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「二人とも帰ったよ。優馬くんはずっと申し訳ないって謝ってた。きみと景義くんの関係を知っていて引き合わせたわけじゃないみたいだよ。もちろん俺も知らなかった。でもごめんね。もっとしっかり相手のことを聞いておくべきだった」
渋谷千尋は頷くので精一杯だった。繋がっていた部分がヒリヒリと痛む。心臓は胸を突き破りそうなほど激しく波打っていた。
「お湯溜めたから、とりあえず汗流そうか。立てる?」
首を横に振ると、シンジは千尋の横に回った。「首に腕、回して」と言われ、応じると、抱え上げられた。
バスルームへ運ばれ、湯船に下ろされる。ぬるま湯が心地いい。千尋は目を閉じ、呼吸を整えた。
「サークルの先輩が初めての相手じゃなかったんだね」
「……古傷、えぐんないで」
「まだ痛む?」
シンジが頭を撫でながら聞いてくる。
「痛い」
「きみが強がらないの、珍しいね」
「強がってどうすんの。あんなみっともない姿見られてるのに」
相手が戸次だと気づいて、ひどく取り乱してしまった。泣き喚いたせいで声は枯れるし最悪だ。
「特定の相手を作らないのは、景義くんが原因?」
「…………本当は付き合いたくなかったって言われた。俺が先輩で、バッテリーだから、そうするしかなかったって」
ずっと胸にしまい込んできたのに、いざ口にすると止まらなかった。
「一年間……苦痛だったって。あいつの言い分も、わかるけど……わかるけどっ……」
だったら告白なんかしてくるな。無理して付き合うな。思い出すだけで気分が悪くなってくる。戸次が嫌がっているとも知らず、男に抱かれて喜んでいた自分は救いようのないバカだ。
すみません……渋谷先輩は、戸次のことが好きなんですよね……
秋本、ここにいたのか。中村先生が呼んでたぞ。早く行けよ。
あの時、戸次の邪魔が入らなければ、自分は秋本の告白を受け入れていた。確かに戸次のことが好きだった。でもあいつは女好きだし、叶わぬ恋だと諦めていた。秋本とはほとんど関わりはなかったけれど、なぜか付き合うイメージが容易にできた。彼となら上手くいくかもとか、もっと彼のことを知りたいとか、ポジティブな気持ちが次々と湧いてきた。でも……
渋谷先輩……実はさっき、聞いちゃったんすけど、渋谷先輩って、俺のこと好きなんすか? 実は俺も、渋谷先輩のこと好きで……あの、良かったら俺と付き合ってくれませんか? 秋本に渋谷先輩取られるの、耐えられねえっす。
あれが嘘とも知らず、千尋は舞い上がった。迷わずその告白を受け入れた。次の瞬間にはキスされた。ビクッと震えた体を強く抱きしめられて、幸せすぎて涙が出た。秋本には悪いと思いつつ、舞い込んできた幸福を手放せるはずがないと開き直った。
「苦痛だったら一年も続かないと思うし、男のセフレなんて作らないと思うよ」
「……そうかもね。でも、今更そんなの知りたくなかった」
あの日、自分はたった2択で間違えた。二人と再会して、それを思い知った。
「チェックインの時、ロビーで会った奴、わかる?」
てっきり千尋は、秋本がスワッピングの相手だと勘違いした。秋本がゲイだと知っていたから、早とちりしてしまったのだ。だからシンジに「待ち合わせは9時だよ」と言われ、慌てて追いかけた。
「秋本くんでしょ。さっきも名前呼んでたよね」
それもバッチリ聞かれていたのだ。恥ずかしくて、千尋は両手で湯を掬い、顔面に掛けた。
「俺、告白されたんだ」
「戻ってきた時、やけに顔が赤かったから、何かあったのかなとは思った」
「高校の時も」
シンジの手が一瞬止まり、「それで?」とまた動く。
「初めて男に告白されて、驚いたし嬉しかった。秋本のこと……よく知らないのにこいつと付き合ったら上手くいきそうって思った。……なのに俺、戸次を選んだんだ」
「景義くんのこと、好きだったんだね」
「うん。俺バカだから」
じわりと視界が滲んだ。
「秋本を選んでたらどうだったんだろうって……何度考えたかわからない。勝手だろ。秋本を傷つけて、戸次を選んだのに。なのに秋本、俺を幸せにするって言うんだ。俺が望むこと、全部叶えるって」
「ヒロくんはそれを言われて、嬉しかったの?」
「うん」
「じゃあどうして俺との約束を断らなかったの?」
罪悪感もあるのだろう。シンジの声音には苛立ちが混じっている。
「こんなに良いホテル取ってもらって、相手の都合もあるのに、ドタキャンなんてできないでしょ」
シンジは呆れたようにため息をついた。
「まあ……きみはそういう人間だものね。責任感が無駄に強い」
「シンジさん、ごめんね」
「きみが謝ることじゃない。秋本くんと連絡は取れる?」
「ライン交換した」
「そう、良かった。こうやって会うのはこれきりにしよう。困ったことがあれば力になれると思うから、連絡先は残しておいてほしいけど。……まあでも、秋本くんが消せって言うなら消してもらって構わない。きみが困っていたら、彼ならきっと助けてくれると思うから」
「なんでそんなことわかるわけ」
「パッと見た感じの印象かな。俺を見る目に敵意がなかった」
千尋は首を傾げる。
「なんて言うか彼の目は……きみに相応しい男かどうか、俺を見極めているようだった。きみに好意がある奴は、だいたい敵意を向けてくるんだけど。彼の目にはそういう下心が一切含まれていなかった。ただ純粋に、俺を疑っていた」
「疑う……」
「戸次くんみたいに俺がきみを傷つけないか、心配していたんだと思う」
ぱんと胸が弾けた。
自分が切り捨てたものの大きさに気づいて、千尋は両手で顔を覆い、咽び泣いた。
「ちゃんと秋本くん、呼びなね。事後とかつまらないことは考えなくていいから。大丈夫だから」
甲斐甲斐しく千尋の体を拭い、ベッドまで運ぶと、親切にスマホを手に握らせて、シンジは帰って行った。
本当に、事後とか考えなくて良いのだろうか。戸次とセックスしたこの場所に、彼を呼んで良いのだろうか。今更彼を選ぶなんて、虫が良すぎやしないだろうか……
それでもスマホを開く。秋本からメッセージが来ていた。
今日は会えて良かったです。やっぱり渋谷先輩のことが好きです。さっきの話、真剣に考えてくれると嬉しいです。
わずかな理性と躊躇いは、秋本のメッセージを見た瞬間に消滅した。返信しようとキーパッドに指を置く。けれど何も言葉が思いつかなくて、焦る気持ちが通話ボタンを押していた。
渋谷千尋は頷くので精一杯だった。繋がっていた部分がヒリヒリと痛む。心臓は胸を突き破りそうなほど激しく波打っていた。
「お湯溜めたから、とりあえず汗流そうか。立てる?」
首を横に振ると、シンジは千尋の横に回った。「首に腕、回して」と言われ、応じると、抱え上げられた。
バスルームへ運ばれ、湯船に下ろされる。ぬるま湯が心地いい。千尋は目を閉じ、呼吸を整えた。
「サークルの先輩が初めての相手じゃなかったんだね」
「……古傷、えぐんないで」
「まだ痛む?」
シンジが頭を撫でながら聞いてくる。
「痛い」
「きみが強がらないの、珍しいね」
「強がってどうすんの。あんなみっともない姿見られてるのに」
相手が戸次だと気づいて、ひどく取り乱してしまった。泣き喚いたせいで声は枯れるし最悪だ。
「特定の相手を作らないのは、景義くんが原因?」
「…………本当は付き合いたくなかったって言われた。俺が先輩で、バッテリーだから、そうするしかなかったって」
ずっと胸にしまい込んできたのに、いざ口にすると止まらなかった。
「一年間……苦痛だったって。あいつの言い分も、わかるけど……わかるけどっ……」
だったら告白なんかしてくるな。無理して付き合うな。思い出すだけで気分が悪くなってくる。戸次が嫌がっているとも知らず、男に抱かれて喜んでいた自分は救いようのないバカだ。
すみません……渋谷先輩は、戸次のことが好きなんですよね……
秋本、ここにいたのか。中村先生が呼んでたぞ。早く行けよ。
あの時、戸次の邪魔が入らなければ、自分は秋本の告白を受け入れていた。確かに戸次のことが好きだった。でもあいつは女好きだし、叶わぬ恋だと諦めていた。秋本とはほとんど関わりはなかったけれど、なぜか付き合うイメージが容易にできた。彼となら上手くいくかもとか、もっと彼のことを知りたいとか、ポジティブな気持ちが次々と湧いてきた。でも……
渋谷先輩……実はさっき、聞いちゃったんすけど、渋谷先輩って、俺のこと好きなんすか? 実は俺も、渋谷先輩のこと好きで……あの、良かったら俺と付き合ってくれませんか? 秋本に渋谷先輩取られるの、耐えられねえっす。
あれが嘘とも知らず、千尋は舞い上がった。迷わずその告白を受け入れた。次の瞬間にはキスされた。ビクッと震えた体を強く抱きしめられて、幸せすぎて涙が出た。秋本には悪いと思いつつ、舞い込んできた幸福を手放せるはずがないと開き直った。
「苦痛だったら一年も続かないと思うし、男のセフレなんて作らないと思うよ」
「……そうかもね。でも、今更そんなの知りたくなかった」
あの日、自分はたった2択で間違えた。二人と再会して、それを思い知った。
「チェックインの時、ロビーで会った奴、わかる?」
てっきり千尋は、秋本がスワッピングの相手だと勘違いした。秋本がゲイだと知っていたから、早とちりしてしまったのだ。だからシンジに「待ち合わせは9時だよ」と言われ、慌てて追いかけた。
「秋本くんでしょ。さっきも名前呼んでたよね」
それもバッチリ聞かれていたのだ。恥ずかしくて、千尋は両手で湯を掬い、顔面に掛けた。
「俺、告白されたんだ」
「戻ってきた時、やけに顔が赤かったから、何かあったのかなとは思った」
「高校の時も」
シンジの手が一瞬止まり、「それで?」とまた動く。
「初めて男に告白されて、驚いたし嬉しかった。秋本のこと……よく知らないのにこいつと付き合ったら上手くいきそうって思った。……なのに俺、戸次を選んだんだ」
「景義くんのこと、好きだったんだね」
「うん。俺バカだから」
じわりと視界が滲んだ。
「秋本を選んでたらどうだったんだろうって……何度考えたかわからない。勝手だろ。秋本を傷つけて、戸次を選んだのに。なのに秋本、俺を幸せにするって言うんだ。俺が望むこと、全部叶えるって」
「ヒロくんはそれを言われて、嬉しかったの?」
「うん」
「じゃあどうして俺との約束を断らなかったの?」
罪悪感もあるのだろう。シンジの声音には苛立ちが混じっている。
「こんなに良いホテル取ってもらって、相手の都合もあるのに、ドタキャンなんてできないでしょ」
シンジは呆れたようにため息をついた。
「まあ……きみはそういう人間だものね。責任感が無駄に強い」
「シンジさん、ごめんね」
「きみが謝ることじゃない。秋本くんと連絡は取れる?」
「ライン交換した」
「そう、良かった。こうやって会うのはこれきりにしよう。困ったことがあれば力になれると思うから、連絡先は残しておいてほしいけど。……まあでも、秋本くんが消せって言うなら消してもらって構わない。きみが困っていたら、彼ならきっと助けてくれると思うから」
「なんでそんなことわかるわけ」
「パッと見た感じの印象かな。俺を見る目に敵意がなかった」
千尋は首を傾げる。
「なんて言うか彼の目は……きみに相応しい男かどうか、俺を見極めているようだった。きみに好意がある奴は、だいたい敵意を向けてくるんだけど。彼の目にはそういう下心が一切含まれていなかった。ただ純粋に、俺を疑っていた」
「疑う……」
「戸次くんみたいに俺がきみを傷つけないか、心配していたんだと思う」
ぱんと胸が弾けた。
自分が切り捨てたものの大きさに気づいて、千尋は両手で顔を覆い、咽び泣いた。
「ちゃんと秋本くん、呼びなね。事後とかつまらないことは考えなくていいから。大丈夫だから」
甲斐甲斐しく千尋の体を拭い、ベッドまで運ぶと、親切にスマホを手に握らせて、シンジは帰って行った。
本当に、事後とか考えなくて良いのだろうか。戸次とセックスしたこの場所に、彼を呼んで良いのだろうか。今更彼を選ぶなんて、虫が良すぎやしないだろうか……
それでもスマホを開く。秋本からメッセージが来ていた。
今日は会えて良かったです。やっぱり渋谷先輩のことが好きです。さっきの話、真剣に考えてくれると嬉しいです。
わずかな理性と躊躇いは、秋本のメッセージを見た瞬間に消滅した。返信しようとキーパッドに指を置く。けれど何も言葉が思いつかなくて、焦る気持ちが通話ボタンを押していた。
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