ドルオタですが、異世界来たのでプロデューサーやってみます

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1章

推しのいない世界だけは無理!!

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  え?
  景色が変。
  コレって前に凌くんが出てた、貴族刑事の舞台?
  なら凌くんは??
  さっきから目の前を行き来してる人達、外国人ばっかりだけど。

「どうかしましたか?」

  金髪碧眼のイケメンが話しかけてきたけど、何で日本語喋ってんの?
  ってそんなのどうでも良い!!

「ここってドコですか?」
「ここはアルフレラ王国の王都ですよ。何かお困りですか?」
「イヤイヤイヤ!アルフレラ王国ってドコ??」
「もしかしてイルハラーレ王国の方ですか?」

  ごめんなさい、アルフレラ王国もイルハラーレ王国も知りません。
  社会の勉強とか真面目にしてこなかったし、国の名前とかそんなにたくさん知りません。
  そもそも飛行機とか乗らないで、国って跨げるの?そんなレベルだけど、ここドコ!

「あの、ココって日本までどれぐらいかかりますか?」
「ニホン?イルハラーレの地名でしょうか?」
「私の住んでる国の名前です」
「うーん、その様な国は聞いたことがありません」

  え?ワット?日本を知らない?そのくせに日本語喋ってんの?そんな冗談、いらないんだってば!

「この国のアイドルは?」
「アイドルとは?」

  そうでしょうね。アイドルは、世界的にまだまだ伸びしろがある知名度でしょうね。

「この国のミュージシャンと言えば?」
「ミュージシャンと言うのは、音楽を嗜む人の事でしょうか?」

  私だって洋楽の有名な人ぐらい分かるのに、これは馬鹿にされてる?

「音楽を仕事にしてる人です」
「音楽家と言うのならシンディー家が有名だけど、音楽を仕事にしてる人はあまりいないかな」

  完全に馬鹿にされてるね、コレは。音楽を仕事にしてる人なんて、幾らでもいるでしょうが。

「もう良いです、空港までの行き方教えてください」
「クウコウ?」
「飛行機に乗るところ!」
「ヒコウキ?」
「もう!そんなに日本語喋れるのに、どうしてそんなに意地悪なんですか?」
「ニホンゴ?」

  もう頭にキタ!

「私明日もライブなの!なんとしても、帰らなくちゃいけないの!」
「隣国であるイルハラーレに帰るにも、今からでは二日後になりますよ?」
「この時代にそんなわけがないでしょ!私本当に真剣なんです」
「力になりたいところですが、二日後が最速です」

  この分からず屋のトンチンカンめ!

「一番近い駅、ステーションで良いから教えてください」
「どの様なステーションをお探しですか?」
「どの様なって、快速とか特急とかが止まる駅が近いならそっちがいいです」
「ステーションは領地の拠点の事ですよね?」

  え、私英語間違えて覚えてる?駅って何て言うの?ステーションって、駅じゃないの?社会も英語も何でも、しっかり勉強しとけば良かった。

「寿司、天ぷらが有名な日本に帰りたいんです!」
「スシ?テンプラ?それは何でしょうか?」
「じゃあ、アニメは?富士山だってあるよ?ウォシュレットだよ?」
「すみません、どれも分かりません」

  ガーン。どれも当たり前に、みんな知ってるんじゃないの?日本の素晴らしい所でしょ?って言ったよ?この人。
  これは、最終手段に出るしかない。

「もう良いです。日本が有名じゃないことは分かったので、アメリカまでの行き方を教えてください」
「アメリカ?それはイルハラーレの地名ですか?」
「イヤイヤイヤ!じゃあここからは、どこにも行けないんですか?」
「イルハラーレとヤンバリーノ、そしてセオノイドでしたら隣国ですよ」
「一個も分かりません。そもそも何で今お昼なんですか?私ライブ終わって帰ってて、夜だったはずなのに」

  この人に言ったって、こんなの八つ当たりだって分かってる。
  でも間違いなくさっきまでドームに居て、凌くんを見てたんだもん。
  ドームスリーデイズの初日だったのに、占い師の人と喋って気づけばココにいた。
  そんなのどうでも良い、むしろ問題じゃない。

  明日のライブに間に合うのか、凌くんに会えるのか、それが重要なの!
  プレ販でグッズも制覇出来て、初日神席で、このスリーデイズで私の運全部使い切っちゃうかも、なんて思ってたのに。

「大丈夫ですか?」
「大丈夫じゃない!お昼って事は今何日?」
「今日は十三日ですよ」
「え?二十日じゃないの?も、もしくは二十一とか?」
「いえ、間違いなく十三日ですよ」
「ちなみに、何月ですか?」
「六月ですよ」

  にこにこしながら答える金髪碧眼のイケメンに、思いっきり頭突きしたい衝動に駆られる。
  九月のはずなのに、六月とか言うし。そんなのどうしたって帰るしかないじゃない。
  イケメンなんてどうでも良い、だって凌くんじゃないもん。むしろ一般的イケメンであって、私の中では凌くんかそうじゃないかの、そうじゃない方だもん。

「ちなみにこれが地図ですけど、ニホンはないでしょう?」

  そう言いながら笑顔で地図らしきものを広げるイケメンは、なんじゃそりゃってなるような地図を見せてきた。

「これ、世界地図?」
「そうですよ?」
「コレが?」
「コレが」

  無駄に笑顔を振りまくイケメンは、堂々とありえない事を言ってのけた。

  それが世界地図なら、日本はどこ?そもそもここはドコ?アルフなんとかって、世界地図にそんなでっかく載るような国、ありましたっけ?
  ってそんなのどうでも良い!!

  ココがドコとか、日付がどうとか、もうそんなのどうでも良いよ!どうせ分からないもん。
  だけど。

「推しのいない世界だけは、無理!!!」
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