「……あれ?」
それは不思議な光景だった。
僕はしっかり刺されている。
血も出ている。
なのになぜか痛くない。
そして何より。
痛くないことに何も違和感がない。
「僕は、何を…?」
そんなことを考えていると鍵が光りだす。
「あ…これ」
僕がさっき見てた妄想?
それはさっき出てきたビジョン通りだった。
その光はどんどん強くなり、そして。
僕はーーーーーーーーーーーー
よくこんな言葉が出るが、この手の事言うやつが僕は嫌いだ。
なぜならこの言葉は、予測することを諦めた凡人共の戯言だからだ。
僕は違う。
各所から情報を集め、それを材料に何通りかの物事を予測、その中で自分にとって一番最高なルートを選ぶ。
それがこの僕、高橋 未来だ。
そんな僕は今、株投資をやっている。
株投資は情報を集め、どの会社が伸びるかを早めに予測し、安いうちに投資する。
僕は常に、凡人の3歩先予測というモットーで生きている。
そんな僕にとって株投資は天職なわけだ。
そう僕にかかれば、例えばこのdeltaという会社の株価も…。
「暴落してる…?」
折れ線グラフで見てるのだが、線が滑り台、いやジェットコースターのレーンのように急降下していた。
馬鹿な、何があった。
他の情報収集の時間分、少し目を離していたが、その一瞬でここまで暴落するか…?
deltaは最近できた服飾系の、所謂アパレルだ。
ここは他のブランドには無いものがあり、それは流行りアニメ、ゲームのコラボに強く、それでいてオシャレなところだ。
『アニメデザインでデートに行こう』
そんなキャッチコピーが大げさではないのがすごいところだ。
最近オタク界隈のオシャレ化と合わせ、伸びると予測していたのに、いったい何が…。
「なっ…公式SNSが…炎上している…」
あらましとしてはこういうものらしい。
deltaの社員による下品な飲み会の動画を誤って公式SNSに乗せてしまった。
その内容は一気飲みコールやメインターゲットであるオタクを罵倒するもの。
すぐに削除はしたが、当然時すでに遅し、動画は瞬く間もなく拡散。
そしてすぐ謝罪をするのが常である状況に、社員の一人が「飲み会をどう楽しもうが自由じゃね」とコメント。
その行為が油注ぐ行為となり、結果大炎上している。
この間、わずか30分。
「僕が…見逃した一瞬で…ここまで事が…」
結果、大暴落。
「ふざけんなよ!!」
僕は思わず台パンしてしまう。
僕は常に、僕の最高のビジョンを予測する。
だが、後先考えない凡人により邪魔されることが多々だ。
「またこのパターンかよ…おのれ凡人め!!」
僕は思わず怒りで叫んだ。
ただ一人部屋で叫んでも響き、むなしいだけだった。
「はぁ…ジュース飲むか」
僕は冷蔵庫に向かう。
ジュースとはGFジュースのことだ。
よく怒りを抑えるにはカルシウムというがそれは正確ではない。
正確にはカルシウムが不足するとバランスが乱れ、それが回りに回って怒りを調節する器官にも影響でるんじゃない?みたいな回りくどい話であり、直接的に影響が出ているというわけではない。
その点、GFジュースに含まれているビタミンDはストレス解消にいいとされている。
つまり怒った時にいい飲み物はGFジュースなのだ。
そう思い冷蔵庫を開けるが、ジュースは入ってなかった。
「あぁ…そういえばこの前全部飲んじゃったっけ?」
しまったなと頭をかく。
買いに行くにも今は深夜二時。
普段夜行性なので起きれはするが少し肌寒く、なによりめんどくさい。
今日は飲まんでもいいかな、と思ったがdeltaに損させられた分を思い出す。
「あぁだめだ、これはイライラしてしまう」
僕はコートを羽織り、コンビニに向かった。
「あざっしたー」
やる気のない店員の声をバックにコンビニから出る。
「さてと…」
僕はコンビニの向かいにある公園に入り、ベンチに座る。
そしてGFジュース1ダースセット入った袋から一本取り出す。
ストローをさして準備完了。
僕はがっつくように一気に飲んだ。
「んん…」
ストローごしに入ってくる甘すぎず、すっぱすぎない丁度いい味。
「ふー…」
そしてこの落ち着く柑橘系の風味が僕のストレスを忘れさせてくれる。
「実用的かつ美味しいとは」
完璧とはこのことかもしれない。
そんな幸せを味わっているとき、スマホから通知音が鳴る。
パっと開くと、ネットニュースだった。
「またこの辺でか…」
ここのところ、東京都で殺人が頻繁に起こっている。
その内容は刃物で一突きというものだ。
最初は事件多いな程度の考えだったが、とあるネットの記事がそれを変える。
『警察は同一犯の犯行とみて調べている』
なんとその記事当時は五件だったのだが、それらは一人の犯人による連続殺人だという。
そんな狂気的犯行が東京都という狭い範囲で起きている。
そりゃ騒ぎにもなる。
そんな殺人事件、今のネットニュースによると7件目が起きてしまったという。
「よくもまあ逃げ切れるな、何か理由があるのか」
僕も東京都在住だ。
場合によっては殺される可能性がある。
そのため共通点や逃げられる理由などを予測し、そこから被害者にならない方法を見出す。
これこそ予測の醍醐味だ。
「刃物で一突きらしいが、例えばその刃物が特殊で、それゆえ同一犯とみてるとかか」
そんなことを考えてる時だ。
「きゃぁぁぁぁ!!!」
「え!?」
女性の悲鳴が聞こえた。
その大きさに周りの家も、電気をつけて窓から周りを見渡していた。
「…」
一方僕は怖がっていた。
何故なら今調べていたのは殺人事件。
そのタイミングで悲鳴だ。
ネガティブな妄想をしてもおかしくはない。
「…まさかな」
そんな偶然があるはず。
そう思いつつ、少しでもその可能性があるなら。
僕は帰路を急ぐことにした。
当たり前の、当然の行為。
だがその時の僕は失敗したかもしれない。
逃げた方向は、悲鳴の方向と一緒だったのだから。
そのことに気づいたのは、ちょっと走ってからだった。
「…え?」
とある光景に足を止めてしまう。
その光景は、制服を着た、おそらく女子高生が、倒れている。
腹から血を流し、ピクリとも動かず。
そして、その横には、おそらく男が一人立っていた。
おそらくというのは、そいつはガスマスクをつけていて服装も黒の厚めのロングコートで体のラインが出るものではなかった。
なので高身長ということぐらいしか分からなかった。
そんな奴が、立っていた。
でかい、剣のようなものを持って。
それも血を、垂らした。
「あ…あ…」
僕は逃げようとした。
予測を立てるまでもない。
今僕は、例の連続殺人の、現場に、来てしまった。
「うわぁぁぁぁぁ!!」
僕は叫び、そこから立ち去ろうとする。
「…っ!!??」
だが突然の強い頭痛に頭を思わず抑える。
「な、こ、こんなときに」
僕は構わず逃げようとする。
だが、頭痛は、ひどくなっ、ていく。
「あぁ…あぁ!!」
まるで脳を、直接、いじられているよう、な。
「あぁぁぁぁぁ!!」
いたいいたいいたいいたい。
「あぁ…?」
段々痛みが治まってきたのか、それとも慣れてきたのか、とにかく冷静になってきたころ。
「な、なんだこれ?」
今はとても焦らなきゃいけない状況のはずだ。
なのに僕は不思議な妄想をしていた。
いや妄想というより、思い出したかのように鮮明にはっきりと。
不思議なシーンが映し出された。
「僕が、刺されて、光って?」
「!?」
その言葉を聞いた目の前の奴は分かりやすく反応を示した。
「……Prophet」
「え…?」
奴は突然何かを呟き、そして。
持っていた鍵をこちらに向ける。
「…鍵?」
なぜだろう。
さっきまで大きい剣に見えていたそれが今は鍵だとはっきりわかる。
そしてこれもなぜだろう。
僕は今、これを刺されることに恐怖を感じない。
「…刺されるのか?」
何故か分からない。
だが僕は今、この鍵に刺されることが確定事項の用に感じている。
分からない。
何で?
どうして?
根拠は?
そんなことを考えているうちに、奴は目の前に来ていた。
「…いってらっしゃい」
そして奴は、鍵を僕の腹に刺した。
「……あれ?」
それは不思議な光景だった。
僕はしっかり刺されている。
血も出ている。
なのになぜか痛くない。
そして何より。
痛くないことに何も違和感がない。
「僕は、何を…?」
そんなことを考えていると鍵が光りだす。
「あ…これ」
僕がさっき見てた妄想?
それはさっき出てきたビジョン通りだった。
その光はどんどん強くなり、そして。
僕はーーーーーーーーーーーー
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